以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20210507-iq-humans-smarter/より取得しました。



現代人の便利な生活を支える科学技術は日進月歩で進化しており、また人々の知能指数(IQ)テストのスコアは年々向上しているとの研究結果があることから、「人類は世代を経るごとに賢くなっている」と考える人もいるかもしれません。人々のIQが年々上がっているメカニズムや「人類は本当に賢くなっているのか?」という疑問について、スコットランド・アバディーン大学の研究者らが解説しました。

IQ tests: are humans getting smarter?
https://theconversation.com/iq-tests-are-humans-getting-smarter-158837

アバディーン大学で神経学などの講師を務めているロジャー・スタッフ氏とローレンス・ウォーリー氏らによると、20世紀を通して世界的なIQテストの平均点は10年ごとに3ポイントの割合で上昇し続けたとのこと。この現象は、IQ研究の第一人者だったジェームズ・フリンにちなんで「フリン効果」と呼ばれています。


「10年で3ポイントずつIQが上昇している」と聞くと「人類は賢くなり続けている」と思えますが、多くの研究者は、「フリン効果は健康・栄養状態・教育・労働環境などの改善や技術の進歩が要因になっている」と考えています。例えば、経済的な発展が遅れているサハラ砂漠以南のアフリカ諸国を対象とした研究では、フリン効果は観察されませんでした。この研究結果から、スタッフ氏らは「生活環境が大幅に改善されなければ、IQテストの結果も大幅に上昇しません」と指摘しました。

一方で、経済的に発展した先進国にもかかわらずIQが低下したケースもあります。ノルウェーにおけるフリン効果を検証した研究によると、1975年より前に生まれたノルウェー人男性は10年ごとにIQテストのスコアが3ポイント上昇していた一方で、1975年以降に生まれた人では1年ごとに平均約0.2ポイントずつスコアが低下していたことが判明しました。この「逆フリン効果」は、2005~2013年にかけて行われた、イギリス・スウェーデン・フランスでの研究でも同様に報告されました。


ノルウェーやイギリスなどの先進国でIQが低下した理由は不明ですが、「学校教育が関係しているのではないか」との指摘があります。近年、西洋諸国の教育はチームワークを前提とした対人スキルや情操教育に力点が置かれるようになっており、IQテストで要求されるような個人的なスキルはそれほど重要視されていない上に、進学や就職の際にIQテストが行われることも少なくなっています。そのため、先進国の人々はだんだんIQテストが苦手になっており、これがIQテストのスコア低下として表れているのではないかと、スタッフ氏らは考えています。

こうした研究結果から、スタッフ氏らは「結局のところ、『人類は賢くなっているのか』という問いに対する答えは『なんとも言えない』となります。ひとつ確かなのは、IQの低下は単にIQテストのスコアが低下したというだけのことであって、必ずしも人類の知能の低下を意味しているわけではないということです」と結論付けました。




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