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積み上げてきたまぼろしを壊して

こちらは #川村文乃アドベントカレンダー 11月20日(12日目)の文章です。

 

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※秋ツアーのセットリストとラスト写真集「permanent girl」の一部ネタバレがあります。ご注意ください

 

 

アンジュルムのサブリーダー・川村文乃さんがまもなく卒業される。

 

卒業発表を聞いた時、芸能界引退には驚いたけれど、コメントを一読するととても川村さんらしくて納得した。「おもしろいアイドル人生でした!」というカラッとした総括や、「諦めるよりもこだわり抜くことが出来てよかった」という実感の伴った言葉から彼女の実直な性格が滲み出ている。

 

遠回りな人生だったと思いますが
無駄なことはひとつもなく
積み重ねた全ての経験があったから
ここまでやってこれたんだと思います。
 

おもしろいアイドル人生でした!

始めることよりも終わりを決めるほうが難しいと分かってはいたし、たくさん考えてきたけど
 

私は
アンジュルムの活動をもって、
アイドル川村文乃としての物語を
終わらせることにしました。
 

諦めるよりもこだわり抜くことが出来てよかったです!

卒業のお知らせ 川村文乃 | アンジュルム メンバー オフィシャルブログ Powered by Ameba

 

そして翌日のブログでは、今の心境としてとても寂しいこと、叶えたい夢はまだまだあったことと、卒業後に顔を見せることは決してないという覚悟を綴っていた。ここまで断言するとは思っていなかったが、今後も記録として残る場で宣言することで、確実に退路を断とうという川村さんの頑固さに圧倒された。

 

 

私がアンジュルムと出会ったのは和田さんの卒業コンサート、本格的にアンジュルムのオタクを自認したのは8ジュルムの頃だ。なので川村さんがサブリーダーに就任し、次第に責任ある立場になっていった時期とおおむね重なる。私の川村さんの印象は、いつでもどっしりと構えるアンジュルムの大黒柱。ソロ!フェスでMVPを獲得した「素直に甘えて」のタップダンスパフォーマンスや、一級マグロ解体師の資格取得などを通し、「おもしろいアイドル」として存在感を際立たせていった彼女は、磨き上げた強烈な個性をアンジュルムに還元し、逞しいグループの柱になっていった。川村さんが歌唱面でも精神面でも支柱として立ち続けてくれたからこそ、絶えず変化し続けるアンジュルムは数々の苦難を乗り越え、大きく躓くことなくここまで走ってこれたといっても過言ではないだろう。

 

 

先日の秋ツアー「ROOTS」もまっこと素晴らしい公演だった。私はバースデー凱旋ガールを祝しピュアレッドに燃え滾る愛知公演と、一面紫色にきらきらしちゅー高知公演に参加した。アンジュルムのハイレベルなパフォーマンスと圧倒的な生命力に生きる活力をもらったし、たった1ヶ月しか開いてないのにも関わらずめきめきと進化する彼女らの成長速度には目を見張るものがあった。

 

何よりセットリストが過去一と言っていいほど素晴らしく、今まで見たことない斬新な組み立て方で、アンジュルムの新たな可能性を刻みつけてやろうという気概に満ちていた。特に後半ブロックの「上手く言えない」→「いとし いとしと Say My Heart」→「Sister Sister」→「愛すべきべき Human Life」の怒涛の流れは誰が予想できただろうか。セトリに入りづらいアルバム曲として不遇だった「いとしいとし」と「Sister Sister」がワンセットで救済されるなど夢にも思わず狂喜乱舞した。おそらく川村さんのアイデアが多分に含まれた選曲なのだろうと思っている。自身も熱烈なアンジュオタである川村さんだからこそ成せる技だ。

 

十人十色の「ROOTS」を引き出したユニットコーナーも見所満載で、川村さんの名プロデューサーぶり(決めつけ)が遺憾無く発揮された。 伊勢鈴蘭さんのしなやかな舞いが堪能できる「恋はアッチャアッチャ」、笑っちゃうくらい橋迫鈴さんが大フィーチャーされた「私を創るのは私」、そして極めつけは三色団子の「SHAKA SHAKA #2 LOVE カラフルライフ編」。あまりにも天才…。

 

そんな川村さんの思い入れと愛とROOTSがたっぷり詰まったライブの中で、何度川村さんが放つキラキラに魅せられたか。序盤のブロックは特に川村さんが目立つ歌割が多く、彼女の鋭い太刀筋に何度も捌かれた。

 

 

「愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間」の心を鷲掴みにされるような〈会いに行けないよ〉、ロボットが自我を取り戻したかのように躍動するダンスブレイク、切実な問いを強く優しく投げかける〈何のため生きて 誰のため生きていこうと思うのでしょう〉も、

 

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「アイノケダモノ」でキラキラの眼をギラつかせ、爪と牙を剥き出しにして迫りくる〈今どき乙女の生存戦略〉も、

 

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昨年の秋ツアー「BEST ELEVEN」辺りからどんどん磨きがかかっている、「次々続々」のギアがガッとかかるラップパートも。

 

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川村さんの集大成を初っ端から畳み掛けられ激しく高揚した。やはりあなたはアンジュルムの柱だと何度も思った。

 

 

***

 

そんなアンジュルムにとって不可欠な存在であり、まだまだ活躍の兆しがある彼女が、アイドル人生に幕を下ろすというのだから、並々ならぬ決意なのだと思ったし、確かに寂しさはあるけれど、真っ直ぐ受け止めるつもりだった。そもそも私は笠原桃奈さんの希望に満ちた卒業を見届けた日から、卒業に対して寂しさや悲しさを抱くことがなくなっていたので、川村さんについてもブレずに送り届けるつもりだった。

 

しかし、先日の写真集インタビューを機に一転した。私は彼女が卒業を決意した理由の根っこにあるものを少し勘違いしていたようだった。

 

 

アンジュルム 川村文乃 写真集 『 permanent girl 』 (オデッセー出版)

 

 

そんな風に具体的にいろいろ考え出したのが2023年のタイミングで、竹内さんから卒業を告げられる直前に会社の方に「今ではないけど、遠くない未来に卒業したいです」と自分の気持ちを伝えました。考えたら、もともと25歳を過ぎてアイドルをしているというビジョンが自分の中にはなかったんです。なぜなら自分の中での勝手なイメージなんですが、年齢を重ねてもハロプロで活動をされている方ってデビューが早くてハロプロでの活動歴がすごく長かったり、リーダーをされていたり、そういう印象があって。だから自分は加入も遅かったし、ハロプロ色みたいなものがすごく強いわけではないので、そこに入れるような人じゃないって思ったんですよね。越えられない壁じゃないですけど、だから25歳のうちに卒業しようって改めて思いました。人生の区切りとしてもいいタイミングですし。

(「permanent girl」巻末インタビューより引用)

 

現実のジェンダーギャップを反映するかのように、女性アイドルには年齢の壁が暗黙の了解として存在する。そのラインは25歳前後のようで、過去に卒業したハロメンも明言はせずとも意識していたような話は何度か聞いた。しかし、ここまではっきりと「25歳の壁」を卒業理由の核として示す人はあまり見たことがなかったし、この発言からは、彼女が壁を強く意識しすぎて、自らの可能性を狭めているような印象を受けた。

 

この回答以外にも、『タデ食う虫もLike it!/46億年LOVE』でソロパートを貰えなかったこととはちれら加入が重なり、「あぁ、もう私はアンジュルムに必要ないんだ」と落ち込んだというエピソードや、サブリーダーに任命された直後に次々と先輩が卒業し、年功序列を廃して決まったと思われた役職就任が実はそうではなかった(実際はわからないが川村さんはそう認識した)話など、過去を振り返るごとに彼女のネガティブ思考が垣間見える。

 

ただ、上記のエピソードはコロナ禍前のことなので、その後どんどん自信をつけてネガティブ思考は克服したと思っていたから、「2021年辺りで竹内さんが卒業する気配を感じ取ったときに『自分がリーダーになってしまうならその前に卒業しよう』と思っていた」と証言したのは結構ショックだった。これも「続けると辞め時を見失うから」という理由なのだろうが、これからも全身全霊アンジュルムを牽引していくぞ!という気概に満ちているように見えた人が、後ろ向きな気持ちで未来を見ていたとはとても思えず、そのギャップに激しく混乱した。いや、「後ろ向き」というより「現実主義」と評する方が正確かもしれない。野望は豪快に掲げてなんぼ!というタイプの人だと見ていたので、「25歳の壁」など簡単に超えてくれるものだと見誤っていた。

 

 

オタク仲間から加入当時の話を聞いていたし、 かみちゃんが自分以外のゆめ組3人を「やみ組」と評したことからも元々ネガティブ寄りな性格の人だと知ってはいたけど、私が目に写る彼女はいつだってスーパーヒロインで、ファンの気持ちが沈めばガツンと鼓舞し、アンジュルムとオタク達の先頭に立って道を切り拓いてきた姿だったから。最後にこんな赤裸々な弱音を聞くことになるなんて予想だにしていなかった。

 

 

 

そして、川村さんがこの決断を迷いなく貫き通そうとしているならまだわかるが、卒業が迫るにつれて寂しさを露わにし、「この決断で本当によかったのか」と迷いまくっているのが重ねて衝撃的だった。後ろ髪を引かれる思いがびっくりするほど表情にも言葉にも出ている。「アンジュルムをやり切ってアイドル川村文乃は死ぬのだ」という壮絶な覚悟と、「まだ死にたくない」という魂の叫び。相反する感情が彼女の中で激しくぶつかり合い、今にも弾けてしまいそうだ。

 

あの覚悟を固めた卒業発表の背景にこんな迷い戸惑う姿を見てしまうと、私もこれまでとは真逆の感情を抱いてしまった。そんなに苦しそうなのにどうして辞めちゃうの、もったいないよ、まだ行かないでよ、辞めるのを辞めたっていいんだよ。といった彼女の覚悟を蔑ろにしてしまうような言葉さえ出てきてしまう。それでも、そう言いたいし、言わなければならない気がした。

 

 

***

 

 

一方で、だからこそ川村文乃というアイドルは人間臭くておもしろいのだ、とも思ったり。

 

アドカレ6日目の文章で、主催のAkariさんは川村さんを間近で見た時の衝撃をこう綴っている。

 

でもその時に見た川村さんは、コロナ禍で久しぶりの1人でのステージだったという理由もあるだろうけど、とても緊張しているようにみえてMCでもつっかえたり、こちらをあんまり見ないでほしいみたいな様子に笑ってしまった。

その川村さんにも私はびっくりした。アイドルも人間なんだ…!と改めて初めて知った。「アイドルも同じ人間』今ならそれはそうだろってわかるんだけど、映像でしか見てこなかったキラキラなアイドルが緊張し照れながらステージに立っている様子が、私にはとても新鮮にうつり、その様にとても好感を抱いていた。

推しに落ちた日のことをレポする|Akari.bonafides


 

私も「アイドルも人間なんだ」と知ったときに喜びを感じる人間なので、深く同意した。卒業発表の翌日、卒業後は絶対に姿を見せないと宣言した際、「プロ意識が高い完璧なアイドル」と評する声があったが、私はそうした評価だけでは川村さんの本質に辿り着けないと思う。完璧なアイドル...からどうしようもなく漏れ出てしまう人間味。そこにこそ川村さんのおもしろさがある。上記の宣言も、ちょっとでも可能性を残すと無限に溢れ出してしまうから、退路を断つために歯を食いしばって書いたのかもしれない。

 

写真集のインタビューで語った言葉も、全然墓場までもっていくことはできたはずなのに、隠さず吐露してしまう。「ファンの皆さんにアイドル川村文乃が生きた証のすべてを刻みつけたい」という思いもあるのかもしれないが。にしても、ここまではだかのこころを吐露できるのはとてつもない。

 

 

そんな人が秋ツアーの最後の曲に「同窓生」を選んだと思うと、なんだか納得感がある。

 

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あの子もそう 

きっと誰も

私より優れてるように見える

「信じ」たら

「裏切り」に

怯えちゃってたけれど

 

純粋に

優しいんだな

敵わんな

 

どれだけ鍛錬を積み重ねても、いや、重ねれば重ねるほど、自分の限界が見えてしまう。自分の存在価値を見失ってしまう。他人のことも、自分のことも、信じてしまったらきっと裏切られてしまうと怯えていた川村さんが、アンジュルムや、アンジュルムを通して出逢ったみんなの純粋な優しさに触れて、少し顔を上げて「I LOVE YOU 疑ったりしてごめんなさい」と返す。「実はどれくらい幸せだったかわかってる」と言いながら、不器用な彼女はまた疑ってしまうのだろう。それでも、何度でも「I LOVE YOU」を唱え続ける。そうした彼女の繊細な心の揺れ動きや、こう生きたいという祈りがこめられた選曲だったんじゃないか。

 

***

 

当初書きたかったことからだんだんブレてきてしまったが。とにかく私は、川村文乃という唯一無二のアイドルが大好きで、アンジュルムになくてはならない存在だと思っていて、あなたの覚悟の重さを知りながらももったいないよと寂しがっていて、でもそこがおもしろいんだよなと納得もしている、ということだ。複雑で矛盾しててまとまりがないが、今の私の揺れ惑いをここに刻む。

 

最後に、「うれしいのにね、泣けちゃうわ」の歌詞を川村さんに贈り、まとめとしたい。

 

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つい遠慮する

つい比べてる

積み上げてきた

まぼろしを壊して

 

あなたはたくさんの努力を重ね、たくさんの夢を叶えながら、たくさんの挫折を経験してきた。あなたにしかわからない「現実」や「限界」がきっとあるから、わたしたちがどれだけ異なる未来を望もうと、あなたにとっては今がアイドル人生の終着点なのだろう。そのゆるぎない決意を否定するつもりはないけれど、あなたがこれから歩む新たな人生の中で、一瞬でも「もう一度」と思うことがあったなら。過去のあなたが決めた覚悟を捻じ曲げてしまったっていいんだよ、といいたい。あなたがこれまで積み上げてきた、「一度言ってしまったことは覆せない」とか「この年齢でやり直すのは無理だ」といったまぼろしが、あなたの揺れ惑う心を遮るならば、壊してしまってもいいんじゃないか。頑固そのもののひとだから、聞き入れてもらえないかもしれないけれど、頭の片隅にちょっぴりでもいいから刻みつけられたらうれしい。アンジュルムとして生きてきたあなたなら、ぶっ壊すことなんて容易いと思うから。

 


川村文乃さんのこれからも、おもしろい人生でありますように!

 

 

 

 
 
 
 
 
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