窓の外から差し込む陽光が少しずつ明るさを増す2月。
冷えた部屋の気温はさっぱり上がらず、ベッドから出るのがまだ億劫な季節。僕の脇の下ですやすや眠る猫を起こさないようにベッドから出ようとすると、置いていかないでとばかりにぎゅっと爪を出して掴まれる。
ぐずる猫を撫でているとあっという間に二度寝して遅刻する。そんな毎日。僕は猫に飼われているのだと思う。
生活の中心はいつも猫だ。
福豆が売ってないからマカダミアナッツを投げた
節分の日の帰り道に福豆を買いにスーパーに行ったら、どの棚にも福豆らしきものが売っていない。店員さんに聞いたら「終わっちゃいました」とのこと。
いくら夕方とはいえ節分に豆がないとは。
あまりにびっくりして口から飛び出しそうになった「まだ節分終わってないですよ?」という返事を飲み込み、別のスーパーに足を運ぶも同様に品切れ。見切り品の棚に目を向けたら、萎びた柊に添えられた鬼のお面と目が合った。
きみらはもう見切られたのか。
節分なのに投げるものがないのは寂しいので、マカダミアナッツのパックを買ってきた。
福豆のようにばら撒くわけにもいかず、一粒摘んでお茶缶に投げたらコツンと乾いた音がして床に落ちた。コントロールは良好。
ふた粒目を摘み「鬼は外」…と呟こうとした瞬間、なんか馬鹿馬鹿しくなってしまった。
所謂日本の自称インテリ、リベラル知識層は「鬼は外」なんていう日本国民を摘み上げて「排外主義だ」となじるだろうか。

最近の世の中を考えながら飲んでいたらあっという間に1パックが消えてしまった。豆は体にいいはずだ。
世の中的こんなこと言ったら怒られるんだろうけど、今の日本には外に追い出すべき問題が多すぎる。
僕らの社会の変質はあまりに急すぎて、日本の秩序や文化を破壊する外国人や企業、世界中の争いごとのことを考えたら、この世界は鬼だらけじゃん豆足らないじゃんって無力感が頭をよぎり、仕方なく摘んだマカダミアナッツを口に放り込んだ。
「福は内」
福豆とか柊のような単価の低いものを敬遠し、商業主義にレイプされたフードロス製造機の恵方巻きにシフトする小売業の経営判断を僕は酷く軽蔑する*1。ちゃんと福豆を売れよ小売業。僕は好き放題豆をばら撒いた後の福茶が好きなのだ。
それを世間ではエネルギー切れと呼ぶ
「身体が重いしやる気が出ないけど朝は起きれる」
「お腹は空いてるしご飯はめちゃくちゃおいしい」
「仕事が全然面白くない…というか仕事以外もワクワクしない」
「やりたいことがなくて焦ってるのに空回りだけはする」
「なぜみんな仕事に没頭できるの?」
「自分の未来が想像できない」
…と、まるで鈴木ジェロニモのように最近のことをぶつ切りにしてChatGPTに放り込んだら、「典型的な軽〜中等度の消耗状態(バーンアウト寄り) で、生きる方向性がすぽっと抜けている」と現状分析が返ってきた。
いわゆるHSP気質の自分にとって周辺の音や会話が時々大きな負荷になるのだが、これが回復可能な負荷を超えてきている。
贅沢な希望だと怒られるかもしれないけど、1日のうち3-4時間は誰にも話かけられたくないしTeamsの通知なんて見たくも聞きたくもない。放っておいてほしいのだ。予測不可能な会話や不快な音楽はリソースをどんどん消耗する。
ChatGPT先生によると、何も考えずぶらぶら写真撮りながら歩き回るのが回復への道らしい。写真を作品にするとかシリーズものにするとかノルマを考えずに、撮り歩くだけ。そんなことやっていていいのか…許されるのか…。
仕事辞めて二ヶ月くらい自由になりたい。
いい歳した大人が雪に興奮する
海沿いの街に雪が積もったのは何年ぶりだろう!
高々数センチの積雪に胸を高鳴らせ、掌の感覚がなくなるまで雪合戦やって雪だるま作って雪を堪能した。たった数時間だけど。

M11-DとC Biogon 2,8/35の組み合わせ。白の深みって言葉がふと思いついた。
雪国の人から見たら馬鹿げた光景かもしれないが、関東人にとって積雪はライフイベント。誇張でも何でもなく一大イベントなのだ。
着ていたパーカーがぐしょぐしょになり隣人からニヤニヤされて風呂に飛び込むまでが関東の雪遊びだ。
また来年…まで待てないからさっさと降れ!あと3回くらい!
クロード・モネ展@アーティゾン美術館
アーティゾン美術館で開催中の「クロード・モネ— 風景への問いかけ展」へ行ってきた。
今年はモネ没後100年に当たる年ということで、オルセー美術館から41点が来日し修復後初公開となる「かささぎ」も展示されるとあり、雪の降る初日だというのに、足元のお悪い中大変な大入り大盛況。
大盛況の館内で時折気になるのが作品撮影。
たくさんの人がせっせとスマホで絵を撮っている光景はとても滑稽で、絵画は二の次で「体験消費をしている現代人」という構図がとても面白かった。せっかく展示に来たならもっと近寄ってディテールを見ればいいのに。何しに美術館きてんのよ。図録買った方がいいって。

美術展はもはや体験消費の場なのだ。僕は図録買った方が100倍価値があると思う。
もちろんモネの作品群がこの展示の主役なのだが、個人的にはスタイケンが撮影したベネチアの写真と、ヘンリー・エマーソンが撮影した「睡蓮の採取」がとてもよかった。エマーソンのプリントは1886年にガラス乾板で撮影されたもののプラチナプリント。ディテールも豊富で、昨日撮ってきたのではないか?と思わずにいられない。そんなクオリティの写真。全然古くなっていない。
展示数の多さに引きずられるように図録も豪華。
大規模な回顧展であり入館者数を制限しているので中平卓馬展の時のように図録売り切れはないと思うけど、興味のある方はぜひお早めにアーティゾン美術館に足を運んでいただきたい。モネ展は5月24日まで。
今年もCP+に足を運びます
もうすぐ開催される CP+へ今年も行こうと思う。
今年も開催されるシグマ図書館、DxO主催のハービー山口が登壇するセミナーとFilmPackの説明をしてくれるセミナー、コシナのブースに行こうと思う。入手困難となった写真集を惜しげもなく読めるシグマ図書館は素晴らしいので、写真が好きな人はぜひ足を運んでほしい。正直製品なんてそっちのけでいいから写真を見にいく。これ大事。

昨年のシグマ図書館の様子。レアな写真集を含めてこれだけ沢山の写真集を一度に見れる機会は中々ない。
今年もシグマ図書館にずっと居座っている可能性が高いのだが、可能な限り世の中を見てこようと思う。古いカメラとレンズでフィルム写真ばっかり撮っていると世の中のことがわからなくなっちゃいそうで怖いから。
*1:最近、恵方巻きのフードロス問題を聞かないなぁと思ったけど、今年もしっかりフードロスに貢献していた。みんな食糧価格に困ってるんだから、さっさとこんなクソ習慣やめたらいい。1万円超えも登場 恵方巻730億円市場の裏で16億円が廃棄される理由 - coki (公器)