An Award for the BfR Magazine – What we’re achieving
16 December 2024
BfRの組織内マガジンがBCM (Best of Content Marketing)銀賞を受賞した
[NASEM]新しい報告書はほどほどの飲酒と健康影響の根拠をレビューした
New Report Reviews Evidence on Moderate Alcohol Consumption and Health Impacts | National Academies
December 17, 2024
議会からの要請により、次のアメリカ人のための食事ガイドラインに情報提供するための報告書。この報告書自体は食事助言を意図しない。
心血管疾患や全原因による死亡やある種のがんなど、8つの健康アウトカムと軽度飲酒の関連をレビューした。軽度飲酒の定義は2020年版のアメリカ人のための食事ガイドラインで推奨されている、男性では1日2杯、女性は1日1杯である。アルコールの種類は問わない。
禁酒者バイアスを除くため過去に飲酒していて現在は飲んでいない人と今までずっと飲んでいない人を合計して比較した研究は除外した。また2010年以前のものや人数が少なすぎるものも除外した。
委員会尾は各知見の確実性について、高い、中程度、低い、とレベルを示した。どの知見もRCTがないために高い確実性と評価されたものはない。一部の健康アウトカムについては結論できなかった。
・全原因による死亡―全く飲酒しないことに比べて軽度飲酒は全原因による死亡の低さと関連 中程度の確実性
・体重変化―結論できない
・がん―全く飲酒しないことに比べて軽度飲酒は女性の乳がんリスクの高さと関連 中程度の確実性
など
研究ギャップ
禁酒者バイアス、飲酒量の標準定義の欠如、ばく露カテゴリーの標準化カットオフの欠如、参加者の飲酒量過少報告、喫煙や年齢、性、遺伝的要因のデータ欠如、観察研究であることの限界など
(大量飲酒が問題なのは確実なうえ無くても生きられるのだから少なくてもだめ、という主張が主流にならないのがアルコール。そこはタバコと違う。まして食品は必需品なのでタバコと同じわけないだろう、とは思うものの・・)
[ASA]ASA裁定
18 December 2024
TikTokでのビタミンサプリメントの広告が、病的ビタミンB12不足で治療中の患者に、医療をやめてサプリメントにするよう無責任に勧めている、ビタミンについて登録されていない強調表示をしている、など
[FDA]警告文書
未承認GLP-1sの販売に対して警告
Xcel Peptides
Swisschems
Summit Research
Prime Peptides
製品には「研究用」「ヒト用ではない」といった表示をしているがウェブサイト等ではヒトが使うことを宣伝している
(コロナ検査を「研究用」で売って儲かったことが新しい詐欺分野を生んだような)
[EFSA]評価
食品接触物質
・Safety assessment of the substance 2,2′‐oxydiethylamine for use in plastic food contact materials
飼料添加物
新規食品
SMC UK
-地中海食を食べているリスクの高い人々での少量のワインとCVDの研究への専門家の反応
December 18, 2024
European Heart Journalに発表された研究がワイン摂取とCVDリスクを調べた
コクラン方法支援ユニットマネージャーRachel Richardson
心血管系疾患リスクのある人が少量から中程度の飲酒をすることには保護作用がある可能性があるというプレスリリースには重要な欠陥がある。
この研究の参加者は平均年齢68才と全て高齢で、スペインの人たちである。従って英国人一般には当てはまらないかもしれない。エラーマージンが極めて広く、全く影響がない可能性もある。
Oxford大学心血管医学教授で心臓相談医Paul Leeson教授
人は良く「ワインは心臓に良い」という、しかし飲みすぎが心臓に悪いことも知っている。なのでそのくらいがいいのかが問題だ。既存の研究はしばしば自己申告に依存しているが、ワイン摂取量の自己申告は正確ではないだろう。
この研究の強みは飲酒量を自己申告ではなく尿の化学分析で推定したことだ。そして週にワイン1本まではリスク削減に関連することを示した。それでもこれは関連のみであることに注意。
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
少量あるいはほどほどのワインが心血管系疾患リスク低下に関連するかどうかについては専門家やそうでない人の間で広く議論になっている。新しい研究は根拠を加えるが決定的答えには近づかない。理由は難しいからだ。RCTができないために観察研究になる。一般的な観察研究の問題に加えて、ワイン、あるいはアルコールの摂取量にはほかにも問題がある。ヒトは必ずしも正確な飲酒量を報告しない。そこでこの研究は尿中酒石酸を測定した。酒石酸はブドウに多い。
(以下たくさんのポイント)
Glasgow大学心代謝医学教授Naveed Sattar教授
アルコールはどんな量でも多くの病気のリスクを増やすという圧倒的根拠があるのにこのような研究のプレスリリースを見るのは残念だ。私は飲酒量は可能な限り少なくすることを強く勧める。
英国心臓財団上級栄養士Tracy Parker
この研究は関連であって因果関係でないことに注意。飲みすぎが心臓の健康に悪いことはよくわかっている。この研究は英国のガイドラインである週に14ユニット以上飲まないように、を支持する。心臓を守りたいなら(ワインを飲むより)健康的な方法がある。バランスの取れた食事と運動と健康体重維持と禁煙。
(ワインがいいという話が好きなんだろう)
-生物多様性、水、食品、健康の相互関連についてのIPBES ネクサス評価報告書への専門家の反応
December 17, 2024
Plymouth大学海洋動物学教授John Spicer教授
最新のIPBES報告書は、COVIDパンデミック中に痛いほど明らかになったことを明確にしている―我々が直面している複数の危機は独立したものではなく、強く関連している。
Reading大学研究(環境)准副学長応用生態学教授Tom Oliver教授
これは世界中の主導的科学者による重要な評価である。自然関連リスクを「自然ポジティブに」解決することが重要。
Media Release: IPBES Nexus Assessment | IPBES secretariat
16 December 2024
論文
-抗生物質によりかく乱された腸内細菌叢へのプロバイオティクスの影響を探る
Exploring the impact of probiotics on gut mic | EurekAlert!
16-Dec-2024
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatologyに発表されたレビュー
現在の根拠は、プロバイオティクス一般が腸内細菌叢を抗生物質を投与される前の状態に回復するかどうかに答えるものではない。
しかしそのことは抗生物質を使用した人の症状(下痢)が特定のプロバイオティクスで減るという既存の根拠を否定するものではない。
この分野の基本的な困難さは微生物叢のかく乱や回復をどう定義して測定するのかにある。
(何が正常なのかわからないのに効果があると宣伝する製品がたくさん販売されている)
-NIHの研究が保育園で過ごす時間と小さい子供の精神衛生に、たとえ早期困難のある場合でも、有意差はないことを発見
NIH study finds no significant link between t | EurekAlert!
17-Dec-2024
Development and Psychopathologyに発表された 子どもの健康アウトカムへの環境影響Environmental influences on Child Health Outcomes (ECHO)研究の知見
(アメリカの三歳児神話。何度も否定されているのにまだ足りないらしい)
-インド北部とパキスタンが再び汚染の煙霧に飲み込まれる―継続する解決は可能
By Sarath K. Guttikunda 17 December 2024
Lahore や Delhiのような都市は、短期的解決に注目するのではなく包括的な大気汚染削減通年計画が必要
11月半ばから後半はIndo-Gangetic平野全体に有害大気汚染が漂うが、今年は衛星でも観察でき、COVID-19のロックダウンを思い出させるような休校や外出禁止につながった。
原因はわかっていて、秋のディワリ祭の花火、農家が水田の作物残渣を燃やすことが、バックグラウンドの交通や産業からの汚染に加わる。メディアや政策立案者は10月から11月の時期にのみ注目する一時的解決策を優先するが、汚染は年中大きな問題である。
過去25年間のデリーの大気汚染には輸送部門が10-30%、次いで住宅での料理と暖房のためのバイオマスの燃焼などである。解決のために以下を勧める。
・公共交通機関の活用
・ゴミを燃やさせない(ごみ処理能力をあげる)
・大気の質専門機関を設置
・よりクリーンな燃料
・大気の質の監視改善
(日本の都市インフラってすごいんだな)
-持続可能な食料供給のために二方向アプローチをよびかける
Call for two-fold approach to create sustainable food supplies
06/12/2024
西オーストラリア大学植物生理学部長Sergey Shabala教授らがFrontiers in Scienceで、悪化する気候の中で食料供給を守るにはゲノム編集と植物の栽培化が必須であるという。
気温の上昇、干ばつ、洪水、塩害などが作物の可食部を減らす。その対策として農地を増やすのは持続可能な選択肢ではなく、作物を気候に適応させる必要がある。環境ストレスに強い野生の植物を栽培化し、現代の高収量作物と組み合わせて持続可能な食料供給を作る。
-WHO加盟183か国の健康寿命と寿命のギャップ
Armin Garmany; Andre Terzic
JAMA Netw Open. 2024;7(12):e2450241.
(図3を見るといい
先進国ではアメリカがとびぬけてギャップが大きい、その寄与要因は精神衛生、薬物、筋骨格疾患、尿生殖器系疾患、神経疾患
日本は悪くない数値)
その他
-新たな最も遅いシマウマ(次の餌):食品産業
The New Slowest Zebra: The Food Industry – The Risk-Monger
Posted by RiskMonger on December 16, 2024
私の受信ボックスには現在神経を尖らせている食品業界のマネージャーからのメールが多い。訴訟が起こされた、NGOキャンペーンの標的になった、反企業メディア報道があった、そしてRFK Jrだ。活動家科学者、食品マニア、健康食品ロビー、財団からの資金提供を受けたNGO、メディアなどが食品業界を丸焼きにして食べようとナイフを研ぐ中、古い記事を読むといいかもしれない。
新たなタバコという茨の冠
最近は食品業界は「新しいタバコ」とされている。それは子供たちを超加工食品で中毒にし、その後慢性疾患によりゆっくりと痛みを伴う死をもたらすものと描かれる。
化学業界、電子タバコ、プラスチック、アルコール、農薬と並ぶ悪とみなされている。
私の助言は、ライオンの餌食になってきた他の業界から学ぶことである。例えば農薬業界はその不作為のため今多額の代償を支払っている。
- 彼らのゲームに乗らない(実現不可能な規則を受け入れるな)
- 手袋を外す(戦え、反論せよ)
- 友人やネットワークに投資する(食品業界は農薬が攻撃されているとき、傍観者だった)
- 狂信者への対処方法を学ぶ(フェアプレーや妥協を期待するな)
最後に、身内の敵に注意。短期的な利益のために業界を分裂させようとするマーケティングをするプレイヤーは常に存在する。
現状、食品業界は団結しておらず、迫りくるリスクを深刻な脅威とは見なしていない。古い業界は変化を望まない。ライオンが近づいてくる。
-Nature 2025年の科学:来年注目のイベント
Science in 2025: the events to watch for in the coming year
17 December 2024 By Miryam Naddaf
2025年の研究を形作ると予想されるものに新しいおよび目的変更肥満薬、大胆な宇宙ミッション、気候政策などがある
・セマグルチドやその他GLP-1アゴニストの圧倒的な成功に続いて、2025年はさらなる肥満治療の試験結果や認可が予想される。
・Trump大統領は米国の科学に大きな変化をもたらす可能性がありその影響は世界に波及するだろう
など