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南ア残酷ものがたり

 

 開拓作業の第一歩。――未開蛮地に文明人が勢力を新たに張るにつき、自然力を減殺するのは常道だ。


 必須条件ですらある。原生林には火を放ち、人や家畜を害し得る猛獣類は殺戮するべきだろう。

 

 

(仏軍の火炎放射器攻撃)

 


 日本人も北海道でやっている。明治の初期に、狼による損失が馬鹿にならなくなったとき。これ以上・・・・を防ぐため、あの四ツ脚に、いっそ破格と思えるほどの賞金を懸け、津々浦々から猟師の助力を募ったものだ。


 いわんや西洋に於いてをや。


 オランダ人らも十七世紀、南アフリカそれ・・をした。水野廣徳の紀行文、『波のうねり』に記された、当時の模様左の如し。

 


「現今大廈高楼、いらかを連ね、車馬行人、織るが如き、壮麗繁華のケープタウンの町も、二百余年前までは、獅子躍り、豹戯れし地なるかを思へば、桑蒼淵瀬の感もただならざるものあり。当時の規定に依れば、猛獣捕殺に対する報酬は、獅子一頭十二円五十銭、狼八円三十銭、豹六円五十銭の割合なりしと云ふ。犬の子さへ何百円に売買さる今の相場より考ふれば、甚だ廉きが如しと雖も、総督の月給僅に七十円なりしを思へば、左程廉しとも言ふべからず

 


 金払いさえ良かったら、ある程度危険な仕事でも人は構わずやってくる。


 実に多くの獣類が殺戮されたことだろう。

 

 

Cape Town and Robben Island seen from Table Mountain

Wikipediaより、ケープタウン市街)

 


 堅牢にして絢爛たる街並みは、いついつだとて血の海の上に建っている。大地を赤く染めてこそ、繁栄への下準備は完了だ。足元深くに無数の死を渦巻かせ、良き市民らは幸福に生を謳歌するだろう。なんと素晴らしいことか。


 陳腐な言い回しになるが、犠牲なくして繁栄はなし。光輝が増せば増すほどに、影もより濃くなる定め。


 残酷さの裏打ちもなく、築ける富も、守れる生命いのちもあるものか。

 

 

 

 

 


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