
自宅に太陽光発電を設置しようと考えたとき、「どれくらいの発電量が見込めるのか」は気になるポイントでしょう。自宅の使用電力量を上回るほど発電してくれるものなのでしょうか。この記事では、太陽光発電の1日の発電量の目安や、季節・地域別の発電量の違い、そして家庭の使用電力量をすべてまかなえるのかどうかを解説します。
- 太陽光発電の発電量は?システム容量別で比較
- 時間・地域・季節によって発電量はどのくらい違う?
- 発電量が少なくなる原因と対策は?
- 太陽光発電だけで自宅の使用電力量はまかなえる?
- ソーラーパネルメーカーなどのシミュレーションツールを活用しよう
- まずは発電量の目安を把握して、設置検討を進めていこう
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※この記事は2025年5月23日に公開した内容をアップデートしています。
太陽光発電の発電量は?システム容量別で比較

カーボンニュートラルの実現に向けて、今後ますます増えることが予想される太陽光発電。実際に、東京都では2025年4月より戸建住宅を含む新築建物等への太陽光発電設置が義務付けられました1)。
その有用性を正しく把握するためにも、どのくらいの発電量が見込めるのかを確認していきましょう。
システム容量1kWあたりの「1日の発電量」は?
住宅に設置する太陽光発電の場合、システム容量1kWに対して1日の発電量の目安は約2.7kWhといわれています。これは、太陽光発電協会(JPEA)2)により、システム容量1kWに対する1年間の発電量は1000kWhがひとつの目安とされているためです(1000kWh÷365日=約2.74kWh)。
なお、システム容量とはソーラーパネルやパワーコンディショナーなどで構成される太陽光発電システムが最大どれだけ発電できるかを表すもので、数字が大きいほど大きな電力を発電できます。基本的にソーラーパネルの性能(公称最大出力)と設置枚数(設置面積)に比例します。
システム容量別の発電量の目安は?
住宅の太陽光発電のシステム容量は一般的に3〜5kW程度と言われていますから、1日の発電量の目安は約8.2〜13.7kWh(約2.7kWh×3〜5kW)だと考えることができます。
また、FIT(固定価格買取制度)の観点からも、住宅用の太陽光発電のシステム容量は一般的に10kW未満です。以下に1〜9kWの発電量の目安をまとめたので、導入を検討する際の参考にしてみましょう。
〈表〉システム容量別の発電量の目安
| システム容量 | 1日の発電量 | 1年の発電量 |
| 1kW | 2.7kWh | 1000kWh |
| 2kW | 5.5kWh | 2000kWh |
| 3kW | 8.2kWh | 3000kWh |
| 4kW | 11.0kWh | 4000kWh |
| 5kW | 13.7kWh | 5000kWh |
| 6kW | 16.4kWh | 6000kWh |
| 7kW | 19.2kWh | 7000kWh |
| 8kW | 21.9kWh | 8000kWh |
| 9kW | 24.7kWh | 9000kWh |
ただし、この発電量はあくまでも目安です。たとえば、発電量に大きな影響を与える日射量は、地域によって異なりますし、ソーラーパネルが南向きか東向きかでも変わります。さまざまな条件によって発電量は増減するのです。
実際、JPEAも1000kWhという年間発電量の目安を算出した条件について、「太陽電池を水平に対して30度傾け、真南に向けて設置した場合の計算例。地域や太陽電池の方位、傾斜角度により発電量が変わります」という注釈を添えています。
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▶︎【図解】FIT(固定価格買取制度)とは? 太陽光発電の売電の仕組みを解説
時間・地域・季節によって発電量はどのくらい違う?
それでは、太陽光発電の発電量は、時間帯や季節、地域でどれくらい差が出るのでしょうか? これらの違いを見ていきましょう。
朝・昼・夕での発電量の違い(日内変動)
太陽光発電は光エネルギーを利用して電気をつくる設備です。そのため、発電量は日射量にほぼ比例するように変動します。
基本的に、日射量が少ない朝夕は少なく、日射量が多い昼間に多くなり、当たり前ですが日のない夜は発電しません。
以下の図は、5月のとある日の東京都の日射量を示したグラフ3)ですが、太陽光発電による発電量はほぼ同じような増減の推移を辿ります。この日の場合、朝5時から上がっていき、正午をピークとして、山なりのカーブを描くことになります。
〈図〉東京都の5月の水平面日射量

晴れ・曇り・雨の日による発電量の違い
晴れた日であれば、日の出とともに徐々に発電量が伸び、正午ごろにピークを迎えますが、曇りや雨だとそうはいきません。以下の図は、太陽光発電の発電量が天候によってどのくらいの差が生まれるかを示したグラフです。
〈図〉太陽光発電の天候別発電量の推移4)

これを見ると、太陽光発電の発電量は天候によって大きく左右されることがはっきりと表れています。
晴天時の発電量(オレンジ)は正午をピークに弓なりのカーブを描きますが、曇天時の発電量は少なくなるだけでなく、不規則に変動します。また、雨天時の発電量は晴天時の数分の一になってしまうことがわかります。ただ、雨天時でも、日中であれば発電量はゼロになるわけではないこともわかるでしょう。
太陽光発電の発電量が天候に左右される理由は、太陽光発電そのものの発電の仕組みと深く関わっています。太陽光発電がどのようにして電気を生み出しているのか、より詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
季節による発電量の違い
ここでは季節による発電量を比較してみましょう。
例として、一般公開されている神奈川県小田原市の市役所庁舎にある太陽光発電の発電量データ5)を参照してみます。
〈図〉小田原市役所に設置された太陽光発電(容量60kW)の発電量と日射量

これを見ると発電量が最も多い令和7年7月は7804kWhなのに対して、最も少ない同年12月の発電量は3104kWhで2倍以上違うことがわかります。
発電量は日射量に比例しますが、日射量は日射強度(kW/㎡またはMJ/㎡)と日照時間(h)の掛け算となります。日射強度や日照時間は太陽の角度(高度)に影響を受けるため、一般的に日射量・発電量は夏季に多くなり、冬季では少なくなる傾向にあります。
参考として、2025年の東京の日照時間のデータを参照してみると、最も日照時間が長いのは7月で1日平均8.1時間、最も短いのは10月で2.4時間となり、その差は3.4倍ほどあります。
〈表〉東京の日照時間(2025年の場合)6)
| 月 | 日照時間(月) | 日照時間(日平均) |
| 1月 | 206.1時間 | 6.6時間 |
| 2月 | 217.0時間 | 7.8時間 |
| 3月 | 168.0時間 | 5.4時間 |
| 4月 | 178.4時間 | 5.9時間 |
| 5月 | 145.5時間 | 4.7時間 |
| 6月 | 179.4時間 | 6.0時間 |
| 7月 | 250.5時間 | 8.1時間 |
| 8月 | 224.3時間 | 7.2時間 |
| 9月 | 158.3時間 | 5.3時間 |
| 10月 | 74.1時間 | 2.4時間 |
| 11月 | 160.1時間 | 5.3時間 |
| 12月 | 171.9時間 | 5.5時間 |
| 年間平均 | 177.8時間 | 5.8時間 |
※日照時間(日平均)の項目は、EV DAYS編集部が日割りで算出。小数点第2位を四捨五入。
ちなみに、詳細は後述しますが、ソーラーパネルの特性として、表面が一定以上の高温になると発電効率が下がることがあります。そのため、真夏よりも春~初夏の方が多く発電するケースもあります。
地域による発電量の違い
続いて、地域別の発電量についても見ていきましょう。
地域によって日照時間が異なりますので、それによって発電量も増減します。
以下の表は、環境省が公表しているもので、太陽光発電のシステム容量1kWあたりの年間予想発電量(戸建住宅等)を、各都道府県の県庁所在地ごとに整理したものです。発電量の多い順に並べていますので、ご自身の住んでいる地域の近くを調べてみましょう。
〈表〉各都道府県の県庁所在地における地域別発電量係数(システム容量 1kW あたりの年間予想発電量)7)
| 県庁所在地 |
システム容量1kWあたりの |
| 甲府市 | 1522 |
|
前橋市 |
1441 |
|
静岡市 |
1431 |
|
長野市 |
1428 |
|
高知市 |
1407 |
|
徳島市 |
1401 |
|
水戸市 |
1392 |
|
津市 |
1392 |
|
神戸市 |
1388 |
|
和歌山市 |
1386 |
|
名古屋市 |
1382 |
|
岐阜市 |
1368 |
|
横浜市 |
1366 |
|
宇都宮市 |
1364 |
|
さいたま市 |
1361 |
|
千葉市 |
1352 |
|
高松市 |
1348 |
|
岡山市 |
1346 |
|
新宿区 |
1345 |
|
宮崎市 |
1345 |
|
大阪市 |
1337 |
|
広島市 |
1332 |
|
松山市 |
1330 |
|
熊本市 |
1309 |
|
奈良市 |
1304 |
|
仙台市 |
1288 |
|
山口市 |
1279 |
|
長崎市 |
1276 |
|
大津市 |
1271 |
|
福島市 |
1267 |
|
大分市 |
1263 |
|
佐賀市 |
1262 |
|
鹿児島市 |
1256 |
|
京都市 |
1255 |
|
盛岡市 |
1234 |
|
札幌市 |
1225 |
|
福岡市 |
1224 |
|
山形市 |
1219 |
|
那覇市 |
1217 |
|
福井市 |
1190 |
|
金沢市 |
1189 |
|
鳥取市 |
1183 |
|
松江市 |
1177 |
|
富山市 |
1163 |
|
青森市 |
1162 |
|
新潟市 |
1140 |
|
秋田市 |
1108 |
| 平均 |
1303 |
たとえば、全国でもっとも多い甲府市(山梨県)の年間予想発電量はシステム容量1kWあたり1522kWh。一方、もっとも少ない秋田市(秋田県)の予想発電量はシステム容量1kWあたり1108kWhです。
前述で、JPEAによるシステム容量1kWに対する1年間の発電量の目安は1000kWhとご紹介しましたが、地域によってもこれだけの違いがあるのです。
さらに細かく見ていくと、同じ地域内でも地形や方角、周囲の環境によって日射量が左右されます。上記の情報を目安として、自分の地域ではどの程度になるのかを考えていくといいでしょう。
発電量が少なくなる原因と対策は?

ここまで、時間帯や季節、地域ごとに発電量がさまざまであることをお伝えしましたが、ほかにも発電量を左右する要因はいくつかあります。太陽光発電の発電量を減少させる要因としては、以下のようなことが挙げられます。
・高温
・太陽光パネルの汚れ
・経年劣化
なかでも多くの人が誤解しがちなのが、「太陽光発電は夏に発電量が最も多くなる」という点です。夏は日照時間が長いためトータルの発電量という観点ではそのとおりなのですが、じつは効率という観点では必ずしもそうではないのです。一般的なシリコン系のソーラーパネルは、一定以上の高温の状態では出力が低下してしまうという特性があります。
日本産業規格(JIS)という国家規格によると、ソーラーパネルの温度が25℃の場合の出力を公称最大出力と定められており、25℃より高温になればなるほど、出力が少しずつ下がっていくとされています。
真夏などで太陽が照りつけるようなときには、ソーラーパネルの温度が70℃を超えてしまうケースもあり、こうした場合、ソーラーパネルの出力が低下してしまいます。暑い地域にお住いの場合は、熱に強い種類のソーラーパネルを選ぶというのも選択肢のひとつです。
そのほかにも、ソーラーパネルの表面汚れや経年劣化により発電量が少なくなるといった要因も。そのままにしておくと発電効率が悪くなるため、常に発電量を確認したり1年に1回はメンテナンスをしたりすることが大切です。
太陽光発電の発電量の増やし方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
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▶太陽光発電の「変換効率」とは?計算方法や発電量を増やす方法を紹介
太陽光発電だけで自宅の使用電力量はまかなえる?
ここまで太陽光発電の発電量がどのくらいなのかを解説してきましたが、はたして自宅の使用電力量をすべてまかなうことができるのでしょうか? また、何kWのシステム容量の太陽光発電を導入すると、十分なのでしょうか?
結論としては、何kWの太陽光発電を導入したとしても、太陽光発電だけでは家庭で使用する電力量のすべてをまかなうことはできないでしょう。ここでは、その理由をご紹介します。
1日の使用電力量の目安は約8.7kWh
東京電力グループでは、一般家庭の平均モデルとして1カ月あたりの平均的な使用電力量を260kWh8)と定めています。つまり、1日あたりの使用電力量の目安は約8.7kWhとなります(260kWh÷30日)。
「システム容量4kW以上」でまかなえる計算だが…
さまざまな条件により発電量が変動することはお伝えしましたが、システム容量1kWに対する1日あたりの発電量が約2.7kWhだと仮定してみましょう。
すると、システム容量3kWの太陽光発電で8.2kWh/日を目安に発電してくれます。つまり、計算上だと、システム容量4kW以上を設置すれば、一般的な家庭の使用電力量はまかなえることになります。
実際は、太陽光発電だけではすべてをまかなえない
このように考えると、一見問題なく自宅の使用電力量はまかなえるように思えますが、そうではありません。なぜなら、前述したとおり、太陽光発電は夜間に発電できませんし、雨や曇りなどで日照状況が悪くなると発電量も減少してしまうためです。
そのため、太陽が出ているときにしか電気を使わない…というような特殊なケースを除いて、すべての使用電力量をまかなうことは難しいのです。
なお、蓄電池やEVを蓄電池として利用するV2Hを導入することで、昼間に発電した電気を貯めておく仕組みをつくった場合、まかなえる使用電力量は格段に上がります。
通常の家庭ですと、夜間には照明や夕食づくり、冷暖房などに電気を使うため、使用電力量はそれなりに大きくなります。家庭によって異なりますが、夜間の使用電力量が多い場合には、とくに蓄電池等の導入を検討してみてもよいでしょう。
ソーラーパネルメーカーなどのシミュレーションツールを活用しよう

ここまでご紹介したように、システム容量や地域によって、発電量は大きく変わります。
前述したように、システム容量×目安の発電量で簡易的に計算してもいいのですが、より詳細にシミュレーションしたい場合には、ソーラーパネルメーカーなどのシミュレーションツールを使うという方法もあります。
設置住所やパネルの設置方位など細かい条件で発電量や収支が算出できますので活用してみましょう。
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▶【2025年】太陽光パネルメーカー10社の特徴は?設置費用の相場も紹介
まずは発電量の目安を把握して、設置検討を進めていこう
この記事では、発電量は日射量によって変動すること、天候や季節、地域などによって大きく異なることをご紹介しました。太陽光発電の導入を検討する際には、こうした変動要素をあらかじめ知っておくことが、スムーズな検討のポイントといえるかもしれません。
なお、シミュレーションサイトなどを活用し、発電量のイメージが掴めたら、導入方法についても検討することをおすすめします。太陽光発電は一括購入もできますが、初期費用を抑えつつ、月額利用料を支払う形でメンテナンス等の保証がついたサービスを選ぶことも可能です。自分のライフスタイルと家計に合った太陽光発電の導入方法を選ぶようにしましょう。
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