
Sage Timeslips PremiumがRDP利用時だけ落ちる原因と回避策:uxtheme.dll(0xc0000005)クラッシュを実務的に潰す
Timeslips Premiumを「PCへRDP接続して使う」運用で、スクロールや並び替えなど日常操作中に突然クラッシュする──しかもイベントログ上は uxtheme.dll、例外 0xc0000005(Access Violation) が毎回同じ。これは“環境の不具合”として片付けられがちですが、切り分けの筋道と、現場で取れる回避策を整理すると着地点が見えてきます。Timeslipsの停止を最短で減らし、ベンダーへ通すべき材料も揃えるための実践ガイドです。 Sage Community Hub+1
まず結論:RDPセッション時のUI描画条件がトリガーになっている可能性が高い
今回の特徴は「起動は毎回できる」「実行中(スクロール、ソート、フィルタ変更、一覧クリック、編集/削除)で落ちる」「ローカル操作では再現しにくい」「他アプリは安定」「クラッシュ署名が同一」です。これらが揃う場合、RDP特有の描画・テーマ・DPI・GPU仮想化と、アプリ側UIの呼び出しが噛み合わず、OS側のテーマ関連DLL(uxtheme.dll)でアクセス違反に至るパターンが疑われます。 Sage Community Hub
さらにSageコミュニティ上では、**Timeslips Premium 30.0.9.196(October 2025 Service Release)**自体はWindows 11 25H2でサポートされる一方、**RDP経由実行でフリーズ/ UIエラーが起こり得て“非サポート扱い”**とする回答も出ています。運用としてRDP前提なら、技術的な回避に加えて「サポート上の前提」を整えることが重要です。 Sage Community Hub+1
現場で効く順:まず試すべき回避策チェックリスト
「原因究明」より先に、稼働率を上げるための即効性が高い順に並べます。すべてを一気にやらず、1項目ずつ変更→再現確認が鉄則です(材料化のため)。
1) RDPクライアント側の“見た目”を削る(最優先)
RDPの表示品質が上がるほど、テーマ/合成/フォント描画の分岐が増えます。落ちる操作が一覧系(スクロール、ソート)に集中しているなら特に有効です。
**mstsc(リモート デスクトップ接続)→「エクスペリエンス」**で以下をOFFにします。
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フォントのスムージング
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デスクトップの背景
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メニュー/ウィンドウのアニメーション
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可能なら「永続的ビットマップキャッシュ」もOFF(環境により効く)
あわせて「表示」側で色数を下げる(例:32bit→16bit相当の設定が可能なら)、解像度を固定、マルチモニタをやめると、再現率が落ちることがあります。
2) DPI/スケーリングを固定する(Windows 11で効きやすい)
RDP先PCの 表示スケーリング(150%/125%など) はUI部品の再描画頻度や座標計算に影響します。
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可能なら 100%固定
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RDPクライアント側も拡大縮小を使わず、解像度を合わせる
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Timeslips側のフォント拡大機能を使っている場合は一旦戻して再現確認(October 2025で一覧フォント拡大の強化が入っています) Sage Knowledge Base
3) GPU/描画のハードウェア支援を抑える(RDPの差分を消す)
RDPは環境によってGPU合成やH.264/AVCなど描画経路が変わります。
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クライアントを変えて検証(Windows標準mstsc ⇄ 別PC ⇄ 別回線)
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企業環境なら、ポリシーで「RDPセッションにハードウェアGPUを使う」系を抑制して比較(管理者が可能な範囲で)
4) 「ローカル実行」へ寄せる(最も確実な回避)
ここが現実解になりやすいです。
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そのPCで直接操作(物理席 or KVM/HDMI延長)
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どうしても遠隔なら、RDP以外の方式(画面転送方式が異なるリモート支援ツール等)で再現性が落ちるケースがあります
※ただしサポート要件と整合する形に寄せる必要があります(後述)。
“環境のせい”で終わらせないための切り分け(証拠の作り方)
ベンダー/社内稟議で通すには、「再現条件」と「差分」を短く示せることが重要です。
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再現条件を固定:対象モジュール(A/R、Slip Listなど)、操作(スクロール→列ソート→フィルタ変更)を手順化
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ローカル vs RDPで比較:同じPC・同じデータ・同じ手順で、RDPだけ落ちることを記録
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クラッシュ署名を揃える:Event ID 1000/1001、例外0xc0000005、Faulting module uxtheme.dll が毎回同一であること Sage Community Hub
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ダンプを添付できる形に:WERの保存先・時刻・ユーザーをまとめる(“何回起きたか”も重要)
この形にできると、一般的な「設定を初期化して」から先へ進みやすくなります。
サポート/エンジニアリングに投げるときの要点
問い合わせは長文より、要点が刺さる構成が有効です。
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製品:Timeslips Premium、ビルド番号(例:30.0.9.196 / Oct 2025 SR) Sage Knowledge Base
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OS:Windows 11 Pro 25H2(再現するならそのビルドも)
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再現:RDP時のみ、起動後の一覧UI操作でクラッシュ
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ログ:Event Viewer/WER/信頼性モニター/ダンプが揃い、uxtheme.dll + 0xc0000005で固定
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依頼:
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RDP運用のサポート可否(可なら推奨設定、不可なら公式見解) Sage Community Hub
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既知不具合/修正ビルド/ホットフィックス有無
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回避策(DPI、テーマ、描画設定など)の公式推奨
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どうしてもRDP運用を続ける場合の現実的な落とし所
「RDPが非サポート」扱いになる可能性がある以上、最終的には次のどれかに整理されます。
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運用をローカルへ戻す(最優先の安定策)
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RDPの見た目・DPI・GPU経路を絞って再現率を下げる(暫定運用)
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サポートされる形のリモート運用へ設計変更(社内標準やSage側ガイドに合わせる)
いずれにしても、今回のように「モジュール/操作がUI一覧に集中」「RDPのみ」「uxtheme.dll固定」という条件が揃っているなら、手当たり次第の再インストールやハード交換より、描画条件(RDP体験設定、DPI、GPU経路)の差分を潰す方が、短期間で効果が出やすいです。 Sage Community Hub+1