[FSA]FSAの科学研究ニュースレター
Science and Research Updates from the Food Standards Agency
09-02-2026
2025年の研究ハイライト:トップ5
1.CBDの安全性 サプリメント用CBDの上限10mg/dと評価
2.サーモン調査 生のサーモンの耐性菌調査
3.細胞培養食品 消費者意識調査
4.GMトウモロコシ
5.GM大豆
CBDがトップなのは人々の関心が高いことを反映している
他セミナー、イベント、論文等紹介
[BfR]カビとマイコトキシン:食品中の見えないハザード
Moulds and Mycotoxins: Invisible Hazards in Food - BfR
09/02/2026
カビは有機物で増殖し広範な化合物をつくる。その一部がカビ毒である。有名なカビ毒にはアフラトキシンなどがあるが他の多くのカビ毒についてはあまりわかっていない
カビが見えなくてもカビ毒は存在する
[RIVM]衣類からのマイクロプラスチック放出を減らす対策が必要
Measures needed to reduce release of microplastics from textiles | RIVM
09-02-2026
オランダでは2022年に約430000キロのマイクロプラスチックが衣類や靴から放出された。欧州全体では100万キロ以上である。主な放出は服や靴を身につけたり破れたりした結果だが、最初の洗濯でも放出される。これらマイクロプラスチックは環境を汚染し自然と健康に有害な可能性がある。最善の対策は衣類製造に使う合成繊維を減らすことだが消費者にも服や靴をあまり新調しないなどできることがある。
報告書
[Codex]CCFO29/油脂部会「現在を規制するだけではなく将来に備える」
09/02/2026
乳児用調整乳のアラキドン酸のコンタミの件にも対応する
[フィンランド食品局]植物プロテインとチーズ代用品の使用に関する調査に参加して
Take part in a survey on the use of plant proteins and cheese substitutes - Finnish Food Authority
February 9/2026
新しいたんぱく質源の食品安全性調査の一環
CDPH(カリフォルニア保健省)
カリフォルニアでキノコ中毒増加
Increase in mushroom poisonings in California
1/15/2026
2026年1月6日時点で、カリフォルニア中毒管理システムに35の症例が報告されていて3人が死亡、少なくとも3人が肝移植。これは例年の年5人以下に比べて大幅増加。タマゴテングタケが各地で報告されている
(図や表あり。こういうのがCDCに報告されなくなったのかCDCが無視しているのかよくわからないが)
その他
-SMC UK
お茶とコーヒーの摂取と認知症リスクを調べた研究への専門家の反応
expert reaction to study looking at tea and coffee intake and dementia risk | Science Media Centre
February 9, 2026
JAMAに発表された研究がコーヒーとお茶の摂取と認知症リスクを調べた
これは観察研究で、関連についての比較的限定的根拠を提供する。さらなるデータを加えるものではあるが中核となるメッセージは新しいものではない。コーヒーとお茶の摂取の分類方法は、特に男女で異なる閾値を用いていて混乱のリスクがある。そして「非線形逆相関」のような専門用語は説明なしには明確ではない
Cambridge大学研究准教授Simon R White博士
研究手法として、コーヒー摂取を4分割してお茶の摂取を三分割していることには注意が必要である「高摂取」というのは絶対量ではなくデータの中での相対であり、それはこの米国の研究を英国に当てはめるときに問題になる。英国では多くの調査で1日2杯以上のお茶を飲んでいるが、この研究におけるお茶の「高摂取群」は1日1杯である。次にコーヒー摂取は性別に4分割されていて男女差が極めて大きい(1日4.5杯と2.5杯)。これらのことから仮にコーヒーやお茶の摂取と関連があったとしても英国でのエフェクトサイズを推定するのは困難であろう。
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
この研究はこれまでの研究よりいくつかの利点があるものの重要な疑問への回答になることを意味しない。解釈にはいくつかの奇妙な問題がある。
参加者の数の多さと期間の長さはデータの多さという利点にはなる
(長い解説)
もと英国神経科学会長で英国認知症研究所部長、Edinburgh大学神経変性教授Tara Spires-Jones教授
Glasgow大学心代謝医学教授/名誉相談Naveed Sattar教授
Alzheimer’s Research UK研究とパートナーシップ最高責任者Susan Kohlhaas博士
この研究はコーヒーやお茶が脳を守ることを証明したものではない。認知症を予防する単一の食品や飲料は存在しない
-SMC NZ
肥満は重症感染症リスクに関連―専門家の反応
Obesity linked to severe infection risk - Expert Reaction - Science Media Centre
10 February 2026
肥満の人は感染症による入院あるいは死亡リスクが1.7倍、新しい海外の研究が発見、一方重度肥満ではリスクは3倍
The Lancetの、英国とフィンランドの50万人以上の数年以上のデータを調べた論文
(コメント略、NZは肥満にセマグルチドを処方するかどうか検討中なのでタイムリーらしい)
論文のプレスリリース
Obesity linked to one in 10 infection deaths globally | EurekAlert!
9-Feb-2026
-Natureニュース
Epsteinファイルはこれまで知られていたより深い科学者との関係を明らかにする
Epstein files reveal deeper ties to scientists than previously known
06 February 2026 By Dan Garisto
最新の文書群は、研究者が性犯罪者の資金提供者に論文やビザなどについて相談している様子を示す
-石油ベースの炭化水素:生命の分子
Petroleum-Based Hydrocarbons: Molecules of Life | American Council on Science and Health
By Josh Bloom — Feb 09, 2026
Robert F. Kennedy Jr.は「石油ベースの化合物」は本質的に有害だと主張するがそれは化学的にあり得ない:分子は由来によって危険になったりしない。エチレン、イソプレン、スクワレン、ベータカロテンのような地上で最も重要な炭化水素のいくつかは生物が合成し植物や動物やあるいはその両方の命にとって必須である。
以下化学式含む解説
-Deepak Chopra –カルマは本当に厄介!
Deepak Chopra – Karma can be a real bitch!
09 February 2026 Edzard Ernst
アメリカのニューエイジの教祖Deepak ChopraがEpsteinファイルに出てきて下品な会話が暴かれていることについて
-新たに明らかになった電子メールはRFK Jrのはしかアウトブレイク前の2019年のサモア旅行についての証言を揺るがす
Michelle R Smith and Ali Swenson, Associated Press Fri 6 Feb 2026
RFK Jrはワクチンと関係ないと証言していたが当時の米国大使館と国連職員のメールではそうではない
(サモアでたくさんの子供をはしかで殺しておきながら米国議会では関係ないと嘘を言っていたという話。普通に知られていたことなのに議会がうそつきを認めた)
-視点―ppb、一口でパニック: Healthy Florida Firstの食ヒステリーと現代農業への戦争
Jon Entine, Kevin Folta | February 9, 2026
MAHA連合が再び活発化している。最近の舞台はフロリダ。
先週Ron DeSantis州知事とファーストレディCasey DeSantis、そしてフロリダ公衆衛生長官Dr. Joseph Ladapoが、日々の日常製品が汚染されていてがんの時限爆弾であると主張する、フロリダ州によるHealthy Florida Firstイニシアチブを展開した。特に焦点をあてているのは乳児用調整乳、キャンディ、パンである。彼らが何を主張しているのかを確認するにはウェブサイトExposingFoodToxins.comを見ればいい。一見食品安全の科学を説明しているように見えるが訴訟の原告募集広告のような書き方である。
なんたるデマ災害だろう。透明性と予防のためと宣伝しているが基本は恐怖を煽るキャンペーンである。
科学的に馬鹿げた主張は人々の健康を改善するどころか害を与えるだろう。例えば以下のようなことが主張されている:
・Jolly Rancherサワーアップルには540ppbのヒ素が含まれる、つまり子供が安全に食べられる量は6個
・Sara Leeハニー小麦パンには191.04ppbのグリホサートが含まれていてがんが避けられない
この奇妙なプログラムはMAHAアジェンダに沿って開発されている
フロリダが何をどうやって検査し何を発見したと主張しているのか
フロリダ州によるとキャンディはあなたを殺すことができる。このサイトでは彼らは10製造業者の46製品のキャンディのうち28製品からヒ素を検出した―世界中の食品安全機関が安全でないと考える量より遥かに少ないレベルの。そして「基準値を超えるヒ素の暴露はがんリスクを増やす」と書く。理論的にはそれは事実だが、フロリダの基準を使わなければ。
このヒステリーの起源は?
これはEWGのやり方である。それは明確に詐欺的で、まずppbやpptで恐ろし気な数値を宣伝する。メディアのエコシステムで自らを殺人化学物質を含む食品から消費者を救う救世主のように演出する。消費者には発音できないものはゼロでなければならないと思い込ませる。キーワードは「検出された」である。
フロリダは検査方法も開示していない。おそらく検出のかなりの部分が偽陽性である。
ヒ素、鉛、水銀、カドミウムなどは微量が検出されることは全く当然である。だからといって警鐘にはならない
フロリダには多くの大学や研究機関がある。公衆衛生のために彼らは喜んで助言するだろう。しかしデマの洪水と科学のコンセンサス拒否には対応できない。
我々はまさに「インチキ国家」にいる。政府の保健機関が真のリスクを無視し安全な食品をリスクがあるいう。家族を守る科学を否定し非難する。農家に害を与え食料価格を上げ公衆衛生を脅かすデマのエコシステムに加担し食料安全担当機関への信頼を失わせている
(長い記事の一部のみ。フロリダは反ワクチンで目立っていたけれど反農薬・反化学も大体セット。最近の流行としてcloser to zeroのおかげで重金属も目の敵にされるのだが、食べるもの無くなるような?)