
はじめに
先日、AliExpressを見ていたら薄型(厚さ33mm)10VAのRコアトランスを見つけました。
これで薄型のヘッドホンアンプが出来ると思い迷わず購入、この連休でヘッドホンアンプを作成しました。
ケースには実売2000円以下で高さ40mmのアルミケース タカチ YM20-4-15(YM200)を使っています。
ヘッドホンアンプ基板には、お気楽オーディオキット HPA6120 ヘッドホンアンプ基板を使用しました。
基板詳細は以下を参照ください。
http://www.easyaudiokit.com/bekkan/manual/HPA6120manual.pdf
TI社のTPA6120使用、電子ボリュームLM1972、ポップ音防止のリレー付きで、トランスと正負電源基板があればヘッドホンアンプが完成します。
使用部品について
部品の大半は、
アスカ情報システム(抵抗やコンデンサ)
https://www.pken.net/ish_mm/shop.htm
秋月電子
https://akizukidenshi.com/catalog/default.aspx
で調達しました。
・ボリュームは以前マルツで購入したR1610N-QB1-B103 (秋月のボリュームは軸が長いです。)
・6.3mmジャックは2005年頃に秋葉原ラジオデパートで購入したCLIFFのジャックです。当時の購入価格は250円でした。
・4.4mmプラグ付きイヤホンやヘッドホンの接続についてはddHiFi DJ65B(AL) 6.35mm to 4.4mmアダプターを使おうかなと思ったのですが結構な値段がするので、4.4mmジャックをヘッドホンアンプに実装することにしました。秋月電子で2200円でした。安価な中華製品もありますが、ここは品質を重視しました。
・4.4mmジャック取り付け基板(JCACK-44-5)はスイッチサイエンスにて購入しました。
バランス出力 4.4mm5極端子基板 JCACK-44-5www.switch-science.com
ちなみにマニュアルPDFのC3-7 電解コンデンサの数が2となっていますが5です。
R7=R8=R11=R12 10kΩ、R9=R10=R13=R14 20kΩとなっているのは、TPA6120のデータシートを見た上でそれぞれ1kΩ、2kΩに置き換えました。
この変更については以下のブログを参考にしました。
・TPA6120を使ったヘッドホンアンプの製作
電子ボリュームをバイパスしてみる

ふと思い立って、電子ボリューム LM1972をバイパスして自作DACと直結、音量はDACの電子ボリュームで調節してみました。
#写真ではLチャンネルのGND線が端子台から外れています。付け直しました。
とても良い音がします。オペアンプ+TPA6120そのままの音です。
オペアンプの選定
この状態で手持ちのオペアンプの比較試聴をしてみました。
A. LME49720 広帯域、ナチュラルで脚色の少ない音
B. OPA2134 シャープでエッジの効いた硬めの音
C. OP275 低音過多、分離感が悪くイマイチな音
今回使用するオペアンプはLME49720に決定です。
組み立てについて


ヘッドホンアンプ基板はそのまま組み立てるだけです。特に困る点はありませんでした。
電源基板については高さがギリギリだったため、スペーサーを5mmのものにしました。
今回ケースがぎりぎりの大きさだったためヘッドホンアンプ基板、電源基板、トランスの配置については、Google Geminiに相談して決めました。
電源のノイズフィルター(TDKラムダ RSEL-2003W)、ヒューズについてはケースに収まらなかったため、別途ノイズフィルター、ヒューズを収納した電源ボックスに電源ケーブルを接続することにしました。
4.4mmジャックの接続は、今回シングルエンド出力のため、
・R+ --- R
・R- --- GND
・L+ --- L
・L- --- GND
・GND --- GND
としました。
完成品の評価
ケースは良い感じに加工できました。
肝心の音質ですが、Rコアトランスを使って正負電源±15Vをしっかり生成しているだけあって、とてもクリアかつ重厚で、TPA6120特有の速い音がでています。
ヘッドホンアンプとしての音質だけなら手持ちのFIIO K7より明らかに上です。
4.4mmプラグを備えたイヤホンやヘッドホンも接続してみましたが、充分に出力があるため、とても良い感じで音が出ています。また無音時のホワイトノイズは全く感じられませんでした。
気になる点としては、電子ボリューム LM1972で素早く音量調節をすると、ごく小さくチチチという音が出ます。
電子ボリュームICの仕様上発生するノイズ(ステップノイズ)ですので、これは気にしないことにします。
ちなみに、このヘッドホンアンプのアイドル時の消費電力は3.1Wでした。(KOZUMUWAN エコキーパー エコチェッカーにて測定)
まとめ
今回、薄型Rコアトランスを使って、とても満足のいく薄型ヘッドホンアンプが出来上がりました。
小型で取り回しの良い大きさですので、これをメインのヘッドホンアンプにします。
4.4mmジャックも備えているので末長く使えそうです。
ちなみに今回かかった費用は約15000円でした。
2025-11-30 追記
使用中に突然音量が小さくなる現象が発生しました。
調査したところ、TPA6120の放熱不足が原因と考えられたため、基板裏面に熱伝導性シリコーンシートを重ね貼りしケース底面へ熱を逃がすように対策しました。
この放熱対策を行って以降、ヘッドホンアンプは安定して動作しています。
2025-12-06 追記 DCオフセットについて
DCオフセットを測定してみると、L:36.4mV, R:44.2mVありました。やや多めの値で使用に注意が必要な状態でした。(低インピーダンスイヤホンなどの使用など)
Google Geminiの推定値は、
・入力バイアス電流の影響:バイアス電流(12µA) × フィードバック抵抗(2kΩ) ≒ 24mV
・アンプ自体のオフセット増幅:オフセット(3mV) × ゲイン(3倍) ≒ 9mV
の合計で約33mVとのことでした。
考えてみたら、手持ちのヘッドホン、イヤホンには低能率のものは無いので、フィードバック抵抗2kΩを1kΩに変更しました。ゲイン3倍→2倍になります。
R9=R10=R13=R14が1kΩです。
DCオフセットがL:11.4mV, R:13.8mVになりました。
これくらいのDCオフセットだと手持ちのヘッドホン、イヤホン全てが使用出来そうです♪
これで、TPA6120搭載ヘッドホンアンプの自作は完了とします。
2025-12-26 追記 LM1972バイパス化とオペアンプ交換
12月6日のゲイン変更に伴い、DACの電子ボリュームだけで音量調節が楽に出来るようになったため、電子ボリューム LM1972をバイパスして自作DACと直結しました。
また、ヘッドホン ATH-R50xを購入したのですが、LME49720だとながら聴きには少々きつく感じたので、オペアンプをOPA1656に変更しました。これで深みのある聴きやすい音質になりました。
TPA6120搭載ヘッドホンアンプの自作は完了とします。
以上、参考にしていただけると幸いです。