
電気自動車(EV)は自宅充電が基本ですが、バッテリー残量が不安なときに外出先で充電することもよくあります。その際に利用するのが「充電スタンド(充電スポット)」。充電スタンドはどんな場所にあり、どう使えばいいのでしょうか。充電スタンドの使い方・探し方・種類・利用料金などをまとめて解説します。
※この記事は2021年6月23日に公開した内容をアップデートしています。
- 外出時に利用する充電スタンドって何?
- 【充電方式別】充電スタンドの設置場所
- 充電スタンドはどうやって探せばいいの?
- 手順、支払い…充電スタンドの基本の使い方
- ここに注意! 充電スタンド利用時のマナー
- 充電スタンドは「みんなで使うインフラ」
注:本記事で「EV」と表現する場合、「BEV(Battery Electric Vehicle)」を意味しています。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池自動車(FCEV)とは区別しています。
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外出時に利用する充電スタンドって何?
EV充電には、拠点となる自宅で行う“基礎充電”、目的地に向かう移動中に行う“経路充電”、滞在先の宿泊施設や商業施設などで行う“目的地充電”の3つがあります。このうち、おもに目的地に向かう移動中の“経路充電”と、滞在先での“目的地充電”に利用するのが「充電スタンド(充電スポット)」です。
EVのロングドライブを助けてくれる充電スタンド

EVは拠点となる自宅の普通充電器で充電するのが基本です。
普通充電の出力は3~6kW程度ですが、夜に帰宅してEVを充電器につないでおけば大抵朝には満充電になります。自宅充電には燃料代(充電代)を安く抑えられるメリットがあり、ガソリン車のようにわざわざ給油のために外出する必要もありません。
ただし、通勤や買い物といった日常生活にEVを使うだけなら自宅充電で十分ですが、ロングドライブに出かけると移動中にバッテリーの残量が足りなくなることがよくあります。
たとえば、普通車のEVの航続距離は300〜700km程度ですが、東京〜大阪間の移動距離は車を使うと約500kmあります。航続距離400kmのEVで東京から大阪に向かうとしたら、ガソリン車がガソリンスタンドに立ち寄って給油するのと同じように、移動途中にどこかで足りない分を充電する必要があるわけです。
また、航続距離600kmのEVの場合は、大阪まで充電しないで行くことができたとしても、帰りの分の電気をどこかで充電しなければなりません。宿泊施設などに充電スタンドがあれば休んでいる間にEVを充電できます。
このように「充電スタンド」には、長距離を走行中に必要な分の電気を素早く継ぎ足せるメリットと、滞在先では燃料補給のために移動せずにゆっくり充電できるメリットなどがあります。
移動途中に高出力かつ短時間でEVを充電できる

経路充電では、“直流”の電気を使用する「急速充電」という充電方式を採用し、“交流”の電気を使用する普通充電に比べて高出力かつ短時間で充電を行える「急速充電器」が使われます。
最大出力値は充電器で異なりますが、日本最大級の充電インフラ事業者・e-Mobility Powerの充電インフラネットワークに接続されている急速充電器の半数程度は最大出力50kWです。
ただし、近年のEVは航続距離を延ばすためにバッテリーが大容量化しています。それに伴い、移動途中により速く、より多く充電できるように、高速道路のSA・PAなどには最大出力90kWや150kWといった高出力タイプの急速充電器の設置が進められています1)。
充電スタンドを上手に利用するためのポイント

自宅で行う普通充電は出力が低いため時間をかけて満充電までゆっくり充電しますが、急速充電は高出力で素早く必要な分を継ぎ足し充電します。同じ充電でも普通充電と急速充電は目的や使い方が異なるのです。
目的や使い方が違うことから、充電スタンドを上手に利用するためにはいくつかポイントがあります。たとえば、ロングドライブ時には当日の移動ルート、そのルート上にある充電スタンドの位置や距離などを事前に確認しておくことが重要です。
このような充電プランを事前にしっかり立てておけば、EVのバッテリー残量がギリギリになり、“電欠”を心配しなければならないような不測の事態は回避することができるはずです。
なお、前述のように充電スタンドは目的地の宿泊施設などにもあります。長時間滞在する宿泊施設には「普通充電器」が設置されている場合がほとんどで、30分制限がある急速充電器とは異なり、時間を気にせず満充電まで一晩ゆっくり充電できます。宿泊施設を予約する際には充電設備の有無を事前に確認しておくのもポイントです。

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【充電方式別】充電スタンドの設置場所
具体的に充電スタンドはどんな場所にあるのでしょうか。前述 のように、急速充電と普通充電は目的や使い方が異なります。そのため以下の表のように、充電スタンドが設置されている場所も急速充電器と普通充電器では異なる傾向があります。
〈表〉充電スタンドが設置されているおもな場所
| 充電器の種類 | おもな設置場所 |
| 急速充電器 | 高速道路のSA・PA、道の駅、コンビニ、自動車ディーラー、商業施設 |
| 普通充電器 | 宿泊施設、商業施設、オフィスビルの駐車場、自動車ディーラー |
【急速充電】高速道路SA・PA、コンビニ、ディーラー

ロングドライブでは効率的に移動できる高速道路を利用することが多くなります。そうしたことから高速道路のSA・PAには高出力の急速充電器が設置されているケースが多いです。
また、道の駅、ファミリーマート2)やローソンなどのコンビニの駐車場にも多くの急速充電器が設置されています。
そのほか、自宅充電できないユーザー向けなどに自動車メーカーのディーラーも設置していますし、イオンなど全国チェーンの商業施設にも設置されています。なお、これらの施設では普通充電器と急速充電器の両方が設置されているケースがよく見られます。
【普通充電】宿泊施設、商業施設、オフィスビル

充電に時間がかかる普通充電の充電スタンドの場合、移動途中ではなく、滞在先となる宿泊施設や商業施設、オフィスビルの駐車場などに設置されているケースが多く見られます。
ただし、ホテルや旅館などでは、まだ充電器の数が1〜2口ということも多く、ほかに充電器を利用する宿泊客がいる場合は「滞在中にEVを充電できない」というケースも考えられます。
宿泊先で充電したい場合、充電スタンドの有無だけでなく予約が可能かどうかも事前に確認したほうがいいでしょう。
充電スタンドはどうやって探せばいいの?
さらに具体的に充電スタンドが設置されている場所を知り、充電プランを立てたい場合は、スマホのEV用アプリを活用すると便利です。充電スタンドの目印と併せて紹介しましょう。
アプリを使えば簡単に充電スタンドが見つかる

ほとんどのEVは純正ナビが近くの充電スタンドを教えてくれます。しかし、ナビは最寄りの充電スタンドを検索するのに便利ですが、車種によっては充電プランを立てるのに不向きの場合もあります。また、情報更新が遅かったり、充電器の最大出力値(kW)が表示されなかったりする場合もあります。
そういうときはEV用の充電スタンド検索アプリを活用すると便利です。たとえば、東京電力グループの充電サービス事業者「e-Mobility Power」も、充電スタンドの場所や充電方式、充電器の最大出力、充電スタンドの「満空情報」などを知ることのできるスマホアプリ(iOS/Android)を提供しています。

このほかにも、ナビ機能がついたアプリ、豊富な情報量の統合型アプリなど、さまざまな充電スタンド検索アプリがありますので、興味のある方は以下の記事を読んでみてください。
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充電スタンドの目印は“CHARGING POINT”マーク

アプリの指示に従って現地についたのに「充電スタンドが見つからない」ということもあるかもしれません。その場合は写真のように「CHARGING POINT」と記された標識を探しましょう。
たとえば、高速道路のSA・PAの場合、まずエリア入口に充電スタンドがある方向を示す看板があります。そのとおりに進めば、すぐに「CHARGING POINT」マークが見えてくるはずです。
「CHARGING POINT」マークは充電方式によっていくつかの種類があり、標識の上部に「EV QUICK」とあるのが急速充電器、「EV100V」「EV200V」とあるのが普通充電器です。
なお、「CHARGING POINT」は、EV・PHEVドライバーの方々が迷わず安全に充電器に到着できるよう、公共の充電器の設置場所を示す全国共通の案内サインとして、2008年に作成された東京電力の登録商標です。
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手順、支払い…充電スタンドの基本の使い方

充電スタンドは、充電プラグをEVの充電口に挿し込むだけの自宅充電とは使い方が少し異なります。充電開始時と充電終了時の手順、料金の支払い方法について図を交えて解説します。
【図解】充電スタンドの使い方 ①充電の開始時
といっても使い方はいたって簡単です。充電スタンドに到着して充電を開始するときは、以下の手順で行ってください。なお、図の③と④の手順が逆の充電器もありますので、実際には充電器の指示に従って充電しましょう。
また、急速充電器と普通充電器は充電口が違いますので、その点は注意してください。図④の「充電カード」については後述 します。
〈図〉充電を開始するときの手順

【図解】充電スタンドの使い方 ②充電の終了時
次に充電を終了するときの手順を説明します。こちらも簡単ですが、図の➀と②の手順は逆の場合もあり、順番を間違えると充電コネクターが外れず慌てることになります。利用時には充電器に掲示された手順を事前によく確認することをおすすめします。
〈図〉充電を終了するときの手順

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充電スタンドの利用には原則「充電カード」が必要

充電開始時の手順を示した図の④にあるように、充電スタンドの利用には原則「充電カード」が必要です。「認証カード」ともいい、カードを充電器などにかざすと事前に登録したクレジットカード情報などを認証して充電が開始されます。
充電カードには、上の写真の「e-Mobility Powerカード」のような充電インフラ事業者が発行するカードのほか、自動車メーカー発行のカードなどもあります。料金体系はさまざまですが、一般的には月会費が数百円~数千円程度で、それに普通充電は数円/分、急速充電は数十円/分程度の従量料金がかかります。
ただし、最近は充電サービスの進化によって充電カードを必要としない充電スタンドも増え、スマホアプリで認証から決済までを完結できるものもあります。
ここに注意! 充電スタンド利用時のマナー

充電スタンドは多くのEVユーザーが使うものですから、マナーを守ることがとても大切になります。たとえば、充電コネクターやケーブルは元の位置に丁寧に戻しておくのがマナーです。
また、30分の急速充電を行っても電池残量が十分に回復しなかった場合、もう1回急速充電することを「おかわり充電」などといいますが、これにも注意が必要でしょう。
ロングドライブの途中に充電を「おかわり」したくなる気持ちもわかりますが、次の利用者が来たらすぐに充電を終了して交替できるように、車から離れず待機しておくのもマナーです。
充電スタンドは「みんなで使うインフラ」
公共の充電スタンドはEVやPHEVのユーザーが「みんなで使うインフラ」です。EVユーザーの増加にともない、利用者が多い充電スタンドでは大型連休などに充電待ちが発生するケースも見られるようになりました。
急速充電の充電スタンドは1回30分以内と決められていますが、必ず30分間充電しなければいけないわけではありません。EVのロングドライブに慣れてくると、最大出力50kWの急速充電器なら「15分でもこのくらい充電できる」とか「この電池残量なら目的地までは十分」といった判断ができるようになってきます。
たとえば「このSAの充電はトイレに行って飲み物だけ買い、15分で切り上げよう」というように、充電待ちの状況も加味しながら臨機応変に充電スタンドを使いこなせるようになると、EVでのロングドライブをより効率的に楽しめるようになるはずです。
日本でのEV普及はまだ始まったばかりです。充電スタンドはマナーを守り、賢く使いこなして、充実したEVライフを楽しみましょう!
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