
「私は、そういうめんどくさい人間なんだ」
「抱きあって・・それでいいじゃない」
「君の瞳はそう言ってない」
「私の瞳が?」
「君の瞳も悔いている。」
「私は何も悔いてはいないは」
「私たちは、どうやら、出会う扉を間違えて開けてし
まったみたいだ」
「扉・・?」
「出口から入ってしまったようだ」
「何を言ってるか、よくわからないわ」
「じゃあ聞くが、この先何があると思う」
「何がって」
「このままシャワーを浴びて、服を着て、ホテルを出て
、それでバイバイ」
「それのどこが悪いの」
「それでいいのかい。本当にそれで」
「出ましょうか」
礼子が両腕で身体を覆った。
水シャワーはさすがに冷たい。
寒いのは私だけではなかったようだ。
外は真夏。
空調がかかってるからといって、凍える寒さではない。
この寒さは水シャワーだけのせいではなさそうだ。
内側からの寒さは、強烈だ。
酔いに任せて抱き合ったベットの片端側に、私たちは
見合うように腰をおろした。
「愛だの・恋だの・そんなものは私にはもう無縁」
沙希はバスタオルで全身を覆い隠していた。
続く