
空気の熱を利用して少ない電気で効率よくお湯を沸かせるエコキュートは、光熱費の削減効果が期待できるなど、多くのメリットがあります。しかし、真冬に大寒波が到来するなど気温が極端に低下すると、まれに配管が凍結してお湯が出なくなる可能性があります。もしもに備え、エコキュートが凍結したときの対処法と予防法について解説します。※なお、凍結の可能性はエコキュートだけでなくガス給湯器についても同様となります。
※この記事は2022年2月14日に公開した内容をアップデートしています。
エコキュートが凍結してしまう原因とは?
最初にエコキュートが凍結する原因について解説しましょう。そもそもエコキュートとは、空気に含まれる熱を使って効率よくお湯を沸かす「貯湯式のヒートポンプ給湯機」のことです。
空気に含まれる熱を少ない電気でポンプのように汲み上げる「ヒートポンプ」という仕組みを利用し、効率よくお湯をつくって貯湯タンクに貯めておき、必要に応じて給湯します。
このヒートポンプと貯湯タンクのユニットは室外に設置され、浴槽などの室内の設備とさまざまな配管でつながっています。
〈図〉エコキュートの配管の仕組み

そのため、配管が外気温の影響を受ける場合があります。たとえば強い寒波が到来し、室外機器の周囲温度が0℃以下になると、各配管に断熱材などの保温工事を行っていたとしても、配管内の水が凍結して一時的にお湯が使えなくなる可能性があります。
とくに凍結しやすいのは「ヒートポンプユニットと貯湯タンクをつなぐ配管」「貯湯タンクと蛇口や浴槽をつなぐ配管」「給水配管に取り付けられた給水止水栓」などの部分とされています。
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エコキュートが凍結したときの対処法

エコキュートの配管が凍結してお湯が出なくなってしまったらどう対処すればよいのでしょうか。エコキュートのメーカー各社によれば、凍結時の対処法にはおもに以下の3つがあります。
対処法①凍結が自然に溶けるのを待つ
前述のように、厳しい氷点下の真冬の夜間や明け方などには配管が凍結してしまう場合があります。とくに「キッチンのお湯が出ない」など特定の蛇口だけお湯が出ない場合は、その蛇口につながる配管が凍結している可能性があります。
しかし、配管が凍結してお湯が出なくなったとしても慌てる必要はありません。夜間に外気温が下がっても、夜が明ければ気温は徐々に上昇していきます。それにより配管の凍結は自然に溶けていきますので、やがてお湯を使えるようになるでしょう。
なお、メーカーによっては、お湯側の蛇口を開いたままにして解凍するのを待つように推奨している場合もあります1)。
対処法②凍結した配管にぬるま湯をかける
家事のためにすぐお湯を使いたい、外出するのでシャワーを浴びたいという場合は、応急対応として「凍結した配管をタオルで養生し、30〜40℃のぬるま湯をかける」という方法もなくはありません。
しかし、どの配管が凍結しているかを特定するのは非常にむずかしく、また配管やバルブの破損の原因になる恐れがあることから、メーカーはこの方法を推奨していません2、3)。やむを得ず実施する場合は熱湯を直接かけないなど十分注意して行いましょう。
対処法③販売店や据付工事店に相談する
配管が凍結してしまったとき、リモコンの液晶パネルにエラーコードなどが表示されることがあります。その場合、取扱説明書や製品のホームページでエラーコードの意味を確認して対応することにより、ユーザー側で解決できる可能性もあります。
しかし、それでもお湯が出ず、エラーコードの表示が消えないときには、販売店や据付工事店に相談することをおすすめします。
参考資料
1)パナソニック「よくあるご質問 【エコキュート】冬季に蛇口からお湯が出ない(台所・洗面・おふろ)」
2)コロナ「給湯機器の凍結について」
3)ダイキン「凍結時の応急対応(すぐにお湯を使いたい場合)(エコキュート)」
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エコキュートの凍結を予防する方法は?

できれば「必要なときに凍結でお湯が出ない」という事態は避けたいのが人情でしょう。そうなると、重要になるのが凍結を予防するための対策です。エコキュートの主要メーカーが推奨する予防法を紹介します2、4、5、6、7)。
お風呂に湯や水を貯めたままにする(フルオートタイプ)

エコキュートが現在主流の「フルオートタイプ」の場合は、浴槽にお湯や水をはったままにし、浴槽の水を自動で循環させることによって、お風呂の配管の凍結を予防することができます。
具体的には、外気温が0℃以下になりそうな前日は入浴後に排水をせず、お風呂にお湯を残しておきます。このとき循環口の中心から10cm以上のお湯を残すように注意しましょう。

多くの機種では、外気温が約3℃よりも低くなるとお風呂の配管の「凍結予防運転」を自動で行ってくれます。ただし、残り湯など浴槽にお湯や水がはってあることがこの予防法の条件です。
お湯側の蛇口から少しだけ水を流し続ける

特に寒さが厳しい場合、給水・給湯配管の凍結を予防するのにもっとも簡単な方法は、お湯の蛇口から少しだけ水を出し続けることです。
給水・給湯配管とは、蛇口から貯湯タンクにつながっている配管を指し、前述のように外気温が0℃以下になると、保温工事を行っていても給水・給湯配管が凍結することがまれにあります。具体的には、お湯を使わなくなった夜間などに給湯温度を「水」に設定し、給湯栓を少し開いて水を出し続けます。

水の量は1分間に200ml(コップ1杯分)程度が目安とされますが、給湯栓のタイプ、蛇口の形状などがメーカーによって異なるため、取扱説明書などで確認することをおすすめします。
配管に「凍結防止ヒーター」を取り付ける
エコキュートの各配管はほとんどの場合、断熱材によって保護されています。ただし、繰り返し紹介しているように、周囲温度が0℃以下になると配管が凍結してしまう可能性があります。
こうした凍結を防ぐために、とくに寒冷地などにお住まいの方に対してメーカーが推奨しているのが、「凍結防止ヒーター」というロープ状のヒーターを配管に取り付ける方法です。
〈図〉凍結防止ヒーターの取り付け例

なお、凍結防止ヒーターを取り付けるには据付工事店など専門の業者に依頼する必要があります。興味のある方は、エコキュートを買い求めた販売店に相談するとよいでしょう。
天気予報やメーカーの凍結情報をチェックする

上記の予防法の多くは、夜間や明け方などに外気温が0℃以下になることを見越して行う対策です。凍結する可能性がある日を事前に察知して行動するわけですから、日ごろからスマホアプリなどで天気予報を随時チェックすることを習慣にしましょう。
なお、天気予報における気温は通常「地上1.25~2.0mの大気の温度」を摂氏(℃)単位で表します8)。一般的に気温と地面の温度は一致しませんので、気温が3℃程度でも配管が通っている地面付近は凍結する可能性があります。
さらに、エコキュートのメーカーのなかには凍結が心配されるとき、事前にアプリのPUSH通知などで情報発信をするケースもあります。それらの情報や予報をしっかりとチェックしておけば、強い寒波が到来しても凍結対策に慌てずに済むかもしれません。
参考資料
4)パナソニック「エコキュート:断水・凍結について」
5)ダイキン「よくあるご質問 凍結したときの対応と予防方法(エコキュート)
6)三菱電機「冬季に多いお問い合わせ」
7)日立「凍結防止について教えてください。」
8)気象庁「気温、湿度 気温に関する用語」
凍結対策をしっかり行っておトクで快適な生活を送ろう
エコキュートの心臓部といえるヒートポンプユニットと貯湯タンクは、外気温の影響を受ける室外に設置されます。なかでも、外気温が0℃以下になると心配されるのが、ヒートポンプユニットや貯湯タンクと室内の設備をつなぐ配管の凍結です。
しかし、本記事で紹介したように、配管が凍結してしまったときの対処方法や事前に予防する方法もあります。凍結対策をしっかり行い、エコキュートでおトクで快適な生活を送りましょう。
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