最近、怪談系YouTubeの動画にハマって色々見ていたら、ある人物が登場するという共通点を持つ怪談が複数存在していることに気付き、興味深かったので調査してみた。
だいたいこんな話
- 何人かのグループで山へ夜景を見に行く道中 または心霊スポットへ行く道中・行った帰り またはダムに行った時、崖の近く(またはダムの端っこ)に1人で立っているおじさんに遭遇する
- おじさんは「どうした(姉ちゃん・兄ちゃん)たち。(夜景・心霊スポット・ダム)を見に来たのか?」などと気さくに声をかけてくる
- するとおじさんが「面白いものを見せてあげようか?」と聞いてくる
- 次の瞬間、おじさんが目の前で崖から(またはダムの中へ)飛び降りる
YouTubeの関連動画
- 2023年4月 好井まさおの怪談を浴びる会・エハラマサヒロ
- 2023年12月 怪談ライブBarスリラーナイト・ウエダコウジ
- 2025年2月 好井まさおの怪談を浴びる会・ガリガリガリクソン
- 好井の飲み仲間
- プールの顔見知りのおっちゃん
- 2025年3月 好井まさおの怪談を浴びる会・ダブルアート・真べぇ
- 2025年6月 島田秀平のお怪談巡り・岩元駿介
- その他:たっくーTVれいでぃお、ふにゃ怖チャンネル、ナナフシギ でも同様の話があったらしい(未確認)
↑私が調べた限りでもこれだけの数があって、かなり異常。
名称について
これだけ似たような話が存在するにも関わらず、おじさんの名称が不明でまだ定着していなかったので、とりあえず私が勝手に「飛び降りおじさん」と命名することにした。
※余談:
「飛び降りおじさん」だとオチのネタバレになるから「面白いものを見せてあげようかおじさん」の方がいいかなとも思ったけど、長いし、よく考えたら有名な「口裂け女」も名前でネタバレしてるし「私きれい?女」とは呼ばれてないなと思ったので「飛び降りおじさん」でいっか。となった。
追記:
島田秀平のお怪談巡り・岩元駿介のコメント欄を見返してたら「飛び降りおじさん」と呼んでる人がちらほらいたので、私が命名する前に既に名前が定着していたかもしれないw
出所について調査
関連ブログ
これだけ話が被るということは、みんなどっか同じところからパクってんじゃないか?と思ってGoogle検索してみたら、よく似た話が載ってるブログを発見。
上のブログの投稿時期は2022年7月と、YouTubeで発見した一番古い動画より更に古いものだった。
ただし、「友人から聞いた話」らしいので、これが大元ではなさそう。
他にも2024年5月投稿のブログを発見。
mixiコミュニティ(6月17日追記)
普通にGoogle検索しても出典が出てこないなら、ログインしないと読めない会員制サイトの投稿の中にも似た話があるかもしれない、と思い至り、mixiコミュニティの怖い話のトピックを検索していたところ、2012年4月投稿のトピックを発見。
※ログインは必要だけどコミュニティに参加しなくても閲覧可能
なんと、この手の飛び降りおじさんの話は、2012年頃には既に存在していたことがわかった。13年前だと…!?
洒落怖まとめ
怪談パクられ元の大手といえばやっぱり、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)のオカルト板の「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」スレでしょ!(偏見)と思ってまとめサイトで検索してみたけど、意外にも似たような話は見つからず。絶対あると思ったのに。
6月17日追記:
検索の仕方が悪かったらしい。
「見せてあげようか」ではなく「見せたろか」で検索したら引っかかるのでは?と思いついて検索してみたところ1件ヒットした。
ええもん
581本当にあった怖い名無し New! 2008/05/17(土) 17:13:58 ID:+Zm0jDWmO
怖い話をひとつ。昔どっかで聞いた話なんだが立体歩道橋を上ろうとしたら、先に人が立っていて
、ずっとこっちを見ていた。不審に思いつつ
すれ違う所まで来たら、「ええもん見せたろか?」
と囁いた後、歩道橋の上から飛び降りて自殺した。
2012年どころじゃない、2008年5月の投稿が見つかった!
だが、これも「昔どっかで聞いた話なんだが」と書かれていた。えー!これも原典じゃないのー!?一体誰なんだ、この話を広めたやつは!
その他の関連記事(6月17日追記)
現時点で見つかっている投稿の中では2008年のものが最古なので、それ以降のものはおそらく派生だろうけど参考資料として見つけたものを載せていく。
490. 匿名 2023/06/29(木) 20:37:46
自殺の名所の崖で見学してたら知らんおっちゃんが「すごいやろ?もっとええもん見せたろか?」っていってきて
下半身でも放り出すのかと思ってたらそのまま飛び降り自殺しちゃった
って話は聞いたことある
上は2023年6月の投稿だけど、「自殺の名所の崖」と書かれていて、YouTubeで広まっている話とは少し違う感じがする。
神戸の六甲山に遊びに行ったカップルが展望台で知らないおじさんに「ええもん見せたろか?」って言われて見てたら、そのおじさんが飛び降りたって話この前聞いてめちゃくちゃゾッとしました😰
— 春@意識低い系読書垢 (@haru_book428) 2021年7月28日
上は2021年7月の投稿で、「神戸の六甲山」と珍しく地名がはっきりと書かれている。
展望台ということは夜景スポットかな?
テレビドラマ(6月28日追記)
いままで「面白いもの見せてあげようか 怪談」「飛び降り 怪談」などでずっと検索してたけど、ふと思いついて「ええもん見せたろか 怪談」で検索してみたらこんなページを発見。
上はWikipediaの記事からの引用だけど、要約すると2000年頃に『怖い日曜日~2000~』というタイトルのホラーオムニバスドラマがテレビで放送されていて、その第2回の中の1編が「ええもんみせたろか」というタイトルだったらしい。
しかし、25年前のドラマなだけあって、その回のあらすじなどの詳細はネット上をいくら検索しても出てこないしソフト化も配信もされてないしでもうお手上げ状態…。
唯一「奇妙なサラリーマン」というサブタイトルみたいなものが記事に書かれていてそこだけは分かるけど、サラリーマンということは男性で、「おじさん」かもしれない…ということしか分からなかった。
記事には「第2回の「ええもんみせたろか」は、原作が刊行される前に放映された。」とも書かれていて、ということはその話が載った原作本があるのかと思って探したら「怖い日曜日」という同じタイトルの本はあったけど、その話がどの本に収録されているか、そもそも収録されている本があるのかどうかの確証が得られなかったので買うのは一旦保留することにした。
これがもし飛び降りおじさんとほぼ同じ内容だったとしたら、「実は初出が四半世紀前の怪談でした!」というすごい発見になるんだけどなー…
ちなみに、5ちゃんねるのオカルト板に「心霊番組情報!近日ありますか?!」という、洒落怖スレと同じぐらい歴史があって現在Part128まで続いているスレがあって、それを2000年まで遡ればこのドラマを見た人が何か書き込んでるんじゃないかと思って遡ってみたら、なんと初代のスレが立ったのが2000年8月で、このドラマが放送された2000年7月よりも後だった。そのため、何の情報も得られなかった。
惜しい〜!そんなことある!?
その後、Xで怖い日曜日の「ええもんみせたろか?」の回を見たらしき人を発見したのであらすじを教えて欲しい旨のリプを送ってみたが、返信が来なかった。
えー!そうだったんですね!!!多分Twitterやり始めて、本当に趣味の面白さを実感したのは、あのけんやさんとのやり取りでしたね!
— 🎆み ほ み ほ🎆 (@miporin_96) 2017年12月14日
面白そう!しかも木曜の怪談!✨怖い日曜日なんて毎週見てたー!!いまだに ええもんみせたろか?が忘れられない!
「もしかしたらフォロワーからの返信しか通知オンにしてないのかも?」と思ってフォローしてみたらなぜかフォロバはされたので、その後何か向こうからアクションがあったらこちらで報告する予定。(オカ板の「身のまわりで変なことが起こったら実況するスレ」みたいになってきたw)
6月30日追記:
DMも送ってみたところ、返信が来てあらすじを教えてもらえた!
掲載許可ももらえたので掲載します!こちら↓

すごい…!本当にサラリーマンの男性(おじさん)が「ええもんみせたろか」と言った後飛び降りる話だ…!
しかも飛び降りる場所がダムや崖ではなく歩道橋だから、その前に見つかっていた中では最古のソースの洒落怖スレにあった書き込みとかなり近い!やっぱりこのドラマが全ての元ネタなのかも!
それにしても、この『怖い日曜日』というドラマシリーズ、原作はあの有名なホラー小説の『新耳袋』の作者と同じ、というか新耳袋を原作としたドラマなんだけど、
私はこのドラマにたどり着く前にも「メジャーな怪談といえば新耳袋でしょ」と思って「新耳袋 飛び降り」などのワードで検索するのはすでに3回ぐらい試してたのに何にも引っかからないなと思ってたら、まさかスピンオフの『怖い日曜日』の方が元ネタだったとは…
出所がドラマだということが判明したので、飛び降りおじさんは99%フィクションということになるだろうけど、『怖い日曜日』は一応「視聴者の心霊体験を投稿してもらいオムニバス形式のドラマとして紹介する」(Wikipediaから引用)という体の番組らしいし、原作の『新耳袋』も「木原浩勝と中山市朗の二人が膨大な取材と怪異の経験者への直接的な裏づけ調査を元に、体験者のプライバシーを意図的に秘匿してリライトしたもの」(Wikipediaから引用)ということになっているので、オカルト好きとしては1%ぐらいは「飛び降りおじさんは本当に存在していて、実際に遭遇した経験がある人から聞いた話が元になっているのかもしれない」という説を推したい。
おじさんの特徴
性別
男性。おじさん、おっさんなどの表現が多数。女性バージョンは多分ない。
年齢
不明。「おじさん」なので多分30~40代以降?「おじいさん」ではなさそう。
出没エリア
これはかなりバラつきがある。語り手によって関西弁のおっさんだったり標準語のおじさんだったりするので東西も不明。
とにかく飛び降り可能な高い場所であるという点だけが共通している。
年代
時期が絞れるものの中では、
- ダブルアート・真べぇの話ではbaseよしもとがあった頃らしいので1999年9月〜2010年12月頃かもしれない。(baseよしもと - Wikipedia)
- 岩本駿介の話では大学時代らしいので2012年頃かもしれない。(岩元駿介 - Wikipedia)
時間帯
- 夜、真っ暗な時間
これは大体共通している。ダムの場合でも夜景の場合でもみんな夜に行っている。
遭遇するタイミング
- 夜景スポット・心霊スポットに行く途中または行った後の帰り
- ダムに行った時
往路だったり復路だったり、なぜかバラバラ。
遭遇する側の特徴
ヤンキーグループだったり男女グループだったり、とにかく心霊スポットや肝試しに行きたがるような大学生ぐらいの若者の場合が多い。
夜景スポットの場合は男女カップルの場合もある。
一人で行って遭遇したというケースはなかった気がする。
外見
- 自転車に乗っている
- 茶色のロングトレンチコートに革靴の露出狂風
- 警備員風
外見はあまり定まっていないが、自転車に乗っているケースもあった。え?その場合自転車ごと飛び込んだの?謎…
言葉・セリフ
- 関西弁?標準語?
- 「どうしたんや姉ちゃんら」等、気さくに話しかけてくる
- 「(夜景より)もっといいもん/面白いもん見せてあげよか?(見せたろか?/見せてやるよ)」
関西出身芸人の語り手が多いので関西弁=近畿地方の話なのか?と思いきや標準語の話もあるので謎。
ただ、どのおじさんも気さくに話しかけてくる点は共通している。
「もっといいもん/面白いもん見せてあげようか?」的な意味の言葉は決めゼリフなのかわからないけど絶対言ってくるし、こちらの返答に関わらず次の瞬間必ず飛び降りる。
正体について考察
幽霊説
同じ場所で何度も飛び降りを繰り返している(ループしている)幽霊説。
生身の人間説
もし生身の人間だった場合、これから飛び降りようとしているにしては性格が明るすぎるので、精神を病んでたり薬物を使用したりしているかもしれない。
妖怪説
出没範囲が広すぎるので全国各地にワープできる特殊な妖怪かもw
「面白いものを見せてあげようか?」と言って飛び降りておどかして人間をからかうのが好きそうな所がいかにも妖怪っぽい。
ただ、よく考えたら飛び降りた後の人間の反応は見れないので、からかうことが目的だとすると不可解だ。もしかしたら飛び降りた後こっそり戻って(ワープして)きて草陰などからこちらの様子を伺っているのかもしれない。
山の神説
心霊スポットに出かけて危ない目に合う若者が多いので、それを減らすために若者が山に近づかないようにおどかす活動をしている山の神説。
って、これは出没場所がダムだった場合は当てはまらないか…
創作説
興醒めにはなるけど、「面白いものを見せてあげようか?」という露出狂を彷彿とさせるようなセリフからの「崖から飛び降りる」という予想外の行動で、あまりにもフリとオチがしっかりしすぎているので、いかにもお笑い芸人や怪談師が創作してそうな話だなという印象はある。
6月18日追記:
広まった理由について考察
そもそも、なぜこの話がここまで全国的に広まったのか。
怖いから
やっぱり、話のオチが衝撃的で非常に怖く、思わず人に話したくなるような記憶に残りやすい話だから広まったのではないか。
改変しやすいから
細部がうろ覚えでも飛び降り可能な高い場所であれば多少場所を変えたとしてもどこでも話が成立すること、例えば誰かが地元の友人にこの話を聞かせて脅かしたいと思った時に、おじさんに遭遇した場所を地元のみんながよく通る場所に改変して語れば「え!あんな近い場所でそんなことが起きたの!?」と恐怖を増幅させることができるので、都合が良いということもあると思う。
もちろん、うろ覚えで語り継がれているからという理由もあるだろうけど、おじさんの出没エリアがバラバラなのにはそういう理由もあるのかもしれない。
短いから
話の流れがシンプルで短く、人に話しやすいということも大きい理由だと思う。
現時点でネット上最古のソースである洒落怖超まとめの投稿なんか、たったの三行に収まっているし。「おじさん」という描写すら抜けていて、「歩道橋の先に立ってた人」だし、関西弁でしゃべる人ということしかわからない。
エハラマサヒロの話も「ショート怪談」と題して公開されている。
怪談師が持ちネタとして話すには短すぎるため、怪談ライブBarスリラーナイト・ウエダコウジ←これなんかまさに怪談の尺調整のために、おじさんに言われて場所を移動させられる描写や、一向に何もしてこないおじさんにこの後一体何をされるのかを想像して怖がる描写や、おじさんが腕時計を確認しだして、あたかも決まった時間にならないと飛び降りれないかのような描写を足して語っているように見える。
なぜ無名なのかについて考察
ここまで広まっている割には呼び名がまだはっきり定着しておらず、キャラクター化もされていないという点が引っかかる。
おじさんだから
有名な妖怪でいうと八尺様なんかは最近二次創作で萌えキャラ化されてたりするけど、もしかすると飛び降りおじさんは「おじさん」だから人気が出にくいのかもしれないw
妖怪ではないから
そもそもこの怪談は、「さっきまで会話していた生きた人間が目の前で自ら命を絶つ」という構造が重要で、聞き手がおじさんを生きた人間として認識しながら聞いた場合に最も怖く感じるようにできているので、
私みたいに作業中に垂れ流す用に怪談動画をYouTubeで漁って聴きまくった結果
「またおじさんが飛び降りる話かよ!それもう何回も聴いたよ!何回こするんだよそれ!」
ってなった人でないと
「こんな何回もあちこちに出没してるということは、ひょっとして不死身の妖怪なんじゃね?」
みたいな考えには至らないのであるw
つまり不死身の妖怪ではなく生身の人間でないと怖さが半減するからこそ妖怪(キャラクター)扱いされておらず、ヒトコワ怪談として語られているのではないか。
危険度が低いから
他の有名な妖怪や怪異に比べると、飛び降りおじさんはこちらに直接危害を加えてくるわけではなく、ただ目の前で飛び降りることで精神的なダメージを与えて来るだけなのでモンスター感が薄く、「ただの頭のおかしい人」みたいな印象で終わっているのではないか。
情報募集中
というわけで、話の出所はすでにおおよそ判明していますが、全然別の場所から飛び降りる話を聞いたことがあるとか、実際におじさんらしき人に会ったことがあるなどの情報をお持ちの方はコメントをお寄せください。
余談
ちなみに、XでリプライとDMを送った🎆みほみほ🎆さんとは今もDMが続いていて、🎆みほみほ🎆さんは怪談好きかつお笑いも好きでコロコロチキチキペッパーズ(コロチキ)のファンらしく、先日コロチキの単独ライブを観に行った際にゲストで出ていたウエストランドがすごかったという話を、ウエストランドファンである私に送ってくれて、話が弾んでいる。ありがとう、コロチキとウエラン…!(マジで余談すぎるw)