友達に誘われて、映画「HOKUSAI」を見に行った。
北斎は、波の絵「神奈川沖浪裏」で世界中に知られているが、若い頃の記録が残っていないこともあって、その人生はあまり知られていない。
この映画は、そうした北斎の人生を想像で補って製作されたものである。
豪華絢爛な町人文化に彩られた江戸の町の片隅で芽の出ない1人の絵師がいた。勝川春朗、のちの葛飾北斎がその貧乏絵師である。絵師になったはいいが、あまりの傍若無人ぶりに師匠である勝川春章から破門を命じられる始末。ついには1日の飯すらろくに食べられない貧乏生活を送る羽目に。ところが「捨てる神あれば拾う神あり」とはよく言ったもので、この貧乏絵師に才能を見出した人物がいたのだ。喜多川歌麿や東洲斎写楽を世に送り出した希代の版元である蔦屋重三郎が北斎の隠れた才能を引っ張り出したのだ。蔦屋重三郎によって本能が開花した北斎は次々と革新的な画を世に送り出し、たちまち江戸の人気者にのし上がる。しかし、そのことが江戸幕府の反感を大いに買うことになってしまう。
良かったところ
阿部寛演じる蔦屋重三郎
江戸のビジネスマンが似合う阿部寛、
このポジティブさとクールさが素晴らしい。
幕府のがさ入れもチャンスに!
映画『HOKUSAI』<本編映像>阿部寛演じる蔦屋重三郎のポジティブ過ぎる金言シーン(2021年5月28日公開) - YouTube
現在の日本でもメディアの規制が知らず知らずのうちに進んでいるようだ。
だから一層、表現の自由のために戦う重三郎が英雄のように感じられる。
池井戸潤の江戸版と言ったところか。
絵を描くシーン
筆の運びを見ているだけで素晴らしさに魅了される。
これは、俳優さん自身? それとも専門家の手かな~?
ちょっと残念だったところ
外国人には難しい
一緒に行ったフランス人の友人には、時代背景が不明で理解が難しかったこともある。
- お位牌を持って旅に出るところでは、あの板は何か?と聞かれた
- 俳優さんが皆似たり寄ったりの顔で、見分けがつかないと言われた
海外で公開するときは、今何が起こっているのか、字幕で説明を入れた方が良いかもしれない。
メッセージがあるのかないのか
芸術家には二つの戦いがある。
- 自分の中での何を表現したいのかという戦い
- 外からの規制に対して表現の自由を獲得する戦い
この二つが混ざると、何が伝えたいのかメッセージが曖昧になる。
リアリティーがない
- 江戸の町と言ってはいるが、いかにもセットで撮りましたという感じ
- あんなに民家の近くで火を起こして浮世絵や本を燃やしたら、火事になってしまうのでは・・?
- 人妻が鉄漿をしていない不自然さ
- 花魁の話しぶりがいかにも今風 (木久扇師匠に学んでほしい)
つまり、全然リアリティーがない。
ファンタジー映画としてみれば良いのであろう。
まとめ
豪華な俳優陣で、絵柄も美しく、ファンタジーとしては退屈しない作品。