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縁起物と記憶の呼び水

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金狐舎の縁起物は、手に取る方の中にある思い出を大切にしていただけるようにと制作しています。

 

形には力がありますが、形そのものが大切なのではなく、形から湧き起こる思い出・そのなかにある人と人との繋がりを感じて大切にするために置いていただけたら、ありがたい。

 

勿論、その繋がりの中には「自分との繋がり」も含まれています。

 

忘れないように・無くさないように。

 

写真を見て懐かしい気持ちになったり、昔人からいただいたものを見て元気が出たり。形そのものは虚像だけれど、記憶の呼び水となるところに意味があるのではないでしょうか。

 

繋がりのない(無関係だと判断した)ものを大切にしようとは思わないけれど、目には見えない繋がりが記憶の中にあるから、関係性が生まれて、形を大切にしたくなる。その結果、生きる力が生まれる。

 

認知症の進んでいる祖母は、私の顔を見ても誰かは分かりません。名前を言っても分かりません。けれど、名前の文字を書いて見せると、その瞬間には記憶が戻るのです。顔もキラキラと輝きます。

 

ものはもの。形は形。

 

それ以上でも以下でもない。

 

けれど、もののなかに「ものである以上の意味」を見出せるのが、人間らしさと言いますか。人間として生きる醍醐味の一つなのではないかなと…そんなふうに考えた朝でした。

 

金狐舎の縁起物作りは、捨て癖のある人間で形もほとんど残してこなかった舎主が、形には意味がある・残すことにも意味があると気付いたことから始まりました。

 

それが今は、手に取ってくださるお客様ご自身の中にある、記憶を大切にするためのものとして、実際にお役立ていただけている。そのことに感謝いたしております。

 

 

 




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