
連続ドラマW 「落日」 (湊かなえ原作、2023、全4話)を一気に見る(アマゾンプライム)。湊かなえ原作だけに複雑に思えた人間関係の点と点がやがて線として結びつく展開が飽きさせない。引きこもり男がなぜ妹をナイフで殺したのかが明かされていく。
映画監督(北川景子)と脚本家(吉岡里帆)がコンビを組んで15年前の事件を映画化しようと奔走するサスペンス・ミステリー。
吉岡里帆が美貌をかなぐり捨てて役に溶け込み、素のような自然体ですばらしい。
北川景子も、死刑囚との面会シーンでハッとさせる演技を見せている。竹内涼真は好青年イメージとは真逆の引きこもり男を演じている。
・・・

新進気鋭の映画監督・長谷部香(北川景子)は、新人脚本家・甲斐真尋(吉岡里帆)に映画の脚本の相談を持ち掛ける。
その元となるのは、15年前、引きこもりの男性・立石力輝斗(りきと、竹内涼真)が高校生の妹・沙良(さら、久保史緒里)を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた「笹塚町一家殺害事件」。
そして事件が起きた小さな町、笹塚町は真尋の生まれ故郷でもあった。
判決も確定しているこの事件を、香はなぜ撮りたいのか。真尋はどう向き合うのか。事件を調べていくうちに、衝撃の真実にたどりつく...。


・・・
【ネタバレ注意】引きこもりの兄・力輝斗を持つ妹・沙良は、女優のオーディションを受けたが、落ちたことを引きこもりの兄がいることに原因があると決めつける。沙良は兄に対して「この世から消えろ。自殺しろ」と蹴るようなサイコパスだった。
それだけだったら、力輝斗も忍耐強く我慢して、沙良をナイフで刺すことはなかっただろう。忍耐の限界をはるかに超えるような卑劣なことを沙良が行い、それを兄に明かしたからだった。
それは、力輝斗が交際を始めた女性・千穂(駒井蓮)を呼び出して、交通事故死をさせたことだった。力輝斗は、千穂が不慮の交通事故死と思っていたので、妹に対する怒りは頂点に達したのだった。
千穂は真尋(北川景子)の姉だったのだ。また、真尋は幼いころ、母親の虐待を受け、アパートの部屋の外に追い出され、隣のアパートに住む子供も同じように家から出されて、二人の子供たちは、互いの顔は見えないが、手を出して、トントンとたたき合うなどして意思疎通を行っていた。
その隣の子供が、実は力輝斗だったということがわかっていく。
拘置所の面会の席で、真尋がそのことを力輝斗に伝えたのだ。ふたりは、ガラス越しに、指を差し出し、互いにトントンと、あの15年前のように指先を合わせるのだった。
<主な登場人物>
■長谷部香:北川景子(幼少期:児玉すみれ、学生時:中島もも)
新進気鋭の映画監督。15年前に起きた一家殺害事件を映画化したいと考えており、真尋に脚本執筆を依頼する。その裏には香の幼少期の“ある過去”にも関係が…。「ごめんなさい」が口癖。
■甲斐真尋(まひろ):吉岡里帆(幼少期:大島美優)
新人脚本家。笹塚町出身という理由で、香から脚本執筆のオファーを受ける。乗り気ではなかったが、事件の真相を追ううちに運命の渦に巻き込まれていく。
■大畠凜子:黒木瞳
恋愛ドラマの女王と呼ばれた有名脚本家で真尋の師匠。頼りない真尋の成長を促すために、敢えて厳しい言葉をかけることがしばしばある。
■立石力輝斗(たていしりきと):竹内涼真(幼少期:田村奏多)
「笹塚町一家殺害事件」の犯人。妹の沙良を惨殺し自宅に火をつけて両親も殺害したことを自供。死刑囚として刑の執行を待っているが…。
■立石沙良(さら):久保史緒里(乃木坂46)
力輝斗の妹。「笹塚町一家殺害事件」の被害者。幼いころから可愛らしい顔立ちで、アイドルデビューを目指していた。オーディションに落ちたのは引きこもりの兄がいるためと責任転嫁する。高校三年生の時、兄・力輝斗に惨殺される。
■長谷部真理:真飛聖
香の母親。夫にはヒステリックに怒号を浴びせ、幼い香に対しては、教育と称して頻繁にベランダに放り出していた。
■神池正隆:高橋光臣
真尋と千穂の従兄弟。ボストンで外科医をしている。真尋と千穂の従兄弟。ボストンで外科医をしている。
■甲斐良平:宮川一朗太
真尋と千穂の父親。2年前に妻を亡くし笹塚町で一人暮らしをしている。喫茶「シネマ」でコーヒーを飲むことが楽しみ。
■佐々木信吾:浜田学
映画会社「新映」のプロデューサー。
■甲斐千穂:駒井蓮
真尋の姉。幼い頃から優秀で、ピアニストになる夢を抱いていた。香とは、幼稚園の同級生である。
■長谷部裕貴:夙川(しゅくがわ)アトム
香の父親。なかなか出世できないことを、妻・真理から責め立てられている。香が5歳の時に他界。映画鑑賞が趣味だった。
■山上道也:小林隆
笹塚町の映画館の近くにある、喫茶「シネマ」の店主。真尋の父・良平の行きつけであり、香の父・裕貴も常連だった。