
映画「学生たちの道」(1959)を見る。アラン・ドロン出演映画では取り上げられることが少ないような気がする。ドロン人気を決定づけた「太陽がいっぱい」の前年に公開された映画ということもあるが、ドロンの水も滴る二枚目ぶりと「ヘッドライト」「女猫」のフランソワーズ・アルヌールの美貌がさく裂の映画。

戦時中の1943年のパリを舞台に、若い学生たちの大人びた生き様と、父と子の世代間ギャップや確執などの関係を描いたドラマ。監督は「お嬢さん、お手やわらかに!」のミシェル・ボワロン。
出演はアラン・ドロン、フランソワーズ・アルヌールのほか、ジャン・クロード・ブリアリ、のちにドロンと「冒険者たち」「シシリアン」などで共演することになるリノ・ヴァンチュラ、さらにサンドラ・ミーロ、のちに「仁義」でドロンと共演したブールビルなど。
ドロンのチャラ男で、にやけた部分が際立った青春映画で、危険の臭いがするような陰影は皆無(笑)。フランソワーズ・アルヌールのキュートなかわいさなどをみる映画。

<ストーリー>
1943年4月、ドイツに占領されたパリ。19歳の学生アントワーヌ(バリー、アラン・ドロン)とポール(ジャン=クロード・ブリアリ)が“とにかく早く大人になりたい”ことを夢見て日々を過ごしていた。
彼らはシャンパンの闇取引に手を染め、情婦を囲い、一儲けを企てるなど、まるで大人のような振る舞いをする。
アントワーヌは感受性豊かで理想主義的。一方のポールは冷めた現実主義者で、それぞれ性格は対照的。二人は同じように振る舞いながらも、かなり違う人生観を抱えている。アントワーヌはどちらかと言えば、ポールに頼り切っているような雰囲気。
アントワーヌは恋人で情婦のイベット(フランソワーズ・アルヌール)と共謀して闇取引に手を染め、父・ミショー(ブールビル)には旅に出るとウソをつきイベットの部屋に泊まり込む。
そんな中、アントワーヌの成績が下がった通知表が届いたことで父親ミショーが心配し、ポールの父チェルスラン(リノ・ヴァンチュラ)に相談する。しかし、ミショーは、チェルスランの酒や話術に丸め込まれてしまう。
さらに、ゲシュタポが家に来たということが伝えられたミショーは息子たちがレジスタンス活動に関わっているのではと疑念を抱くのだった。
ところが、それは、ポールの父が仕掛けた芝居だったことが判明。ミショーは息子たちを叱責し、空襲の中、防空壕で初めて心を開いて本音を語り合う。
映画は「誰も悪くない。ただ混乱した時代がすべてを狂わせた」というメッセージを残し、平和への願いを込める形で終わる。社会の混乱の中で、若者たちは「大人になる」ことを焦り、しかしその結果は世代間の衝突と自己の虚像化を招くことになる。最終的には、時代のせいだと片づけ、平和への願いを共有する結末。

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<主な登場人物>
■アントワーヌ(バリー):アラン・ドロン…19歳の学生。感受性が豊かで理想を抱く青年。父親との間で深い葛藤がある。
■ポール:ジャン=クロード・ブリアリ…アントワーヌの親友。冷静で懐疑的、現実主義者。チェルスランの息子。
■イベット:フランソワーズ・アルヌール…アントワーヌの恋人で情婦。二人の闇取引の協力者。
■ミショー:ブールビル…アントワーヌの父。善良で真面目な市民。息子を強く心配し、時代に取り残された存在。
■チェルスラン:リノ・ヴァンチュラ…ポールの父。実は闇取引の元締め。事なかれ主義で口八丁。
■オルガ:サンドラ・ミーロ…チェルスランから頼まれてミショーに近づき好意をもたるように仕向ける。
■マダム・ミショー:ポーレット・デュボスト…アントワーヌの母。
■リュルー:ピエール・モンディ
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監督:ミシェル・ボワロン
脚色:「禁じられた遊び」のジャン・オーランシュとピエール・ボスト
原作:マルセル・エーメ。
原題:Le Chemin des Ecoliers(子供たちの回り道)
劇場公開日:1959年12月1日
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