外遊も終わったところで今回の外遊の性かはあったのかどうかを考えてみます。
まず、官邸のHPには次のように記されています。
「安倍総理は11日から15日まで、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーンを訪問する予定であります。今回の訪問では、中東情勢が緊迫の度を高める中、事態の更なるエスカレーションを避けるために、我が国による外交努力の一環として、地域の緊張緩和と情勢の安定化に重要な役割を果たすこれら3か国との間で意見交換を行います。また、各国との間では、エネルギーの安定的供給の確保や航行の安全確保に向け、協力を確認をする予定であります。」
これを読む限りでは、今回の中東訪問が日本に取ってのエネルギー源である原油の確保がかならずしも最優先課題ではないことがわかるでしょう。むしろ中東での高まりつつアル緊張を緩和するために日本が何をできるのかを各国の主張と話をしたという点が大きかったのではないでしょうか。
原油の確保(重要な問題ですが)が最優先の課題ではないことは、国家安全保障局局長の北村滋氏の動向を見ればわかります。毎日新聞に拠れば、
「米国を訪問中の北村滋国家安全保障局長は8日(現地時間)、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安保室長と共にトランプ米大統領と短時間面会した。米大統領が閣僚でもない外国当局者と面会するのは異例。安倍晋三首相の信頼が厚いとされる北村氏を厚遇した可能性がある。ホワイトハウスの声明によると、トランプ氏は日韓両国を「インド太平洋地域において最も関係の深い同盟国」とし、協力と連携に謝意を示した。
8日には北村氏と鄭氏、米国のオブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)による安保担当補佐官の3者会談があり、米国とイラン双方による軍事行動について意見交換したほか、北朝鮮の核・ミサイル問題に対応するための日米韓協力の重要性を確認した。
3者会談は2018年3月以来で、19年11月に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の失効が回避されてからは初めて。北朝鮮が昨年末から新たな挑発行為を示唆していたことなどを受けて開かれ、GSOMIAも議題になったという。
北村氏は3者会談の後、オブライエン氏と個別に意見交換し、米国がイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことや、その後の米国の対応について説明を受けた。一方、日韓間の個別協議は「双方の都合がつかなかったため」(日本政府関係者)実施されなかった。北村氏は米国訪問の後、中東とロシアを訪れ、各国の政府高官らと会談する予定。」
北村滋氏がトランプ氏と短時間面会 日米韓の国家安保担当補佐官が会談(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
韓国の代表とも同時に会談を行うと言うことは、イランの核開発が韓国との関わりで行われたという事だったのではないでしょうか。韓国に釘を刺すために、このような三者会談になったと考えられます。北村局長もロシアや中東訪問とのことから、イランの背後にいるロシアとの本格的な調整が行われていたことがこのことからも確認出来ます。
サウジとイランの現在の最大の問題はイエメン内戦です。イエメンのイランに支援を受けたフーシー派がサウジの製油施設を攻撃したとされていますので、同様の事件が起きれば、再び中東は戦争の寸前まで緊張が高まることになります。サウジは米国などから相当最新鋭の兵器を購入しているので、イランの一般市民に相当の被害がおよぶ事も予想されます。そうなった場合、やはりイラン革命防衛隊や、ヒズボラなどによるアメリカに対する反撃も予想されます。今度戦闘が起きれば、民間にも相当の被害が見込まれます。それがわかっているから、わざわざイランのロウハニ大統領が日本を訪問したのだと思います。
したがって、安倍外交が成功したかどうかは、さしあたりイエメン情勢の推移となって現れるはずです。イエメン情勢に注目ですね。