[EU]FFN月報
2024年12月の農業食品偽装疑い月次報告
December 2024 - Monthly report on EU Agri-Food Fraud suspicions
今月は736のIRASFF通知から248を抽出
[EFSA]評価等
農薬
・Updated peer review of the pesticide risk assessment of the active substance spinosad
食品/飼料
・添加される微生物のQPSリスト更新
[EU]SCCS
意見募集のための予備的意見―サリチル酸メチルへの子供の暴露
20 January 2025
2025年2月17日まで
練り歯磨きについては0.45%、その他の0-3才までの子供用の製品は0.02%まで
[WHO]イベント
ナトリウムの低い塩代用品を使うことについてのWHOガイドラインの発表
Launch of the WHO guideline on the use of lower-sodium salt substitutes
27 January 2025 バーチャル会合
[WHO]米国の脱退意向表明へのWHOのコメント
WHO comments on United States’ announcement of intent to withdraw
21 January 2025
遺憾に思う、再考を。
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular - 326-25 | Food Standards Australia New Zealand
Published 21 January 2025
食品基準に関する作業の進行状況はWork Planで。
Work Plan | Food Standards Australia New Zealand
Work Planが更新された
[BfR]過少推定されているリスク:キッチンのばい菌
Underestimated risk: Germs in the kitchen - BfR
21.01.2025
-小さくなってキッチンを冒険-BfRの緑の週間の展示
Adventures in the shrink lab – the BfR at the Grüne Woche 2025 - BfR
2025年1月17-26日のGrüne Woche 2025で、BfRは台所の衛生をテーマに展示を行う。
(微生物の話)
[IARC]食品の加工の程度と全原因による、および原因別死亡率:欧州9か国でのマルチセンター前向きコホート解析
21 January 2025
The Lancet Regional Health – Europe.に発表されたIARCと協力組織の研究で、超加工食品摂取が全原因による死亡率と、循環器系疾患、脳血管系疾患、虚血性心疾患、消化器性疾患、そしてこれまで評価されてこなかったパーキンソン病による死亡率と正の関連があることを発見した。重要なことは、この関連は飲酒と独立であった
オープンアクセス
(IARCのプレスリリースでは超加工と言っているが加工食品と生鮮食品で差がついただけのような。分類は適当とのこと。つまり加工度のデータはない(買ったかもしれないし家で作ったかもしれない、さらには工場での生産か職人が工房で作ったかの区別はしていない)ので高-中-低の三つのシナリオに(恣意的に)あてはめた。それがあまり変わらないという。そしてIARCが一番気にしているはずのがんに差がなかった)
[FAO]ヒトと環境への害を抑制するために窒素の効果的使用を改善しなければならない
Nitrogen use efficiency must be improved to reduce harm to human and environmental health
20/01/2025
本日発表されたFAOの新しい報告書は、窒素の使用に関する包括的概要とその結果としての農業食料システムの課題を提供する
Sustainable nitrogen management in agrifood systems
[FSA]ウェビナー 思考の糧:北アイルランドの食料安全保障と新しいリスク指標の開発
Food for Thought: Food insecurity in Northern Ireland and the development of a novel risk index
2月06日(木)
論文
-よく使われている除草剤が乳児を害している可能性
Common weed killer may be harming infants | Science | AAAS
21 Jan 2025 By Erik Stokstad
大規模研究での農家のグリホサート散布量と出生体重の関連
PNASに発表された米国の田舎での除草剤の使用量と出生体重のわずかな少なさとわずかに早い出産の関連
Glyphosate exposure and GM seed rollout unequally reduced perinatal health | PNAS
Emmett Reynier and Edward Rubin
郡レベルでの使用量との関連
(PNASがこういうの出すんだ)
-Natureニュース
肥満薬;大規模研究が新たな健康リスクを強調
Obesity drugs: huge study highlights new health risks
20 January 2025 By Giorgia Guglielmi
オゼンピックのような減量薬が関節炎などの発症の可能性をあげるかもしれない
Nature Medicineに1月20日に発表された、200万人近くの人々のデータの解析
数十のリスク低下との関連も報告
その他
-SMC NZ
ニュージーランド人は科学への信頼は高い、研究が発見
Kiwis have high trust in science, study finds - Expert Reaction - Science Media Centre
21 January 2025
68か国7万人の調査で、多くの人が科学者が社会や政策決定に大きな役割を果たし、科学者は科学について公の場で話すべきと考えている
(コメント略)
その研究
Trust in scientists and their role in society across 68 countries | Nature Human Behaviour
オープンアクセス
日本も含まれるが、科学への信頼は下位
政治的志向との関連では欧米がリベラルのほうが科学を信頼しているのに対して日本や東南アジアは保守のほうが科学を信頼していると評価されている
-赤色色素の禁止は美徳シグナリング(道徳的立派さをことさら示すこと)か?
Is the red dye ban a case of virtue signalling? - Healthy Debate
Jan 16, 2025 by Sabina Vohra-Miller
FDAが最近発表した赤色3号の禁止はまさに「red herring燻製ニシンの虚偽」として歴史に残るだろう。
カナダ保健省は、この色素がカナダの一般市民に健康上のリスクをもたらすことはないと述べているが、米国の食品メーカーは2027年1月までに製品からこの色素を取り除く必要があり、医薬品は2028年1月までにそうする必要がある。
赤色3号は長い間使われてきた。
・FDAは1907年に赤色3号を承認した。
・1980年代の研究で長期高用量投与でラットに甲状腺がんを誘発した
・1990年、FDAがデラニー条項に基づき化粧品の赤色3号を禁止した。
・2022年、CSPIなどの団体が食品の赤色3号を禁止するようFDAに請願した
FDAの赤色3号の安全性評価では、1976年以前の慢性投与試験では腫瘍は確認されていない。そのデータに満足できなかったFDAはその後追加で長期試験を行った。最初はマウスを5群に分けて各群120匹、0%、0%、0.3%、1.0%、3.0%(注:対照群はふたつ)の混餌投与24か月で有害影響は見られなかった。そのためさらに高濃度で試験を行った。ラットに餌で4%の色素を投与し、雄ラット70匹中15匹に甲状腺濾胞細胞腺腫がみられた。対象群では69匹中1匹だったので有意差がある、しかし雌ラットでは有意ではなかった。
その後の研究でも赤色3号とがんの関連は示されなかった。
(略)
赤色3号の議論の中でよく出てくるのはそれが子供の行動に影響するというものである。根拠の全体をみると、赤色3号は顕著な悪影響はないが一部の子供の感受性が高い可能性が示唆されている。しかしその程度や量は不明で因果関係も解明されていない。
問題はこれが戦う価値のある戦いなのかということである。
色素は他にもある。我々の健康や幸福にはほぼ影響のない問題にリソースを浪費することは効率的ではない
(参考文献はCSPIが公開しているもの
Dyes Red-3-FDA-Delisting-Cosmetics-2-1-90 (13).pdf
昔の食品添加物の動物実験は今の時代からは考えられないほどたくさんの動物を使ってしつこく何度もやっていて、その中の一つでようやく有意差が発見できた。3%で問題なかったから4%で発がん試験をするとか、3Rどころではない。これほど安全性を調べられているものを禁止にするのはもったいない、新しい色素はそんなにデータはない。調べなければ都合の悪いデータがないから安全だと宣伝できるというのはバグでしかない。)
-ワシントンでのパワーシフト、ジャンクフードが公共の敵になる
Junk Food Turns Public Villain as Power Shifts in Washington - KFF Health News
By Stephanie Armour and David Hilzenrath January 17, 2025
Bryce Martinez訴訟関連。弁護士が、超加工食品の食べ過ぎと病気が関連すると診断された人を探している。ロジックはタバコと同じ。
第一期Trump政権でCDCの長官を務めたウイルス学者のRobert Redfieldが、12月のイベントで「高度に加工された食品を排除すれば速やかにアメリカ人の肥満率が減るだろう」と述べている。
-赤色3号:悪法が事実を打ち負かす
Red Dye #3: Bad Law Defeats Fact | American Council on Science and Health
By Susan Goldhaber MPH — Jan 20, 2025
1月16日、FDAは、赤色3号は雄のラットにはがんを誘発するがヒトには起こさないと述べ、食品や経口摂取する薬に使用することを禁止した。これは、ヘルシーフード運動の勝利として賞賛されている。赤色3号の禁止は、時代遅れの法律であるデラニー条項のためで、それは改正または廃止する必要がある。
赤色3号は、エリスロシンとも呼ばれ、食品に明るいチェリーレッドの色を与える食品用色素である。一部のケーキ、カップケーキ、クッキー、キャンディー、冷菓、フロスティングとアイシング、フルーツカクテル、経口医薬品に含まれている。赤色3号は、1969年以来、食品と傾向医薬品に許可されているが、化粧品や局所薬への使用は1990年にFDAによって禁止された。
デラニー条項
デラニー条項は、1958年に追加された食品医薬品化粧品法(FD&C法)の規定で、FDAが食品添加物、着色料、動物用医薬品を認可する際に発がん性についてどう考えなければならないかを規定する。デラニー条項は次のように述べる:
「添加物は、ヒトまたは動物が摂取したときにがんを誘発することがわかっている場合、または食品添加物の安全性評価に適した試験で、ヒトまたは動物にがんを誘発することがわかった場合、安全とは見なされない。」[強調追加]
デラニー条項の使用は、添加物が動物、特に最も頻繁に使用される動物であるラットやマウスに発がん性が示された場合、それがヒトにとって安全でないことを意味しない場合でも、禁止できることを意味する - それは、動物にがんを引き起こす物質は全てヒトにがんを誘発するという時代遅れの考えに基づいている。
以前の記事に書かれているように、ラットはヒトではなく、ラット実験でがんが示されたからといってヒトでもおこるわけではない。
・動物にとって有害なものは、生理、行動、遺伝の違いにより、ヒトにとって有害ではないばあいもある。
・動物実験で使用される用量は、人々が暴露される量より大幅に高い。
・動物を人工環境(実験室)に置くと 、動物に苦痛や異常な行動を引き起こし、実験結果に影響を与える可能性がある。
さらに重要なことは、デラニー条項は、がんの「原因」をめぐる古くて誤った科学に基づいていることである。1958年にデラニー条項が書かれたとき、がんはDNAの「一発の(シングルヒット)」突然変異によって引き起こされると広く見られていた。その後、DNA修復酵素が損傷したDNAを日常的に修復することや、がんのメカニズムには細胞複製の亢進などさまざまなものがあることがわかってきた。今日、科学者は、がんが単一の突然変異によって引き起こされる可能性は低く、複雑で複数の要因の病気であると考えている。
科学者たちは長い間、デラニー条項の科学的誤謬を認識してきた。2019年と2020年に、Society of ToxicologyとAmerican Association for the Advancement of Scienceの科学専門家は次のように結論している:
「現在の科学的知識に基づいて、デラニー条項の有用性を再検討する必要がる。今こそ、デラニー条項を再考し、食品添加物に関する米国FDAの対応を、より最新の科学的理解と調和させる時である」
しかし、デラニー条項の変更には立法措置が必要で、これは長い間延期されていた。赤色3号は、現在のデラニー条項が事実に基づく科学を阻止するために使用されている一例である。
請願書
2023年2月17日、Center for Science in the Public Interestは、食品や経口摂取医薬品に含まれる赤色3号の排除を求める請願書をFDAに提出した。請願書は、デラニー条項により、ラットでの腫瘍の所見に基づいて、食品や医薬品の赤色3号を排除することがFDAの義務であるとする。
FDAはこれに同意し、赤色3号を着色料として使用する許可を取り消した。しかし、FDAは次のように述べる:
「赤色3号が雄のラットにがんを誘発する方法は、ヒトでは起こらない。ヒトの赤色3号暴露量は、通常、雄ラットで影響を引き起こすものよりもはるかに低い。他の動物やヒトでの研究では、これらの影響は示されない。食品や医薬品に赤色3号を使用することで人々が危険にさらされるという主張は、入手可能な科学的情報によって支持されない。
デラニー法は、2018年に動物ではがんを起こすがヒトではおこさない添加物を排除するために使用された。 6種類の香料添加物(ベンゾフェノン、アクリル酸エチル、メチルオイゲノール、ミルセン、プレゴン、ピリジン)は、ラットとマウスでのがんを示した研究のために排除された。「FDAの厳密な科学的分析により、意図された使用条件下では公衆衛生にリスクをもたらさないと判断された」ものの、デラニー条項により削除された。
「ヘルシーフード運動」の食品政策への影響は始まったばかりで、糖尿病や肥満などの慢性疾患を減らすために、より良い栄養を重視する運動には称賛すべき点が多い。この国では、健康を改善するための新しい方法を試す必要がる。
しかし、それは、より健康的な食品を求めて事実に基づく科学を捨てることではない。デラニー条項は、動物実験をヒトのデータと同等とみなすため、今日では事実に基づく科学への障壁として、安全な食品添加物を阻止する手段として使用されている。デラニー条項に組み込まれた古い、既に放棄された科学的信念を、弁護士や公共政策提唱者が、より正確で健全な科学的評価を覆すために利用することを許すべきではない。デラニー条項は修正または廃止する必要がある。
文献:
規制の遺物:がんリスクについての研究60年を経て、デラニー条項は我々を過去に縛り付け続ける
Toxicology and Applied Pharmacology Volume 433, 15 December 2021, 115779
-意見:RFK Jr.のような超加工食品批判者はその利益を無視している
Opinion: Critics like RFK Jr. ignore benefits of ultra-processed foods | The Star Phoenix
Sylvain Charlebois Published Jan 04, 2025
UPFが本質的に有害だという主張は食品加工の過去から現在に続く利益を無視している
加工のメリットには栄養不良対策としてのビタミンやミネラル強化、食中毒を予防し保存期間をのばす、人生を食事準備以外のことに使える、などがある。カナダでは1960年代には女性は家事に約60%の時間を使っていた。それが2020年代は35%に減った。料理だけに限るとカナダ人女性の調理時間はこの間35%減った。これは個人のライフワークバランスのより良い達成に貢献している。
加工そのものが敵なのではなく、ある種の製品を過剰に摂取することがリスクとなることを認識する必要がある
(本文略。生のキャッサバでも食べればいいのに)
-インフルエンサーがロサンゼルスの火事をウェルネス製品の行商に利用している
Influencers Are Using the Los Angeles Fires to Hawk Wellness Products – Mother Jones
January 14, 2025 ANNA MERLAN
エッセンシャルオイルやデトックス療法、そして活性化する災害エコノミー
ロサンゼルスの山火事が続く中、インフルエンサーがこの危機への対処法として各種エキスやサプリメント、エッセンシャルオイル、寄生虫クレンジング、さらには殺菌していない牛乳までを「治療」として宣伝しているので注意。
-健康に関する疑似科学に陥らないように:事実を確認するためにここを見て
Don't fall for health pseudoscience: watch me set the record straight
Dr. Andrea Love Jan 20, 2025
MAHAの主張、奇跡の治療法、誤った情報で繁栄するウェルネスインフルエンサーに対抗するための科学を身に付けて。
今日はトランプ政権2期目の就任式で、アメリカ人、国際社会、そして地球にとって、1期目よりもさらに有害になる可能性がある
信頼できる科学コミュニケーションがこれまで以上に重要になってくる
WIREDが再びYouTubeシリーズのTech Supportの専門家として私を招いたのはちょうどよかった。疑似科学パート2がこれ以上ないタイミングで公開された。
動画
ここでとりあげた話題は以下で、これまでたくさん書いてきた。
・未殺菌乳は安全ではなく、健康上の利点もない
・RFK Jr.と彼がワクチンの偽情報からどのように利益を得るか
・RFK Jr.と彼が食品の誤情報からどのように利益を得るか
・アスパルテームはがんの原因にはならない
・プロバイオティクスは規制されておらず、その使用を支持する根拠はない
・慢性ライム病:事実とフィクション
・ワクチンに水銀は含まれていない
・政治家のおかげで、ダイエタリーサプリメントは規制がない
・日焼け止めは安全で、皮膚がんから保護する
・代替がん治療は証明されておらず、人々を危険にさらしている
・若者のがん罹患率は急上昇しているか?
・砂糖はがんの餌ではない
・GMOは広く誤解されている
・ブラジャーは乳がんの原因ではない
・タンポンに含まれる鉛とヒ素?
・パラベンはがんを引き起こしたり、ホルモンをかく乱したりしない
・制汗剤に含まれるアルミニウム塩は安全
・自然への訴えの誤謬 - 天然物が安全で優れているという誤った信念
・リーキーガット症候群
・化学物質恐怖症は、化学物質に対する不合理な恐怖
-SMC UK
炭酸水がブドウ糖取り込みと代謝促進によって減量に役立つことを示唆する短報への専門家の反応
January 21, 2025
BMJ Nutrition, Prevention & Healthに発表された研究が炭酸水と減量を調べた
Oxford大学ヒト代謝名誉教授Keith Frayn教授
この短い、実験データのない理論的報告は炭酸水が減量に役立つと主張する。私はその主張されているメカニズムは疑わしいと思う。仮に炭酸水中の二酸化炭素が赤血球によるブドウ糖の使用を増やしたとしても、必ずしも減量につながるわけではない。赤血球はブドウ糖を完全に「燃やす」とこはできないし、肝臓でリサイクルされる。炭酸水が減量に役立つとしたらそれは満腹感によるものの可能性が高い。一方で砂糖入り炭酸水は過剰なカロリーの摂取源であり、体重は増えるだろう。
Online First | BMJ Nutrition, Prevention & Health
Can carbonated water support weight loss?
Akira Takahashi
doi: 10.1136/bmjnph-2024-001108
(ばっさり否定されていて、著者が日本人のようなので見たかったのに404: Not foundになる)