友達が喋っているスペースが好きだ。スペースというのはX(旧Twitter)に導入されて久しいリアルタイムおしゃべり提供の場であり、不特定多数の人が聞くことができる機能で私も何度か主催したこともある。主催というほど気合が入っていなくとも、作業スペースというのもあるので気軽にやっている人も多いのではなかろーか。
そんな中でBATIさん、vertigonoteことばちこさん、セメントTHINGさんの3人で90年代の映画を語るトークセッションが行われたのが2022年のことである。もう3年経っている!という驚き。そして私はたぶん一番のファンと豪語できるくらい、録音された番組を何度となく聞き続けている。マジのマジで、お三方には気持ち悪くてごめんなさいというレベルで聞いている。マジで。
92年から始まり2000年まで追っているポッドキャストでそれぞれ2時間くらいあるやつをたぶん7周くらいはしているので…気持ち悪いな~自分。でもほんとうに面白いんですよ。
私は正直ふだんラジオ番組やポッドキャストを聞く習慣がないんだけど、一度好きになると繰り返し聞き続けるという癖がある。本もそうで、新しいものを読むときより再読しているほうが幸せと落ち着きを感じる。単純に精神安定剤になっているんだろうな。
あまり意識していなかったけど、私は自分のテリトリーというものを大事にしている人間で、何が自分の空間(人間然りインテリア然りファッション然り)に入ってくるのかを異様に精査する。排他的とすら言えるかもしれない。社交的なんだけど友達が少ない人間あるあるである。なので一度ふところに入るともうそれだけで本もポッドキャストも人間も信頼のおけるマブダチになっちゃうのです。余談でした。
なんといっても三人のバランスが絶妙なのがツボなんだと思う。三人とも何かのジャンルに特化した映画オタクというわけでもなく、かといってシネフィル然とした解説屋さんでもなく、いい意味で映画いろいろ観ている普通の人だよというフラットな温度感が心地よい。あとは個人的に三人とも何度かお会いしたことがあって私が一方的に親近感を持っているからというのもあるかもしれない。
いちばん年長でリアルタイムで映画を追ってきていて音楽も好きで人柄もマイルドでとてもとても優しいBATIさんと、私が20代後半でX絡みで友達になることが多かった黎明期から多大にお世話になっている私の概念の姉的存在であるからっとした語りが魅力的なばちこさん、穏やかで聡明かつあらゆる最新カルチャーに関心が高いセメントTHINGさん(たまにDIVA魂が飛び出る瞬間が愛おしい)のバランスがたまらないのである。
何かの対象を語るとき、人は結局だいたい自分のことを語ることになると私は思っているので三人が好きだからそれぞれの意見や思い出を聞いていて心地よいんだろうな。
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というわけで(?)楽しいポッドキャストなんだけど、自分にとっての90's MOVIE TIME MACHINEのラインナップを考えてみる。
92年
フック
アダムスファミリー
なんかお子様ラインナップになっちゃった。とはいえほとんど10代のお子様のときに観て強烈だったものがほとんどなのでしょうがない。ちなみにどれも後追い。この中で図書館から親が借りてきてVHSで観たのは「フック」テレビで観た記憶があるのは「アダムスファミリー」、「永遠に美しく…」です。
「フック」はなんといってもピーターパンが普通の大人になったらというのをロビン・ウィリアムスが演じていて、ボブ・ホスキンスのフックが愛嬌のある感じでかわいい。しかしちゃんと悪いやつなのだ。ネバーランドの孤児たちがピーターと諍いをしつつ最後に認め合うという王道の流れなんだけど、ダンテ・バスコ演じるロストボーイリーダーのルフィオがフックに刺されて命を落とす悲しい死が印象に残っている。なんか妙にセンシュアルさを感じるシーンだった気がするが、今際の際に男が男へ何かを託すロマンとセクシーさをこの時点で私はびんびんに感じ取っていたのだろうな…。
センシュアルというとパトリス・ルコント「仕立て屋の恋」。なんといってもぬめっとした質感のある小男イールを演じるミシェル・ブランのつぶらな丸い目、妙にきれいな肌、赤い唇がすごい存在感でこれはのぞき見をしていた隣人の若い美女に一方的に恋をするというどうしようもない中年男性なんだけど、ほんとうにみじめで悲しい終わり方なのに貫きすぎていて妙な清々しさすらあるという不思議な映画だと思う。スケートのシーンとかさあ…ほんといたたまれないじゃないですか。つらい。でもすごく気持ちがわかるというか…人に恋をするというのはああいうみっともなさを抱えるということだと私は思うんですね。お前はイールのなんなんだという話なんですが…。作曲家のマイケル・ナイマンにはまっていた時期に観て心に残った一本。
「永遠に美しく…」は今も時々観直すんだけどやっぱりバカみたいに面白いんだよね。メリル・ストリープとゴールディ・ホーン、ブルース・ウィリスという豪華キャストが本気でコメディやってるのもすごいのだが、なんといってもイザベラ・ロッセリーニ演じるリスルの美美美-美美ー美美ぶりがやばい。同じ人類だろうかと思った記憶がある。リスル様が「あたくしを何歳だと思って?」とマデリーンに聞いて「37…?(うろ覚え)」と言われて「ムッ!」とかまえるところの可愛さなんてたまらないところがある。カリカチュアしすぎのきらいもあるけど、とにかく仲が悪くて殺しあったりするけど共依存せざるをえないマデリーンとヘレンが最高すぎるし、一周回って女×女の映画としてとらえることができるかもしれない。
「アダムスファミリー」はティムバートンぢからで「実写でCreepyでイケてる世界観」まで持ってきた圧倒的ビジュアルがもう勝てない。強烈に印象に残るっていうのはそれだけでパワーだよね。ハンドくんが好きです。他はあんまり言うことがないけど…。調べたらこれ91年制作なんですね。
「エイリアン3」、セメントさんも挙げていらしてとっても嬉しかった。やはり坊主頭のシガニー・ウィーバーが囚人たちの実質リーダーとなって惑星刑務所の中で奮闘する姿が忘れられない。特にディロンとリプリーの信頼関係が熱かった…。そして私は2で活躍したビショップがエイリアンシリーズのアンドロイドの中でもかなり好きなほうなんですが、おまえがそうなのかよ!というラストも衝撃でした。
92年で疲れてしまったので今日はここまで。