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スクウェア・エニックス、2024年3月期決算を発表。純利益は前期比69.7%減

主要コンテンツ開発中止に伴う220億8,700万円の特別損失が要因

5月13日 発表

 スクウェア・エニックスは5月13日、2024年3月期決算を発表した。

 2024年3月期決算(2023年4月1日〜2024年3月31日)では、純利益は前期比69.7%減の149億1,200万円となった。主な要因として、デジタルエンタテインメント事業の一部の主要コンテンツ開発を中止したことに伴い、コンテンツ等廃棄損220億8,700万円を特別損失として計上したことが挙げられている。

 また、3月期の売上高は前期比3.8%増の3,563億4,400万円、営業利益は前期比26.6%減の325億5,800万円、経常利益は前期比24.1%減の415億4,100万円となった。

 「FINAL FANTASY XVI」「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」「FINAL FANTASY VII REBIRTH」等を発売したことにより前期比で増収となったが、一方で開発費の償却負担や広告宣伝費の増加に加え、コンテンツ評価損が前年比で増加したこと等により、営業損失が拡大。MMOにおいては前期比で減収減益となり、スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、2023年6月に「ドラゴンクエスト チャンピオンズ」、同年9月に「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」のサービスを開始したものの、既存タイトルの弱含み等により、前期比で減収減益になったとしている。

□スクウェア・エニックス・ホールディングス3月期連結決算

新中期経営計画資料(2025年3月期〜2027年3月期)では「さらなる成長に向けた再起動の3年間」として、今後の戦略についての説明が行なわれている。“DE(デジタルエンタテイメント)事業の開発体制最適化による生産性向上”という項目ではコンテンツの制作勘定推移のグラフが確認でき、将来を見据えて388億円の評価損・特別損失を24年3月期に計上している
スクウェア・エニックスの代表取締役社長 桐生隆司氏

 2024年3月期決算に伴い公開された説明資料では、各事業における業績について詳細が掲載されており、アミューズメント事業では既存店売上高が前年を上回り、前期比で増収増益。出版事業では2023年10月よりTVアニメ放送を開始した「薬屋のひとりごと」の大ヒット等により、紙媒体及びデジタル販売が前年を上回り、前期比で増収増益となるなど、ゲーム事業以外では好調な業績をみせている。