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電気自動車の充電時間はどのくらい?目安を車種別に徹底解説【2026年最新版】

EVの充電時間の目安の図版

電気自動車(EV)の充電時間はガソリン車より長く、自宅の普通充電では10時間以上かかることもあります。しかし、寝ている間の充電や急速充電の活用、ライフスタイルに合わせたコツ次第で、不便さは解消可能です。本記事では、走行距離100km相当の充電に要する時間の“早見表”や、普通・急速充電別、車種別の充電時間の目安、冬場の注意点まで徹底解説。賢い充電方法を知り、快適なEVライフを送りましょう。

※この記事は2024年6月13日に公開した内容をアップデートしています。

 

 

注:本記事で「EV」と表現する場合、「BEV(Battery Electric Vehicle)」を意味しています。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池自動車(FCEV)とは区別しています。

 

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EV充電設備

 

【早見表】充電方法・走行距離別の目安表

走行距離100km分を充電するために必要な時間の目安です。(電費6km/kWh=約16.7kWh/100kmを想定した概算)

 

充電方法 出力目安 100km走行に必要な充電時間 主な利用シーン・設置場所
普通充電 3kW 約5.6時間 自宅・目的地
6kW 約2.8時間 自宅・目的地
急速充電 50kW 約20分 道の駅・高速道路のSA/PA
90kW 約11分 高速道路の主要SA/PA

 

【注】この充電時間はあくまでも目安です。とくに急速充電は車両の充電性能などによって大きく結果が異なります。基本的に充電器の出力(kW)が高いほど、短時間で多くの電力を蓄えられますが、車側の受入能力が充電器の出力を下回る場合は、車側の性能に合わせた速度になります。また、公共用の急速充電器の利用は原則1回30分までです。

 

EVの充電時間の目安はどのくらい?

ガソリン給油ホース

画像:iStock.com/Tomwang112

 

EVの充電時間は、充電方法によって異なります。まずはEV充電の2つのタイプである「普通充電」と「急速充電」の充電時間に関して説明します。

なお、車種別の充電時間についてすぐに知りたい場合には、後述の「【車種別】満充電までの時間と30分での充電量」をご覧ください。

 

普通充電の場合

普通充電の図版

画像:iStock.com/SimonSkafar

 

「普通充電」とは、おもに自宅で行う「基礎充電」や、宿泊先などで行う「目的地充電」で用いられる充電方式です。一般的には交流200Vの電力を、3~6kW程度の出力でゆっくり充電します。

たとえば、バッテリー容量が40kWhのEVで電池残量10%から100%まで満充電するためには「40kWh×90%=36kWh」の電力量が必要なので「36kWh÷3kW=12時間」が必要です。なお、普通充電の場合は急速充電と異なり、出力値は常に一定のため充電時間の計算は簡単にできます。

〈図〉バッテリー40kWhのEV充電時間(3kW普通充電の場合)

バッテリー40kWhのEV充電時間(3kW普通充電の場合)の図版

 

バッテリー容量が大きいほど時間は延び、充電器の出力が高いほど短くなります。12時間という充電時間は、ガソリンの給油と比べると非常に長く感じられるかもしれません。しかし、帰宅後~翌朝の“在宅時間”に充電できるため、「寝ている間に満充電」が可能です。「EVは停まっている時間に充電するもの」という発想に切り替えると、EVの充電はぐっとラクに感じられます。

 

 

急速充電の場合

急速充電の図版

 

急速充電は、高速道路のSA・PAや道の駅など、目的地に行くまでに途中で継ぎ足し充電(経路充電)するインフラとして設置されています。そのため、普通充電よりも高い出力を用いて、短い時間で充電することができます

急速充電器は、直流で最大40~150kW程度(2026年には最大350kW器も新設予定)の高出力でEVに充電します。つまり、計算上では、出力3kWの普通充電と比較すると、13~50倍の速さで充電できることになるのです。

ただし、日本国内の公共用急速充電器の多くは、1回に利用できる時間が原則「最大30分」というルールが定められています。そのため、1回で充電できる電力量は限られます。

たとえば、最大出力40kWの急速充電器で30分間充電した場合、計算上では「40kW×0.5h=20kWh」が充電できることになるわけです。

〈図〉40kWの急速充電器で30分充電した場合に得られる電力量

40kWの急速充電器で30分充電した場合に得られる電力量の図版

 

ただし、車両の充電性能やバッテリー残量、気温などの充電環境、充電時の発熱ロスなどによって、実際の充電量は計算上よりも減るため、注意が必要です(この点は後述します)。

 

 

【車種別】満充電までの時間と30分での充電量


車種によってバッテリー容量はさまざまです。そこで、バッテリー容量の異なる代表的な4車種を例に、普通充電で満充電になるまでの時間、急速充電を30分間行った場合の充電電力量をそれぞれご紹介します。なお、実際の充電時間や得られる充電量はバッテリー温度などで変動するのでご注意ください。

〈表〉車種別・充電時間の比較表(目安)

車種(バッテリー容量) 普通充電(3kW)で残量10%~満充電 急速充電での30分充電量(残量20%以下からの場合)
日産「サクラ」
(20kWh)
約6.2時間 約10~12kWh(50kW出力器)
日産「リーフ B5」
(55kWh)
約16.5時間 約20~23kWh(50kW出力器)
約30〜40kWh(90kW出力器)
トヨタ「bZ4X Z」
(74.69kWh)
約22.4時間 約20~23kWh(50kW出力器)
約35~42kWh(90kW出力器)
日産「アリア B9」
(91kWh)
約27.3時間 約20~23kWh(50kW出力器)
約35~42kWh(90kW出力器)

 

Ⅰ.日産「サクラ」の場合(バッテリー容量20kWh)

日産「サクラ」の図版

 

軽EVは、日常の移動(買い物・送迎・通勤)に必要十分な航続距離を確保しつつ、車体が小さく取り回しがよいのが魅力です。

代表例の日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」に加え、ホンダの軽乗用EV「N-ONE e:」なども登場し、選択肢が広がっています。バッテリー容量は、「サクラ」「eKクロスEV」が20kWh、「N-ONE e:」が29.6kWhです。

普通充電の場合
日産「サクラ」の普通充電の受入最大能力は2.9kWです。そのため、出力3kWで普通充電を行った場合、残量10%から満充電まで約6.2時間が目安となります。

なお、「N-ONE e:」は6kWの普通充電に対応しているので、充電時間はサクラの半分程度。10~100%まで約26.6kWの充電に要するのは約4.4時間です。

◯急速充電の場合
日産「サクラ」の急速充電の受入最大能力は30kWです。そのため、高出力な50kW器を利用しても車側上限が効き、30分で得られる充電量はおおむね10~12kWhが目安です。なお、「N-ONE e:」の急速充電性能は最大50kWで、30分間での充電量は15~20kWh程度になります。

 

Ⅱ.日産「リーフ B5」の場合(バッテリー容量55kWh)

日産「リーフ」の図版

提供:日産自動車

 

バッテリー容量60kWh程度のEVは、日々の通勤・買い物に加えて、週末の遠出も“経路充電”を組み合わせて現実的にこなせるクラス感です。ここでは「リーフ B5」(バッテリー容量55kWh)を例に見てみます。

◯普通充電の場合
出力3kWで普通充電を行った場合、残量10%から満充電まで約16.5時間が目安です(必要な電力量49.5kWh)。また、「リーフ」は出力6kWの普通充電にも対応しています。出力6kWで普通充電を行った場合、約8.3時間が目安です。

◯急速充電の場合
日産「リーフ B5」の急速充電の受入最大能力は105kWです。50kW級の急速充電器を30分利用した場合、目安は20~23kWh前後でしょう。90kW超の高出力器を利用した場合、30~40kWh程度が目安です。

 

Ⅲ.トヨタ「bZ4X Z」の場合(バッテリー容量 74.69kWh)

トヨタ「bZ4X Z」

提供:トヨタ

 

ミドルSUVクラスは搭載するバッテリー容量も大きくなります。そのため、「在宅中や目的地での宿泊中に充電する」という発想がより重要になります。バッテリー容量が74.69kWhの「bZ4X Z」の場合を見てみましょう。

◯普通充電の場合
出力3kWで普通充電を行った場合、残量10%から満充電まで約22.4時間が目安です(必要な電力量約67.2kWh)。出力6kWで普通充電を行った場合、約11.2時間が目安です。

◯急速充電の場合
「bZ4X」の急速充電の受入最大能力は150kWです。50kW級の急速充電器を30分利用した場合、目安は約20~23kWh程度。最大出力90kWの急速充電器であれば、35~42kWh程度が30分間の充電量の目安となります。

 

Ⅳ.日産「アリア B9」の場合(バッテリー容量91kWh)

日産「アリア B9」

提供:日産自動車

 

超大容量バッテリーの利点は、航続距離の余裕が増えて「充電回数そのものを減らせる」こと。長距離移動の心理的ハードルを下げやすい一方、普通充電の所要時間は長くなります。日産「アリア B9」のバッテリー容量は91kWhです。このサイズのEVではどのくらいの充電時間がかかるのかを考えてみましょう。

◯普通充電の場合
出力3kWで普通充電を行った場合、残量10%から満充電まで27.3時間が目安です(必要な電力量81.9kWh)。出力6kWで普通充電を行った場合、約13.7時間が目安です。

◯急速充電の場合
「アリア」の場合、急速充電の受入最大能力は130kWです。最大出力50kWの急速充電器を使った場合は、30分で20~23kWh程度の充電量となりますが、最大出力90kWの急速充電器であれば、35~42kWh程度が30分間の充電量の目安となります。

 

 

EV充電設備

 

知っておきたい「カタログ通りにいかない」外的要因

ここまで充電時間の目安をお伝えしてきました。普通充電の場合はおおむね「バッテリー容量÷充電器の出力」という計算どおりに充電することができますが、じつは、急速充電に要する時間は、複雑な要因によって大きく異なります。

実際に急速充電器を利用してみると、状況によって充電スピードが大きく変動することに驚く方も多いでしょう。納得してEVを使いこなすために、充電性能を左右する3つの主要な外的要因を理解しておきましょう。

 

①バッテリー残量(SOC)による出力制限

①バッテリー残量(SOC)による出力制限

画像:iStock.com/ Nipon Chinnueng

 

EVの急速充電は、常に一定の出力で行われるわけではありません。バッテリーの残量(SOC:State of Charge)が上昇するにつれて、充電出力は段階的に抑制される仕組みになっています。

具体的には、ほとんどの車種の場合、残量が50%を超えたあたりから急速充電の速度は目に見えて低下し、満充電に近づくほどさらに出力が下がっていきます。これは、バッテリーの劣化や急激な発熱を防ぐための重要な保護機能です。

ガソリン車のように「空の状態から一気に満タン」を目指すと、最後の20%に想定以上の時間を取られることになります。そのため、外出先での急速充電は、効率の良い80%程度で切り上げて次のスポットへ向かう「注ぎ足し」の考え方が推奨されます。この「SOCによる制限」をあらかじめ理解しておくことで、充電待ちの際のイライラを大幅に軽減できるはずです。

 

 

②外気温とバッテリー温度の影響

②外気温とバッテリー温度の影響

画像:iStock.com/ deepblue4you

 

EVのバッテリーは、周囲の温度環境にその性能が大きく左右されます。特に外気温が氷点下に近いような状況では、バッテリー内部のリチウムイオンの動きが鈍くなり、理論上の最大出力が出にくくなります。

たとえば、同じ50kWの急速充電器を使用しても、夏場に比べて冬場は30分間で充電できる電力量が目に見えて減ることがあります。これはバッテリー保護のための制御が働くためです。

一方で、真夏の酷暑の中での連続走行直後など、バッテリー温度が過度に上昇している場合も注意が必要です。熱による深刻な劣化を防ぐため、車側のシステムが受入出力を意図的に絞ることがあるからです。

カタログに記載されている「最短〇分」という数値は、あくまで最適なバッテリー温度条件下での理論値です。季節や天候によって充電時間は変動するものであると心に留めておくことが、ストレスのないEVライフを送るための秘訣と言えるでしょう。

EVに搭載されているリチウムイオンバッテリーで急速充電を行う際の適温は、一般的に「20~25℃程度」とされています。最近は必要に応じて充電前にバッテリー温度を調整しておく「プレコンディショニング」機能を備えた車種が増えています。ご自身がお持ちのEVの機能を確認して、上手に使いこなしましょう。

 

 

③車両側の「受入最大能力」の影響


充電時間の短縮方法のひとつとして「高出力の充電器を利用する」ことを紹介しましたが、どんなEVでも充電器の出力を上げれば、充電時間が短縮できるかというと、実はそうではありません

EVを充電するとき、急速充電の場合はEVと急速充電器が通信によって情報をやりとりしながら電力を受け入れています。

〈図〉急速充電器とEVの通信

急速充電器とEVの通信の図版

 

EVは車種によって対応可能な充電出力が異なるため、必要以上の出力を受け付けないよう、充電器との通信で指令を出しているのです。また、同じ車種であっても、日産「リーフ」のようにモデルによって急速充電の受入最大能力が異なる場合もあります。

〈図〉対応可能な充電出力例

対応可能な充電出力例

 

上述したとおり、受入最大能力が違うと、充電器の出力をその能力以上に高くしても、30分で得られる充電量に変化がないケースがあります。

一般的に、車格が上がれば上がるほど、受入最大能力も高くなる傾向があり、現在では日本国内でも受入最大能力が200kWを超える車種も登場しています。

 

【最大受入能力を含めたスペック一覧を紹介】
▶EVメーカー・車種・スペック一覧

 

充電時間を短縮する方法

充電時間を短縮する方法の図版

画像:iStock.com/Ralf Hahn

 

「EVの充電時間を短縮したい…」と考える方も多いでしょう。ここでは短縮する方法をいくつかご紹介します。

 

【普通充電①】充電設備の出力を上げる


自宅に設置する充電器を、一般的な3kW出力から6kW出力のものに変更すれば、充電時間を短縮することが可能です。単純にそれまでの半分の時間で充電することができるようになります。

ただし、出力6kWの普通充電に対応していない車種もあるほか、高出力の普通充電器を設置する場所の電気の契約にも注意が必要です。ブレーカーが落ちたりすることがないよう、電力会社や充電器の設置を依頼する業者などに相談して、適切な容量の電気契約を選択しましょう。また、6kWの充電器は3kWよりも高価ですし、電気の契約容量を増やす必要がある場合、基本料金が上がる可能性があるなど、コスト面でも検討が必要です。

 

【普通充電②】V2H機器を設置する


もうひとつ、自宅での充電時間を短縮する方法が、V2H機器を設置することです。

V2H機器とEVは、急速充電用のチャデモ規格の充電口を通じて接続されます。EVに蓄えた電気を家庭に供給することができるV2H機器は、家庭からEVに充電する機能ももちろん備えています。普通充電では3kWまでしか対応していないEVでも、急速充電の仕組みを使ったV2Hの充電ではほぼすべて6kWで充電できます。

ただし、日本国内で発売されているすべてのEVがV2Hに対応しているわけではありません。対応車種について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

 

【急速充電①】高出力の充電器を利用する


急速充電では「充電時間を短縮する」のではなく、「一定の時間で多くの充電量を得る」ことを考えてみましょう。

最も効率のよい方法は、やはり高い出力の充電器を利用することです。最大受入出力が高い車種であれば、40kWよりも50kW、50kWよりも90kW、さらには90kWよりも150kWの充電器で充電した方が大きな充電量を得られます。

そのため、充電スポット検索アプリなどを使って、急速充電を行う場合、出力の高い充電スポットを選ぶようにしましょう。自分のEVの急速充電性能を理解しておくことも大切です。

 

 

【急速充電②】満充電に近いときは急速充電しない


EVバッテリーは、SOCが一定量を超えると、急速充電では充電出力が落ち、満充電に近くなるほどにさらに充電出力が遅くなるという性質があります。

そのため、満充電に近い場合では急速充電を避けることもひとつのノウハウと言えるでしょう。充電残量がある程度少なくなるまで待つ方が、充電時間のロスがなくなるため、結果的にトータルの充電時間を短くすることができるのです。

 

EV充電設備

 

充電時間を気にせずEVを快適に使うコツ

 

Ⅰ.「普通充電」のポイント

EV充電中の様子

画像:iStock.com/SolStock

 

ⅰ.満充電じゃなくてもいい

充電設備さえあれば、EVは自宅ガレージで充電することができます。ガソリン車の場合、わざわざガソリンスタンドまで給油しに行く必要があるので、できるだけ満タンにしておきたいのが当然です。でも、家で充電できるEVは、再びガレージに戻るまでのバッテリー残量があればいいのです。

また、バッテリーの種類にもよりますが、常に満充電にしておくのはバッテリーにとってもあまりいいことではありません。必ずしも「満充電じゃなくてもいい」という意識への変革が、ガソリン車から乗り換えた方が最初に会得すべきポイントと言えます。

 

ⅱ.タイマー機能などを活用する

ガソリン車の給油中は車の中や近くで待ちますが、家での充電は自宅で寝ている間に行うことができます。「寝ながら充電」ということですね。電気料金プランによっては、深夜の電気代がよりおトクである点もポイントです。ほとんどのEVは普通充電を制御するタイマー機能などを備えていますから、そうした機能を活用して賢明な家充電を実践するのがオススメです。

 

Ⅱ.「急速充電」のポイント

 

ⅰ.休憩のついでに充電する

休憩のついでに充電する図版

画像:iStock.com/Volodymyr Kalyniuk

 

その日計画しているドライブの距離や、次に充電するスポットまでの距離を考慮して、休憩する「ついで」に充電するようにするのが賢明です。

急速充電で充電する30分という時間は、給油に比べると長く思うでしょうが、高速道路のSAでトイレに行ってコーヒーを買うとか、普通に休憩しているとすぐに経ってしまう時間です。むしろ、レストランで食事をするような際には30分では足りなくなるので、食事の途中で充電が終了するEVを移動しに行かなければいけないくらいです(充電終了後はすぐに移動するよう注意しましょう)。

 

ⅱ.無理に急速充電を使わず、滞在時に普通充電をする

無理に急速充電を使わず、滞在時に普通充電をするの図版

画像:iStock.com/stellalevi

 

自宅外での充電だからといって、急速充電を必ず使う必要はありません。滞在時であれば、普通充電を利用できる場合もあります。

普通充電の場合も「ついで&ながら」を意識して充電するのがポイントです。たとえば、普通充電器がある宿泊施設であれば、家充電と同様に「寝ながら充電」することができます。翌日はまた長距離を走るのですから、心置きなく満充電を目指して充電できます。

レジャーや食事、ショッピングなどで出かけた場所に普通充電器があれば、そこに滞在している時間を利用して充電することができます。食事や映画で3時間を過ごせば、出力3kWの普通充電器でも9kWhも充電できます。ほぼ半日を過ごすゴルフ場であれば、帰りはまた満充電で出発! というケースも多いでしょう。

日本全国には「目的地充電」の普通充電器が約3万1000口(2025年3月末時点)も整備されています1)。今後、EVがさらに普及するのに合わせて、さまざまな施設に「EV用の普通充電設備があるのは当たり前」になっていくことが予想できます。

 

 

ⅲ.余裕をもって充電する計画を

地図イラスト

画像:iStock.com/alxpin

 

EVのバッテリー容量にもよりますが、大容量バッテリーを搭載したEVの場合、30分の急速充電では「20%しか回復しない」というケースもあります。ガソリンのように「空になるから給油する」という意識ではなく「目的地に到達するために必要な電力量」を、余裕をもって「注ぎ足していく」のが、外充電を快適に使いこなすポイントです。

たとえば「残量が40%を切ったら最寄りのSAで休憩しながら充電する」といった考え方で、余裕をもって充電するようにしておけば、万が一立ち寄った充電スポットの充電器が故障していたり、先客がいて充電待ちになるといった場合でも、無理なく次の充電スポットへ向かうことができます。

所有するEVの一充電走行距離以上を1日で走るようなロングドライブをする際には、事前にルート上の充電スポットの場所を確認して、おおまかな充電計画を立てておくとスムーズです。あらかじめルート上の充電スポットをおおまかにでも把握しておけば、万が一の「使えない!」というトラブルにも対処しやすくなるでしょう。

 

 

充電料金はいくらかかる?

 

普通充電の充電料金


充電にかかる電気料金単価を31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の公表情報参照2))と仮定すると、出力3kWの普通充電で残量10%から満充電にするには、バッテリー容量ごとに以下のような充電料金になります。

 

EVのバッテリー容量 充電時間 充電料金
20kWhの場合 6時間 558円
50kWhの場合 15時間 1395円
70kWhの場合 21時間 1953円
90kWhの場合 27時間 2511円

※電力量料金のみの金額です。基本料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は加味していません。円未満切り捨て。

 

 

急速充電の充電料金


ここまで紹介したように、急速充電は基本30分を上限として、高速道路のSAやPAなどで行います。

公共の急速充電は、日本最大級の充電インフラネットワークを運営する「株式会社e-Mobility Power」のネットワークに接続した充電器が多く、認証・課金は加入している「充電カード」の料金体系に従います。同じ充電器でも、充電カードの種類や料金プランによって「分課金(円/分)」の単価が変わるため、一律に「30分いくら」とは言い切れません。

まずは手持ちの充電カード(または入会予定の充電サービス)の料金表を確認し、よく使うエリアの充電器単価を把握しておくのがおすすめです。

 

 

EV充電設備

 

充電時間は長いが、メリットもたくさん

ここまで紹介したように、ガソリン車の給油に比べると、やはりEVの充電時間は長いと言えるでしょう。しかし、EVの充電はその特長からメリットもたくさんあります。

 

Ⅰ.ガソリンスタンドに行く必要がない


EVの場合、自宅に充電設備(充電用コンセントや普通充電器)を設置すれば、家で充電することが可能です。そのため、ガソリンスタンドへ行く必要がありません。

スマホやパソコンのように、寝ている間など家にいる時間を利用して充電ができる手軽さは大きな魅力と言えるでしょう。

とくに、ガソリンスタンドが自宅から離れた場所にしかない地域などでは、往復のガソリン消費も必要なくなるため、経済的なメリットも大きいです。

 

Ⅱ.走行コストが安い


紹介したとおり、普通充電の場合、EVのバッテリー容量によりますが、1回あたり数百円~3000円程度の電気代で満充電にすることができます。

ガソリン車の走行コストと比較すると、2分の1ほどになるケースも少なくありません。ガソリン車とEVの充電料金の比較について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

 

Ⅲ.蓄電池代わりに使える


「V2H(Vehicle to Home)」や「V2L(Vehicle to Load)」に対応したEVは、車(移動手段)としてだけでなく、電気を貯めておく蓄電池としての機能も有しています。たとえば、別売のV2H機器を利用すれば、自宅とEVの間で電気を行き来させることができ、蓄電池代わりにすることができます。

このようなことができると、災害などによる停電時の備えになるだけでなく、太陽光発電で発電した電気をEVに貯めておき、夜間に自宅で使うということもでき、経済的なメリットもあるのです。

 

 

今後、EVの充電時間は短くなる

「今後、EVの充電時間は短くなる」の図版

画像:iStock.com/EXTREME-PHOTOGRAPHER

 

日本において、EVの普及・拡大はまだ始まったばかりです。すでに世界中のメーカーがEVやEV充電器の開発を進めるなかで、その性能は劇的な進化を続けています。

今後、EVの充電時間は驚くべきスピードで短縮されていくかもしれません。インフラ面では、150kW以上の「超急速充電器」の整備が全国で加速。これにより、これまで30分かかっていた充電量は、わずか10~15分といった短時間でまかなえるようになりつつあります。トイレ休憩やコーヒーを買うわずかな時間で充電が「完結」するスタイルは、すでに現実のものとなりつつあるのです。

EVが搭載しているリチウムイオン電池の進化もめざましく、ここ数年の間にも急速充電性能などが大幅に向上。また、車両側のハードおよびソフトウェアの進化により、冬場の速度低下といった課題も着実に解消へ向かっています。

技術の進歩は私たちの想像を超えるスピードでEVライフをより自由に、軽やかなものへと変えていきます。電気という新しいエネルギーとともに、より遠くへ、より快適に。そんなワクワクする未来を、ぜひ愛車とともに体感してください。

 

※本記事の内容は公開日時点での情報となります

 

 

この記事の監修者
寄本 好則
寄本 好則

コンテンツ制作プロダクション三軒茶屋ファクトリー代表。一般社団法人日本EVクラブのメンバー。2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成。ウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開。電気自動車情報メディアや雑誌特集などに多く寄稿している。著書に『電気自動車で幸せになる』(Kindle)など。




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