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Re:入籍2日目で生理的に無理なので離婚したいと言われている話


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この増田さん(『はてな匿名ダイアリー』の書き手のことを「増田さん」と呼ぶ慣例があります)のエントリを読んで思ったこと。

僕は50年以上人間をやってきたけれど、このくらい生きてきて、ようやく気づいたことがある。
人間関係というのは壊れるときには驚くくらいに簡単に壊れるし、問題点を改善することや率直に打ち明けることで改善が見られることもあるが、何をどうやってもうまくいかないことがある。

この冒頭の増田さんの事例は「釣り」かもしれないけれど、そんなに特異なものではないと思う。

人間性とか人間関係なんていうものは、時間とともに変化していくものだし、結婚生活で「こんなはずじゃなかった」と思ったことがない人のほうが少数派だろう。

そもそも、人間は結婚とかにはあまり向いていなくて、社会のシステムや常識が「結婚しなくてもいい」「子供がいない夫婦もひとつの形である」となってきて、ひとりで生活するのが便利になったり、経済的に自立できたりすると、どんどん結婚しなくなったり、離婚したりするようになっている。

少子化対策」なんていうけれど「国のために子供をつくろう」なんて戦争中でもなければ誰も思わないし、人類はこうしてゆるやかに滅んでいくのではないか、という気がしている。

生物の種なんてみんないずれは滅ぶのだ、早いか遅いかの違いでしかない。
自らの選択で減っていくのであれば、人類というのは画期的な生物ではあるけれど。


僕はこれまで「どうしてそうなった……」という、人間の突然の変化を少なからずみてきた。
明らかな原因(病気や精神的に大きなダメージを受ける出来事など)がある場合もあれば、ない場合もある。
理解できる理由もあれば、本人でさえよくわからないまま変わってしまい「変わったのはあの人のせいだ」と責めるタイプの人もいる。
自分に都合の悪い発言や行動は、本当に「忘れてしまう」人、あるいは、相手がやってもいないことを、やったと認定し、矛盾を指摘されても、絶対に認めない人もいる。

どうしてそうなるのかはよくわからない。でも、そういう人は確かに存在するし、僕はそういう人を研究対象としている学者でもジャーナリストでもない。なるべく関わりたくない。
にもかかわらず、なんとなく「引き寄せてしまう」ような気はしている。


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いや、こんなことを書いてはいるけれど、僕自身も他者からは「そういう人」に見えている、あるいは、そういうふうに見える人もいるかもしれない。相手によってはそうなる可能性もある。
結局、人には自分のことしかわからないし、自分のことしか変えられない。他人のことは、どうしようもないのだ。
そもそも、自分のことですらよくわからないのに。

そして、なんでそうなったかよくわからない、という状況で一度歯車が噛み合わなくなった関係を修復するという行為は、基本的に無理だ。
あるいは、そのために必要なコストに比べて、うまく可能性は非常に低く、なんとか改善しても、同じような失望の繰り返し、あるいはさらなる悪化となることが多い。
期待値も生産性も低すぎる。

それでも、長年の付き合いや法的な拘束がある夫婦や親子や親族の場合は、そう簡単に「損切りする(関係を断ってリセットする)」というわけにはいかない、というのも理解はできる。

アドラー心理学が一時期もてはやされたが、結局あれが世の中にほとんど定着しないのは、それまでの「記憶」「思い出」「こだわり」をなかったことにして、「ゼロから判断する」というのがほとんどの人間には極めて難しいからだ。僕だってそうだ。


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僕がもしこの増田さんに言えることがあるとすれば、誰が悪いとか何が悪かったとか、犯人や理由探しをいくらやってもあなたの幸せにはつながらないし、時間の無駄だ、ということだ。


さっさと諦めて、リセットして逃げろ!


婚姻期間は短いし、相手は入籍継続に固執してはいなさそうだし、子供もいないし、先方の親族も事を荒立てそうではない。
いままでの良い思い出もたくさんあるだろうけれど、あなたは思い出を再生してニヤニヤするだけで生き長らえるには若すぎる。
こういう状況で長く引きずると、積み上がっていくのは恨みと妄執だけだ。
偶発的にはじまった戦争でも、お互いに犠牲者が出てくると、憎しみが増していき、どちらかが「絶望」するまで引くに引けなくなる。


大事なのは「誰が悪い」とか「何が原因なのか」なんて、考えないことだ。
どちらに原因があろうが、「嫌いになったものは嫌い」だし、大概、「感情」が先で、原因なんて基本的に後付けだ。

「好き」の感情が優位なときは「優しさ」と評価される行動も「嫌い」になると「優柔不断」「弱い人間」に見えてくるものだ。
「お店の人にビシッと言ってカッコいい!」とか好きなときは思っちゃうんだよ、ダメになったら「何こんなところでイキってるんだよ恥ずかしいよバカ」なのに。

 
増田さんが正しいのか間違っているのか、僕は知らないし、わからない。
相手の女性の変化が気まぐれなのかPMSみたいなものなのか浮気なのか宇宙からのメッセージとか信仰の問題なのかもどうでもいい。

ただ、ムリなものはムリだし、時計の針は逆には回らない。
苦しい決断かもしれないが、人というのは、案外、決断すれば、スッキリするものだ。
あるいは、行動してしまうことによって、結果的に内心も変わってしまう。

でも、籍を入れて、たった一ヶ月で離婚していいのかなと思います。


「たった1ヶ月だからこそ」なんだよなあ。
逆に、長年連れ添っていて、小さな子供もいる、という状況であれば、形だけでも修復を模索することを勧めたかもしれない。

「幸せになるために結婚する」のはわかる。
でも、「結婚したからといって幸せになれるとは限らない」し、「結婚していてずっと『不機嫌の理由クイズ』を続けている状態」と「人生で責め苛まれることに苦しまずに済む期間」のどちらの優先順位が高いか、という話だと思う。

人は、目先の危機や障害に対して、それを乗り越えようとするあまり、本質的な目的や目標を忘れてしまう。僕なんか、それで50年以上も過ごしてしまった気がする。

正直、今でも「何が自分にとっての幸せなのか」よくわからない。あるのはスケジュールと惰性と眠れない夜だけだ。


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