
世界各国で電気自動車(EV)が普及し始めています。日本でもEVの車種数が増え、購入検討している人も少なくないでしょう。そうなると、やっぱり気になるのはEVのコストです。EVの充電料金について、ガソリン車のガソリン代と比較しながら、解説していきます。
※この記事は2025年10月6日に公開した内容をアップデートしています。
- 充電料金は「充電シーン」によって異なる
- 「自宅充電」なら満充電まで600円〜3000円程度
- 「外充電」は利用するサービスで料金が変わる
- 【比較】充電料金とガソリン代、どちらが安い?
- 電気自動車の充電料金を安く抑えるポイント
- 電気自動車の充電料金をシミュレーション
- 料金節約のコツは自分に合った充電スタイルの選択
注:本記事で「EV」とのみ表現する場合、「BEV(Battery Electric Vehicle)」を意味しています。プラグインハイブリッド車(PHEV)やハイブリッド車(HEV)、燃料電池自動車(FCEV)とは区別しています。
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充電料金は「充電シーン」によって異なる
ひと口にEVの充電料金と言っても、充電には大きく分けて「自宅充電」と「外充電」があり、充電料金の目安が異なります。また、「自宅充電」のメインとなる「普通充電」と、「外充電」のメインとなる「急速充電」という2種類にも分けられます。
使用状況でそれぞれ使い分けが必要となるため、十分に意識しながら、充電の料金目安をそれぞれ確認していきましょう。
〈図〉充電の分類

「自宅充電」なら満充電まで600円〜3000円程度
EVを自宅充電する場合のコストは、EVのバッテリー容量によりますが、ゼロから満充電にするまで1回あたり600円~3000円程度です。充電料金は、自宅の月々の電気料金に含まれますので一緒に支払います。
なお、車種別での具体的な金額は、電力量料金単価を1kWhあたり31円(※)と仮定した場合、バッテリー容量が55kWhの日産「リーフ B5」なら1705円で0%から満充電にすることができます。
以下の表では、主要な国産EVの充電料金目安を一覧にしています。
※「全国家庭電気製品 公正取引協議会」1)が公表している全国の電気料金の目安単価を使用しています。電力量料金のみの金額で、基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は加味していません(以下同様)
〈表〉おもな国産EVの充電料金目安
| 車種 | バッテリー容量 | 充電料金目安 ※ |
| トヨタ「bZ4X」 | 57.7kWh/74.7kWh | 1788円/2315円 |
| スバル「ソルテラ」 | 74.7kWh | 2315円 |
| 日産「サクラ」 | 20kWh | 620円 |
| 日産「リーフ B5」 | 55kWh | 1705円 |
| 日産「リーフ B7」 | 78kWh | 2418円 |
| 日産「アリア B6」 | 66kWh | 2046円 |
| 日産「アリア B9」 | 91kWh | 2821円 |
| ホンダ「N-ONE e: 」 | 29.6kWh | 917円 |
| 三菱「eKクロス EV」 | 20kWh | 620円 |
※0%から満充電する場合。1kWhあたり31円として算出。円未満切り捨て。
自宅充電はこのように安価に充電できる反面、「満充電まで数時間~十数時間以上かかる」といった特徴もあります。
自宅充電は出力3~6kWの普通充電器(EV充電用コンセント含む)で行いますから、一般的にバッテリー残量が少ない状態から満充電までは数時間~十数時間以上が必要(3kWの出力で30kWh充電するには約10時間)です。しかし、「自宅充電」は自宅外の公共充電スポットまで行く必要がないのは大きなメリットと言えるでしょう。
戸建住宅に充電器を設置するには?
自宅充電を行うには、駐車場などに充電設備を設置する必要があるため、初期費用がかかります。
200VのEV充電用コンセントを設置する方法なら、初期費用は10万円程度が目安となります(分電盤からコンセントまでの距離など条件によって異なります)。
マンションに充電器を設置するには?
自宅が集合住宅の方も多いと思いますが、最近では駐車場内に充電器を設置しているマンションなどが徐々に増えてきました。また、集合住宅への充電設備の設置から運用まで相談に乗ってくれる業者も多くいます。「EVに乗りたいけど住まいがマンションなので充電設備がない」という方は以下の記事を参考にしてください。
「外充電」は利用するサービスで料金が変わる

「外充電」の充電料金は一律ではなく、加入する充電サービス/充電カードの種類によってさまざまです。なお、現金決済はほとんどなく、事前に登録したクレジットカードによるキャッシュレス決済が主流です。
充電カードによる充電の場合
「外充電」の方法はいくつかありますが、最もメジャーで普及しているのが「充電カード」を利用する方法です。
「充電カード」とは、自動車メーカーや充電インフラネットワークを構築する東京電力グループのe-Mobility Powerなどが発行している、公共充電スポットを利用するための専用カードのことです。認証と決済を兼ね備えており、カードを充電器にかざすと利用できます。
「充電カード」を利用する場合、基本的に数千円程度の月額基本料金を支払った上で、充電する際に充電時間に応じた都度料金が加算されます。普通充電は数円/分、急速充電は数十円/分程度の料金です(一般的に急速充電器の使用は1回あたり30分までとされています)。
ただし、充電カードによっては月額基本料金に一定の充電利用時間が含まれている場合も多いです。一例として日産が発行している充電カード「ZESP3」の料金プラン2)をご紹介します。
〈表〉日産「ZESP3」の基本料金体系
| プラン名 | プレミアム100 | プレミアム200 | プレミアム400 | シンプル |
| プランに含まれる充電分数※1 | 急速充電100分 | 急速充電200分 | 急速充電400分 | 設定なし
(すべて従量課金) |
| 普通充電600分 | 普通充電600分 | 普通充電600分 | ||
| 月額基本料金 | 4400円 | 6600円 | 1万1000円 | 1100円 |
| 充電料金※2
(急速充電器) |
44円/分 | 38.5円/分 | 33円/分 | 99円/分 |
| 充電料金※2
(普通充電器) |
3.3円/分 | |||
※1 急速充電の未使用分は翌月まで繰り越し可。普通充電は繰り越し不可。
※2 プランに含まれる充電分数以上に使用する場合
これはあくまでも日産の「ZESP3」の場合ですが、月額基本料金にかなりの幅があります。外充電の利用頻度を考えてプランを選ぶといいでしょう。
なお、充電カードに加入していない場合でも「ビジター(ゲスト)」として充電スポットを利用することはできますが、利用するたびに個人情報を登録するなど手続きが煩雑なうえ、充電料金は割高になります。
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スマホアプリなどによる充電の場合
近年は、充電カードのほかにも、スマホアプリやQRコード、電子マネーなどによる決済ができる充電サービスも徐々に増えてきています。充電カードと同様に、月額基本料金を支払うタイプもありますが、月額基本料金なしの完全都度払いが可能なサービスもあります。
ただし、加入する充電サービスによって利用できる充電スポット数はかなり幅があります。上記の充電カードの方が利用できる充電器が圧倒的に多いので、この点にも注意して充電サービスを選びましょう。
【比較】充電料金とガソリン代、どちらが安い?

EVの充電料金とガソリン車の燃料代はどちらが安いのでしょうか。結論からお伝えすると、同等の性能のガソリン車と比較した場合、EVの走行コストはかなり安いと言えます。
EVとガソリン車の走行距離1万kmのコスト差は?
イメージしやすいように、1万kmを走行した場合のガソリン車とEVとの走行エネルギーコストを比べてみましょう。カタログスペックではなく実際の燃費(電費)に近しいと思われる以下の条件で試算します。
〈図〉(比較条件)ガソリン車とEVの燃費(電費)性能

なお、比較するガソリン代と電気代(自宅充電の場合)の価格は、資源エネルギー庁が公表している「給油所小売価格調査」のレギュラーガソリン単価(2026年3月2日時点)と、「全国家庭電気製品 公正取引協議会」が公表している目安単価を参考に、「自宅充電」のみを行うことを条件とします1、3)。
これらの条件で1万km走行したときの、それぞれの走行コストは次のとおりです。
〈図〉1万kmを走行した場合のコストの比較

ご覧のように、結果はガソリン車の走行コストが10万3230円、EVの走行コストが5万1646円となりました。両者の走行エネルギーコストを比較すると、じつに2倍の差となったわけです。
10年間走ったときのコスト差は?
仮に同じ条件のEVとガソリン車をそれぞれ10年間乗り続けた場合、両者の走行コストの差額は約52万円になります。これを見ても、いかにEVの走行コストが安いかがわかります。
〈図〉年間1万km×10年間走ったときのコスト比較

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電気自動車の充電料金を安く抑えるポイント
ここまで見てきて、ガソリン車と比較すると、「自宅充電」を行った場合のEVの走行コストがいかに安いかよくわかっていただけたのではないでしょうか。
もっとも、上述で紹介したのは「自宅充電」における一例にすぎませんし、「外充電」を利用するための充電カードを契約すれば、それなりに費用がかかるのは否めません。
そこで、充電にかかるコストを上手に抑えるコツを3つ紹介しましょう。
ポイント① 「自宅充電」料金を安く抑える

「自宅充電」を上手に利用することは、走行コストを安く抑えるポイントのひとつですが、さらに安く抑えるためには「電気料金プランを吟味する」というポイントが挙げられます。
電気料金は、料金プランによって、使用量や時間帯などで料金単価が変わる場合があります。上記の試算では1kWhあたり31円として計算しましたが、自宅の電気料金プランを吟味し、プランに合わせた充電習慣をつけることを意識すれば、もっと充電コストを安くできる可能性があります。
たとえば、東京電力エナジーパートナーのオール電化住宅向け料金プランである「スマートライフ」プランにご加入の場合、深夜帯(深夜1時~早朝6時)の使用電力量料金単価が1kWhあたり27.86円と昼間に比べると割安になっています。
料金プランの吟味はもちろんのこと、その料金プランに合わせてEVのタイマー充電機能を活用するなど賢く充電を行うことが、大きく充電料金を下げるコツとなります。
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ポイント② 自分に合った充電プラン・サービスを選ぶ

「外充電」のコストは「自宅充電」よりも割高な傾向になります。というのも、短時間での急速充電がメインですが、急速充電器は機器そのものが高価で、設置するための費用や維持コストもそれなりにかかるためです。
充電コストを安く抑えるには、充電カードのプランを見極め、自分に合ったものを選ぶ必要があります。たとえば、日産のZESP3のプランでは、プレミアムプランとシンプルプランで、月額基本料金が大きく異なります(プレミアム100は4400円、シンプルは1100円)。
プレミアムプランには基本料金に充電の無料分が含まれており、シンプルプランには含まれていません。急速充電の利用機会が少ない人であれば、シンプルプランに加入しておき、どうしても外出先で充電する必要があるというときだけ利用する、という使い方でもいいでしょう。
また、さらに利用頻度が低い方は、月額料金のかからない充電サービスの利用や、「ビジター(ゲスト)」を活用するのもひとつの手でしょう。
ポイント③ EV特有の「エコドライブ」を意識する

充電料金を安く抑えるために、もうひとつ忘れてはいけないのが「車の走らせ方」、いわゆるエコドライブです。EVはガソリン車同様走らせ方によって燃費(電費)が変わります。急加速はなるべく控えてください。また、エアコン(特に暖房)の影響が大きいことも覚えておくとよいでしょう。
エコドライブのコツはガソリン車とそれほど違いません。もっとも重要なのは、極端なアクセルワークを避けること。速度変化が少なく穏やかな運転を心掛けるのが、燃費(電費)にやさしい走り方です。
思った以上に電気を使ってしまうのがエアコンです。外気との温度差が大きい冬の暖房はより消費電力が大きくなり、エアコンのオン・オフでメーターパネルに表示される航続可能距離が大きく変わってしまうことがあるほどです。ガソリン車はエンジンの熱を暖房に利用できますが、EVはそれができないことも影響しています。設定温度を抑えたり、多くの車種に装備されているシートヒーター(エアコンに比べて消費電力が小さい)を活用したりするなど、EVならではの工夫をすることも大切です。
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電気自動車の充電料金をシミュレーション
はたして、自分がEVを購入したら、どのくらいの電気代がかかるのか。わかりやすく理解するために、EVの充電にかかる月々の充電料金をケース別にシミュレーションしてみましょう。
想定するEVの電費性能・電気代の単価は、前述の試算と同様、下記のとおりです。急速充電器の利用料金は、日産の「ZESP3」のプレミアム200のプランに加入した場合を例とします。
〈図〉EVの電費性能・電気代単価

(CASE 1)通勤&レジャー利用型:Aさん

| EVの利用頻度 | 週6日 |
| 利用方法1 | 通勤(片道10km、週5日) |
| 利用方法2 | 買い物・レジャー(100km、週1日) |
| 1週間の走行距離 | 200km |
| 充電方法 | 自宅充電(普通充電) |
AさんはEVを週6日使い、おもに片道10kmの通勤、休日の買い物やレジャー(100km)に利用しています。1週間の走行距離は200km(月800km)、充電方法は自宅での普通充電のみです。
〈表〉充電料金シミュレーション
| 1週間の使用電力量 | 33.3kWh
(200km÷6.0km/kWh) |
| 1週間の充電料金 | 1032円
(33.3kWh×31円/kWh) |
| 1カ月の充電料金 | 4128円
(1032円×4週) |
ガソリン車で同様のパターンで算出するとガソリン代は8244円です(前出と同様に計算)。その差額は月4116円で、年間では4万9392円の差になります。
(CASE 2)休日のロングドライブ型:Bさん

| EVの利用頻度 | 週1日 |
| 利用方法 | ロングドライブ(片道200km) |
| 1週間の走行距離 | 400km |
| 充電方法 | 自宅充電(普通充電)+外充電(急速充電) |
| 充電カードプラン | 日産「ZESP3」プレミアム200 2) |
Bさんは休日のドライブにEVを利用し、1週間の走行距離は400km(月1600km)、充電方法は自宅での充電と出先での急速充電(2回)です。なお、急速充電を週2回計60分行い、自宅で週20kWh充電する設定で計算しました。
〈表〉充電料金シミュレーション
| 1週間の使用電力量 | 66.6kWh
(400km÷6.0km/kWh) |
| 1週間の充電料金 | 620円
(自宅充電:20kWh×31円/kWh=620円、 外充電:30分×2回=60分〈外充電の料金は以下に記載〉) |
| 1カ月の充電料金 | 1万620円
(自宅充電:620円×4週=2480円、 外充電:月額基本料金6600円〈急速充電200分含む〉+急速充電1540円〈追加分40分×38.5円/分〉) |
自宅充電での電気料金は月2480円、充電カードの月額基本料金は6600円、プランの無料分を超えた40分の急速充電料金が1540円ですから、総計では1万620円となります。
ガソリン車で同様のパターンで算出するとガソリン代は月1万6552円です(前出と同様に計算)。差額は月で5932円、年間で7万1184円となります。
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料金節約のコツは自分に合った充電スタイルの選択
全国を通じてほぼ一定範囲内の価格で販売されるガソリン代と異なり、電気代は料金プランにより使用量・時間帯によって大きく価格が変わります。また、外充電であっても、普通充電と急速充電でかかる金額は違います。
最も大切なのは、自宅充電を上手に活用するのを前提としながら、スマホのプランを選択するようにいろいろなサービスを比較し、自分に合った電気料金プランを選ぶことです。また、急速充電をどのように使うかを工夫することも必要でしょう。そういった意味では、EVはガソリン車とは異なる「賢く使うためのノウハウ」が必要といえます。
しかし、賢く使えばEVはガソリン車より走行コストを抑えられることは間違いありません。ぜひ、自身に合った上手なEVの運用方法を探してみてください。
※充電料金は電力量料金のみの金額です。基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は加味していません。
※本記事の内容は公開日時点での情報となります。
