
映画「暗黒街」(原題:Suburra、2015)はイタリア映画で、政治と犯罪、教会の腐敗が絡み合う、暴力的でスリリングなクライムドラマ。クズと悪党しか登場しない映画。
全く知らない映画だったが、イタリアのアカデミー賞と言われる「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」で5部門(助演男優賞、撮影賞、編集賞、美術賞、デジタル効果賞)にノミネートされた。
ローマ郊外の海辺の街「オスティア」を、ラスベガスのような賭博都市へ再開発しようとする計画が進む中、裏社会、政治、教会が複雑に交錯し、次第に破滅へと向かっていくさまを描いている。
物語は7日間で進行し、1人の売春婦の死をきっかけに、巨大な陰謀が崩壊していく。2011年11月12日までのベルルスコーニ伊首相が退陣を表明するまでの1週間を背景に、権力と金と欲望渦巻くローマを舞台に繰り広げられる政治家とマフィアの血みどろの抗争を描いている。
<ストーリー>
2011年11月5日、悪徳政治家フィリッポ・マルグラーディ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は、ローマ郊外の静かな港町オスティアをラスベガス化する開発計画を進めていた。
しかし、マルグラーディが買った二人の娼婦の内、未成年の娼婦イレーナが麻薬の大量摂取で死亡してしまったことをきっかけに、彼の計画は利権を狙うマンフィレディ(アダモ・ディオニージ)などの悪党ギャングたちの血で血を洗う抗争へと展開していく。そして、1週間後の12日「アポカリプス」(終末)の日を迎える。



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イタリアの政治家や聖職者までもが利権と欲望にまみれた腐敗と堕落、暴力を冷徹に描いているところがみどころ。
雨のローマや海辺の町などの映像美。ギャングの親玉などの最後が凄まじい終わり方だった。ただ、悪徳政治家だけが生き延びているというのが不可解でしたたか。
<主な登場人物>
■フィリッポ(ピッポ)・マルグラーディ: ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ…腐敗した国会議員で、カトリック教会とも深く関わる。再開発プロジェクトのキーパーソン。カジノ法案を通そうと暗躍。
■セバスティアーノ(セバ): エリオ・ジェルマーノ…イベント・オーガナイザー。政治家の父の影響下で動いていたが、徐々に破滅していく。父の借金の肩代わりにとギャングから無理難題を課せられる。
■“サムライ”: クラウディオ・アメンドラ…ローマの主ともいわれるギャングの伝説的ボス。元極右テロリストであり、現在は教会、マフィア、政治家をつなぐ影のフィクサー。ローマ裏社会の黒幕的存在。
■アウレリアーノ(ナンバー8): アレッサンドロ・ボルギ…若手ギャングでオスティアの支配者。情に厚いが暴力的。
■ニンニ: グレタ・スカラーノ…ナンバー8の恋人。ドラッグに依存しながらも忠誠心が強い。
■サブリナ: ジュリア・エレットラ・ゴリエッティ…娼婦。
■セバの父: アントネッロ・ファサーリ…ギャングからの多額の借金があり、息子を呼び出して会話をした後、端から飛び降り自殺を図る。
■カトリック枢機卿:ジャン=ユーグ・アングラード…教会側の裏の顔を象徴する人物で、サムライと裏でつながっている。
■マンフレディ・アナクレティ: アダモ・ディオニージ…ロマ系のギャングのボス。
■アルベルト(スパディーノ)・アナクレティ: ジャコモ・フェラーラ…マンフレディの弟。

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