
「The security log on this system is full」エラーの直し方:Windowsで監査ログが満杯になったときの最短復旧ガイド
Windowsでログオンやポリシー変更などの操作をした瞬間に「The security log on this system is full(このシステムのセキュリティ ログはいっぱいです)」と出て、操作が止まることがあります。これは“セキュリティ(監査)ログ”の保存領域が上限に達し、しかも「上書きしない」設定になっているときに起きがちなトラブルです。原因の切り分けから、すぐ直す方法、再発防止の設定までをまとめて解説します。
まず知っておくべき原因:ログは満杯でも「設定」が原因のことが多い
このエラーは、単にログが多いだけでなく、次の条件が重なると発生しやすくなります。
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セキュリティ ログの最大サイズが小さい
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ログが最大に達したときの動作が「イベントを上書きしない」
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監査(Audit)が過剰に有効で、短時間に大量のイベントが記録される
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サーバーや共有PCなど、ユーザーやプロセスの出入りが多い環境
ポイントは「ログが満杯になる=異常」ではなく、「満杯になった後にどう扱う設定か」で障害になるかが決まる点です。
最短で直す:セキュリティログを退避してクリアする(推奨)
復旧を急ぐ場合、まずはログを“消す”のではなく“保存してから消す”のが安全です。
手順(GUI:イベントビューア)
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イベント ビューアを開く
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Win + R →
eventvwr.msc
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左側で Windows ログ → セキュリティ を選ぶ
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右側の操作から 「ログを保存してからクリア…」 を選択
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保存先(.evtx)を決めて保存 → クリア
これで詰まりは解消し、ログの記録も再開されます。運用上、監査ログが必要な環境(社内規定・監査対応)なら、この“退避してから”が重要です。
手順(CUI:一括運用向け)
管理者権限のコマンドプロンプト/PowerShellで実行します。
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ログをエクスポート(退避)
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wevtutil epl Security C:\Temp\SecurityLog_Backup.evtx
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ログをクリア
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wevtutil cl Security
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GUIが開けないサーバーやリモート作業では特に便利です。
再発防止:ログサイズと「満杯時の動作」を見直す
復旧後に必ずやっておきたいのが、同じ状況を繰り返さない設定です。
1) セキュリティログの最大サイズを増やす
イベントビューアで セキュリティ → 右クリック「プロパティ」 を開き、最大ログ サイズを増やします。
サーバーや多人数利用PCは、数十MBだとすぐ埋まることがあるため、運用に合わせて余裕を持たせます(増やしすぎるとディスク圧迫の原因にもなるので注意)。
2) ログが満杯になったときの動作を変更する
同じプロパティ画面で「ログの保存方法」を確認します。一般的に現場で多い選択肢は次の2つです。
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必要に応じてイベントを上書きする(多くの環境で現実的)
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イベントを上書きしない(監査要件が強い環境向け。ただし満杯で停止しやすい)
“上書きしない”は厳格ですが、満杯になると今回のような停止につながります。監査要件がある場合は、上書きしない設定のままでも、**ログサイズ拡大+定期退避(ローテーション)**を必ずセットにしてください。
ログが異常に増える場合:監査ポリシーを見直す
「サイズを増やしてもすぐ満杯」なら、ログの発生量そのものが多すぎる可能性があります。
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ログオン/ログオフの監査を過剰に有効化していないか
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オブジェクト アクセス(ファイル/共有/レジストリ)監査が広範囲になっていないか
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失敗監査(Failure)ばかり大量に出ていないか(資格情報の総当たり、アプリ不具合など)
監査を弱めるのが難しい環境では、ログサイズ増+上書き設定+定期退避で“運用で守る”設計にします。
それでも直らないときのチェックポイント
最後に、意外と見落としがちな点です。
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ディスク空き容量が不足していないか(ログを増やしても書けない)
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ドメイン配下なら **グループポリシー(GPO)**で設定が上書きされていないか
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セキュリティログのクリア権限が不足していないか(管理者権限で実施)
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監査ログを収集する製品(SIEM/エージェント)が誤作動してイベント量を増やしていないか
まとめ:最短復旧は「退避→クリア」、再発防止は「サイズと上書き設定」
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すぐ直すなら セキュリティログを保存してからクリア
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再発防止は 最大サイズの増加 と 満杯時の動作(上書き) の見直し
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ログが異常に増えるなら 監査ポリシー と 大量発生の原因(失敗監査の連発など) を確認
監査ログは“消すと困る”ことがある一方で、“溜めすぎると止まる”こともあります。環境の要件に合わせて、記録・保管・ローテーションまで含めた設計にしておくと、今回のエラーはほぼ防げます。