
かねてより“夢のバッテリー”と呼ばれた全固体電池。しかし、そもそも何が画期的なことなのか、技術的な課題は何なのかなど十分に理解されていない面もあります。そこで、図解を用いて、電気自動車(EV)に組み込む全固体電池の仕組みをわかりやすく解説するほか、自動車メーカーのバッテリー技術開発の動向を紹介します。
※この記事は2024年1月15日に公開した内容をアップデートしています。
- 全固体電池とは「中身すべてが固体の電池」
- 全固体電池のメリット
- 【図解】全固体電池の仕組み・構造をわかりやすく解説
- 「全固体電池は実用化できない」と言われる理由
- 全固体電池の開発状況/自動車メーカーの取り組み
- 全固体電池だけじゃない! 注目すべきEVバッテリー技術
- 全固体電池はいつ実用化する? 将来見込みとは
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全固体電池とは「中身すべてが固体の電池」

「全固体電池」は「ゲームチェンジャー」と呼ばれるように、次世代の電気自動車(EV)用電池の注目株となっています。名称からわかるように、特徴は「中身すべてが固体」であること。実のところ、今ある「リチウムイオン電池」は、その中身に電解質という液体が使われています。その液体を固体化したものが「全固体電池」となります。リチウムイオン電池の進化版といってもいいでしょう。
全固体電池のメリット

液体を固体化することで、全固体電池は、さまざまなメリットを得ることができます。
まず、充電スピードが速くなります。全固体電池を開発する自動車メーカーいわく、充電にかかる時間は3分の1に短縮されます1)。さらに、電池の容量も大きくなります。これも自動車メーカーいわく、エネルギー密度が2倍2)。また、固体ですから液漏れがなく、安全面でも利点がありますし、作動温度範囲も広く、高温や低温状態でも充放電が可能です。
全固体電池を搭載することでEVは、より遠くまで走れるようになり、そして充電にかかる時間も圧倒的に少なくなるのです。こうした魅力アップによってEVは、今よりもたくさん売れるようになり、日本のカーボンニュートラルに貢献する! というのが全固体電池に寄せられる期待です。
つまり、ただひとつの部品という話ではなく、世の中を一変させるポテンシャルがある。それが全固体電池の注目の理由と言えるでしょう。
【図解】全固体電池の仕組み・構造をわかりやすく解説
電池の基本構造
そもそも電池の基本的な構成は、プラス(正極)とマイナス(負極)の電極、その間の電解質という3つです。そして放電時には電極のプラス(正極)からマイナス(負極)へ、充電時には逆に電流が流れます。このとき、化学反応によって生まれた電子のイオンが、放電時にはマイナス(負極)からプラス(正極)、そして充電時には逆に移動することで、電流の流れが生まれます。
従来の電池と全固体電池の違い
現在のリチウムイオン電池は、プラス(正極)にリチウム化合物、マイナス(負極)にカーボン系材料が主に使われています。充放電のときは、その2つの電極の間をイオンが行き来します。ここでイオンの往来する道となるのが電解質。現在のリチウムイオン電池は、可燃性のある有機溶媒と呼ばれる液体が使われます。
〈図〉リチウムイオン電池の構造

この電解質を液体から固体に変えたものが全固体電池です。電解質を液体から固体に変えることで、より速いイオンの移動=素早い充電、容量の拡大、安全性のアップが実現できるのです。
〈図〉全固体電池の構造

全固体電池の種類
全固体電池は電解質の材料により、硫化物系と酸化物系などに分類することができます。硫化物系は、性能面で優れますが水に弱いという弱点があり、逆に酸化物系は安定性が高いという長所がありますが、高温での焼成が必要でつくるのに手間がかかります。
「全固体電池は実用化できない」と言われる理由
全固体電池は、実のところ目新しい技術ではなく、何十年にもわたって研究されてきました。それでも、実用化されていないのは、やはり大きな課題が存在していたから。最大の課題は、「耐久性にとぼしい」ということです。何度も充放電を繰り返すと、性能が落ちてしまうのです。その課題を克服することができないため、EV用としてはまだ実用化されていません。
全固体電池の開発状況/自動車メーカーの取り組み
次世代のEV用の電池として大注目の全固体電池。では、日本の自動車メーカーは、そんな全固体電池に対して、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
Ⅰ.トヨタ:2027~2028年の市場導入を目指し着実に進む

トヨタは2021年12月の「バッテリーEV戦略に関する説明会」にて、「2030年までに30種類のバッテリーEVを展開」「フルラインナップでバッテリーEVを揃える」「2030年にバッテリーEVの販売を年間350万台」を目標にすると当時は宣言していました3)。そのため、次世代の電池の本命といわれる全固体電池にも力を入れています。
まず、全固体電池については2006年から要素技術研究・開発に手を付け、2008年に電池研究部を設立して研究を加速させました。ちなみに、トヨタでは2021年9月の「電池・カーボンニュートラルに関する説明会」において、全固体電池は、高出力化にも期待できるため、EVだけでなく、ハイブリッド車(HEV)にも適用したいと発表していました4)。
そうした自社による基礎的な研究の末、トヨタは2023年6月に「トヨタ、クルマの未来を変える新技術を公開」というリリースにおいて、全固体電池に関して「課題であった電池の耐久性を克服する技術的ブレイクスルーを発見」と発表5)。これにより「HEV導入を見直し、期待の高まるBEV用電池として開発を加速」、「2027~2028年の実用化にチャレンジ」を実施すると説明しています。
興味深いのは、その性能です。トヨタが並行して開発中の次世代の改良型リチウムイオン電池よりも、研究中の全固体電池は、さらに航続距離で20%向上、急速充電においてもSOC10~80%で10分以下を目指すといいます。また、航続距離50%向上を目指す、さらなる高性能仕様も同時に研究されていると説明しました。漠然とした基礎研究ではなく、しっかりとした目標設定のある開発であることが感じられます。
そんなトヨタは、2023年10月に「出光とトヨタ、バッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始」を発表6)。トヨタと出光興産は、次世代電池の全固体電池の量産技術開発、生産性向上、さらにはサプライチェーン構築を取り組むという内容で、リアルにどうやってつくっていくのかという話です。ちなみに、トヨタと出光が協力して作る次世代の全固体電池は硫化物系であり、その原料となるのは石油です。出光興産が石油製品を製造する過程で発生する硫黄成分から、硫化物系固体電解質がつくられているのです。
具体的には、トヨタと出光は、量産実証装置をつくり、実際に電池を生産。全固体電池を搭載する次世代の電動車の開発を進め、2027~2028年の全固体電池搭載車の市場導入を確実なものとすると説明しています。なお、出光は2025年2月に、固体電解質の材料である硫化リチウムの大型製造装置を千葉事業所(千葉県市原市)内に建設し、2027年6月の完工を目指すと発表しました7)。
また、トヨタは2025年10月にも「住友金属鉱山とトヨタ、全固体電池用の正極材量産に向けて協業」すると公表しています8)。これは、トヨタと住友金属鉱山によって2021年から進めてきた共同研究で、「耐久性に優れた正極材」を生み出すことに成功したことが背景にあります。今回の協業の発表は、その正極材の量産化へ向けたステップといえるでしょう。
しっかりと段階を踏みながら登っていく。その確実さこそ、トヨタらしいところではないでしょうか。
参考資料
3)トヨタ「バッテリーEV戦略に関する説明会」
4)トヨタ「電池・カーボンニュートラルに関する説明会」
5)トヨタ「電動化技術 - バッテリーEV革新技術」
6)トヨタ「出光とトヨタ、バッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始」
7)出光「全固体電池材料(固体電解質)の量産に向け、
中間原料である「硫化リチウム」の大型製造装置の建設を決定」
8)トヨタ「住友金属鉱山とトヨタ、全固体電池用の正極材量産に向けて協業」
Ⅱ.日産:2028年度に低コストで市場投入を目指す

日産は世界でも、最も早い時期にEVの量産を開始したメーカーです。2010年に「リーフ」を発売し、2023年7月に世界で100万台の電気自動車(EV)の販売を達成しています9)。当然、全固体電池の開発も進んでおり、2021年11月の「日産自動車、長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』を発表」において、「全固体電池を2028年度に市場投入」すると明言しました10)。
驚いたのは、その発表において「エネルギー密度が2倍」「充電時間が3分の1」という性能だけでなく、価格についても触れたことです。その内容は、「ASSB(編集注:全固体電池)のコストは、2028年度に1kWhあたり75ドル、その後、EVとガソリン車のコストを同等レベルにするため、65ドルまで低減していくことを目指します」というもの。これは驚くべき安さです。
価格低下が進んだEV用のバッテリーパックの価格ですら、2024年時点で1kWhあたり97ドルと初めて100ドルを下回ったばかりです11)。4年前の発表時より情勢は大きく変わっていますが、もし1kWh=75ドルが現実のものとなれば、EVはさらに身近な存在になることでしょう。
さらに日産は2022年4月に追浜工場(神奈川県横須賀市)内の試作生産設備を12)、2024年4月に横浜工場(神奈川県横浜市)内のパイロット生産ラインを公開し13)、研究室ではなく、試作・パイロット生産にまでステップが進んでいることを示しました。
また、2025年8月には、量産化に先立つプロセス技術開発にアメリカのLiCAP社とのパートナーシップ締結したことを発表しています。量産化にあたっての効率アップを目指した協業です14)。
2025年現在、日産は経営危機が叫ばれており、会社としては厳しい状況であることは否めませんが、国産メーカーの中でも、全固体電池に対する取り組みは、最も進んでいるように感じられます。
参考資料
9)日産「日産自動車、電気自動車のグローバル累計販売台数100万台を達成」
10)日産「日産自動車、長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』を発表」
11) BloombergNEF「Lithium-ion Battery Pack Prices Rise for First Time to an Average of $151/kWh」
12)日産「日産自動車、全固体電池の試作生産設備を公開」
13)日産「日産自動車、建設中の全固体電池パイロット生産ラインを公開」
14)日産「日産自動車、全固体電池の正極電極のプロセス技術開発においてLiCAP社とのパートナーシップを締結」
Ⅲ.ホンダ:生産ライン構築もあわせ約430億円を投資

ホンダは現社長となる三部敏宏氏が2021年4月の就任会見において「EV・FCEV販売を2040年に100%」を宣言しました15)。エンジンへの決別を、日本メーカーとして初めて明言したのです。同時に全固体電池を独自に進めているとし、「実証ラインでの生産技術の検証に着手し、2020年代後半のモデルに採用できるように研究を加速する」とも説明しました。全固体電池の市場投入時期は、トヨタや日産とも、あまり変わりがなさそうです。
そして2022年4月の「四輪電動ビジネスの取り組みについて」の発表では、「全固体電池の実証ラインに着手、約430億円を投資し2024年春に立ち上げ予定」と説明16)。2024年11月には、本田技術研究所(栃木県さくら市)内に建設した全固体電池のパイロットラインを公開し、量産化へ向けて、着実に進んでいることをアピールしています17)。
情勢の変化に応じ電動化戦略を軌道修正しながらも、来るべきEV普及期の到来に向け、長期的な視野で着実に取り組んでいるホンダにとって、2020年代後半の全固体電池の市場投入は重要な目標になるのではないでしょうか。
参考資料
15)ホンダ「社長就任会見 代表取締役社長 三部 敏宏スピーチ概要」
16)ホンダ「四輪電動ビジネスの取り組みについて(2022)」
17)ホンダ「栃木県さくら市にある全固体電池のパイロットラインを初公開」
Ⅳ.欧州の自動車メーカーも全固体電池に注目!
全固体電池に注目しているのは日本の自動車メーカーだけではありません。欧州の自動車メーカーも当然、そのポテンシャルの高さを認め、次世代バッテリーとして導入に取り組んでいます。
メルセデス・ベンツは、AMGハイパフォーマンスパワートレインとFactorial Energy社で共同開発した全固体電池を搭載した「EQS」のテスト車両で、1205㎞の無充電走行に成功したと2025年9月に発表しています18)。BMWは、Solid Power社の全固体電池を「i7」に搭載し、テストしていると2025年5月に発表19)。フォルクスワーゲンも2025年9月に開催された「IAAモビリティ2025」において、QuantumScape社の全固体電池を搭載した電動バイクのテスト車両(ドゥカティ V21L)を発表しています20)。
自前で開発・生産する日系の自動車メーカーとは違い、電池メーカーと協力するというのが欧州メーカーの特徴です。
参考資料
18)メルセデス・ベンツ「Langstrecken-Test erfolgreich bestanden: EQS mit Festkörperbatterie meistert 1.205 km mit einer einzigen Batterieladung」
19)BMW GROUP「BMW Group and Solid Power are testing all-solid-state battery cells in a BMW i7.」
20)フォルクスワーゲングループジャパン「フォルクスワーゲン、PowerCo、Elliが先駆的なバッテリーおよびエネルギー テクノロジーを発表」
全固体電池だけじゃない! 注目すべきEVバッテリー技術

ここまで全固体電池について語ってきましたが、実用の観点でいうと、他のバッテリー技術により注目すべき、という声もあります。そこで、全固体電池以外のバッテリーについても解説します。
注目すべき筆頭は現在主流の液系リチウムイオン電池の改良です。全固体電池が登場しても、それがいくらになるのかは不明です。そもそも、本当に量産化できるのかは、まだ確実ではないのです。ですから、喫緊の課題としては、今ある液系のリチウムイオン電池が、より高性能になり、より安価になることが挙げられます。
Ⅰ.トヨタ:3種類のリチウムイオン電池の開発も推進
トヨタは、全固体電池とは別に、3種類のリチウムイオン電池の開発を2023年時点で発表しています21)。ひとつが「パフォーマンス版」、そして「普及版」、最後に「ハイパフォーマンス版」です。
「パフォーマンス版」は電池の高エネルギー化を実現しつつ、コストを20%減らし、急速充電は20分以下を目標にしています。空力や軽量化などの車の改良とあわせることで、航続距離を従来型の2倍となる1000㎞を達成し、2026年導入のEVに採用を予定していました。
「普及版」は、HEVのニッケル水素電池でも採用したバイポーラ構造を使い、コンパクト化と高出力化を実現。材料に安価なリン酸鉄リチウム(LFP)を使ってコストダウンも実現。航続距離で従来比20%アップ、コスト減40%を達成するといいます。こちらの市場導入は2026~2027年がターゲットです。
「ハイパフォーマンス版」は、バイポーラ構造とハイニッケル正極を採用。「パフォーマンス版」よりもさらに航続距離10%アップ、コスト減10%、急速充電20分以下を達成。市場導入は2027~2028年を目標としています。
つまり、トヨタは複数の電池を用意することで、安価なEVから高性能なEVまでを揃えることを宣言してきたのです。
こうした狙いは、2023年の発表から年を経て、実際に実現に向けて動きつつあり、トヨタとパナソニックの合弁会社であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズ社は、2025年10月よりエネルギー密度を高めた「角形リチウムイオン電池の新機種」の量産を開始。新型「bZ4X」、レクサスの新型「RZ」、スバルの新型「ソルテラ」に搭載されます22)。
Ⅱ.日産:リチウムイオン電池のコストダウンに言及
また、日産も2021年発表の『Nissan Ambition 2030』で、従来のリチウムイオン電池のコストダウンに言及しています23)。液系のリチウムイオン電池を、コバルトフリー化して、2028年までに「第二世代リーフ」(2025年9月までの旧型)よりも65%コスト削減するというのです。日産の説明では、大型のEVには全固体電池を採用しますが、小型のEVにはコストダウンした液系のリチウムイオン電池が搭載されることになるそうです。
ちなみに、日産は福岡県北九州市に建設予定であったリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の新工場計画を断念したと、2025年5月に発表しています24)。現在の日産は、経営が厳しく、リストラの最中ということもあり、大きな投資は難しいのでしょう。今後の日産のバッテリー調達の行方には目が離せません。
Ⅲ.ホンダ:半固体電池(リチウム金属二次電池)の共同開発に着手
そしてホンダも同様に液系のリチウムイオン電池を手放しません。2023年1月に「HondaとGSユアサ、高容量・高出力なリチウムイオンバッテリーに関する協業に向けた基本合意を締結」を発表25)。ホンダと、電池メーカーであるGSユアサの2社で、より高容量・高出力のリチウムイオン電池の研究・開発・生産に協力することになりました。
こちらの市場導入は、やはり2020年代後半以降。また、さらなる未来に向けては、アメリカのSES社に投資し、半固体電池(リチウム金属二次電池)の共同開発もスタートしています26)。半固体電池(リチウム金属二次電池)は、高いエネルギー密度が期待できる電池です。実現化すれば、EVの航続距離をさらに延長することができます。ホンダは「独自に開発している全固体電池を含めて、次世代バッテリーとしていくつかの選択肢を並行して検討しており、今回の共同開発契約はその一環です」と説明しています。
Ⅳ.中国でも進化を続けるバッテリー技術
世界に目を向けると、EV用バッテリーシェアの約7割を占める中国におけるバッテリー技術も、さらなる進化を続けています27)。
BYDは2025年3月に、充電速度がガソリン車の給油速度と同等となる「フラッシュ充電」を発表しました。これはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池という基本はそのままに、最大1000V対応のアーキテクチャなど新プラットフォームの採用により、最大1000A、10Cの充電レート(※)を実現。これにより1秒あたり2km走行に相当する超高速充電が可能となり、最大400km分の充電が5分間で済むという画期的な技術です28)。
※Cレートとは、充電および放電の速さを表す指標で、1Cの充電とは、バッテリーの定格容量を1時間で満充電する速さを表す。10Cとはバッテリーの定格容量を6分(1/10時間)で満充電する速さ。
そんなBYDに対抗するかのように、世界最大のEV用バッテリーメーカーであるCATLも、最大12Cの充電レートを実現する、第2世代超高速充電バッテリーを2025年4月に発表しました29)。また、CATLは、同時にナトリウムイオン電池の量産化も発表しています。ナトリウムイオン電池は、希少金属であるコバルトやリチウムの代わりに、埋蔵量も豊富なナトリウムを利用します。CATLは、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池と同等のエネルギー密度のナトリウムイオン電池を実現したとしており、今後に期待が膨らみます。
参考資料
27)日本経済新聞「EV電池とは 中国勢がシェア7割、日米欧は市場減速で投資延期相次ぐ」
28)BYD「BYD、「スーパーeプラットフォーム」技術を発表。EVの充電速度をガソリン車の給油速度と同等にする「油電同速」の実現を目指す」
29)CATL「Naxtra Battery Breakthrough & Dual-Power Architecture: CATL Pioneers the Multi-Power Era」
全固体電池はいつ実用化する? 将来見込みとは

全固体電池については、トヨタ、日産、ホンダという3社が、足並みをそろえて2028年頃の市場導入を目標に掲げています。現実的には1~2年ほどの誤差はあるはずですが、それでも2030年までには、各社から全固体電池を搭載したEVが発売されていることでしょう。
しかし、全固体電池が登場したからといって、すべてのEVが全固体電池に切り替わるわけではありません。従来からの液体の電解質を持ったリチウムイオン電池の改良版が、新たに各社から投入されることも確実です。さらには、ホンダが挑戦する、半固体電池(リチウム金属二次電池)のようなニューフェイスや、BYDやCATLが発表している超高速充電バッテリーが市場で存在感を発揮するかもしれません。
全固体電池は「ゲームチェンジャー」といわれるほど高いポテンシャルを備えていますが、それひとつですべてを解決できるものではありません。ニーズに合わせて、さまざまな車が存在するように、ニーズにあわせて複数の電池が使われる。それがEVの未来になるのではないでしょうか。
※本記事の内容は公開日時点での情報となります
