
本記事が扱う事象は、Windows XP上のApache OpenOffice(旧OpenOffice.org)で文書を印刷しようとした際に「Error 126」や「Can not load library 〜.DLL. Using defaults」と表示され、印刷が止まる、同じダイアログを複数回閉じる必要が出る、またはアプリが不安定になるケースです。対象としては、メール添付のWord文書をOpenOfficeで開いて印刷する場面など、日常的な操作で再現する点が実務上の確認点となります。なお、同系統の症状はLibreOfficeでも報告されており、アプリ固有というよりWindowsの印刷周辺部品とプリンタードライバーの関係で整理するのが適切です。 (Ask LibreOffice)
- Windows XP+OpenOfficeで「Error 126」が出る状況の特徴
- Error 126が示す意味と「DLLがあるのに失敗する」構造
- OpenOfficeがプリンタードライバーDLLを読むタイミング
- DLBAPRP・LXBCPRP系DLLとLexmark/Dellドライバーの関係
- Windows XP環境で再発・固定化が起きやすい背景と整理軸
Windows XP+OpenOfficeで「Error 126」が出る状況の特徴
印刷や印刷プレビューの起点で、特定のDLL名を伴うエラーが繰り返し表示される点が共通しています。
LibreOffice 3.5.6.2で「Error:126 Can not load library lxaiPRP.DLL. Using defaults」が出て、メッセージを複数回閉じないと印刷に進めないという報告があります。しかも、同一PCで他アプリ(例:Adobe Reader、MS Word等)では問題が出ない一方、OpenOffice/LibreOfficeで目立って発生した、という記述が含まれます。つまり、Windowsの印刷機能そのものが完全に壊れているというより、アプリがプリンタードライバーへ問い合わせる過程で例外が顕在化している構図です。 (Ask LibreOffice)
同種の事象はOpenOffice Calcの操作でも見られます。Dellのコミュニティ投稿では、セルの書式設定で「Font」「Font Effects」タブに移動したときに「cannot load library DLBAPRP.DLL using defaults error 126」が複数回出て、条件によってはクラッシュする、と具体的に説明されています。ここから、発生点が「印刷ボタン」だけでなく、フォントや描画に関わるUI操作に広がり得ることが分かります。 (Dell)
以上を踏まえると、本記事の対象となる事象は「OpenOfficeが印刷系の情報を取得する局面で、プリンタードライバー側の追加モジュール読み込みに失敗して表面化する」タイプとして位置づけられます。そこで次に、Error 126という番号が示す意味を先に整理します。
Error 126が示す意味と「DLLがあるのに失敗する」構造
Error 126はWin32のERROR_MOD_NOT_FOUNDで、「指定されたモジュールが見つからない」を指します。 (Microsoft Learn)
MicrosoftのSystem Error Codesでは、126(0x7E)が「ERROR_MOD_NOT_FOUND」であることが明記されています。ここで重要なのは、エラーメッセージに出たDLLファイルがディスク上に存在していても、読み込みに必要な“別の依存DLL”が欠けている場合にも同じ126になり得る点です。言い換えると、対象DLLの探索に成功しても、その内部参照が解決できないとLoadLibraryは成立しません(依存関係が欠けるとLoadLibrary can't succeed、という扱いになります)。 (Microsoft Learn)
Stack Overflow上でも、126は「DLLが不足している」ことを示す一般的なWin32エラーとして説明され、依存関係の連鎖が原因になり得るためDependency Walker等で確認する、という整理がされています。これはOpenOfficeに限らず、Windows上のモジュールロード全般で同じ考え方が適用されます。 (Stack Overflow)
この点から、OpenOffice側の“印刷機能の不具合”と断定するより、(1) OpenOfficeが呼び出す、(2) プリンタードライバーが提供する、(3) 追加DLL(プロパティ表示やリソース関連)が読み込めず失敗する、という因果の分解が判断材料として重要になります。次章では、なぜOpenOfficeがそのDLLに触れるのかを、発生場面の具体例から整理します。
OpenOfficeがプリンタードライバーDLLを読むタイミング
OpenOfficeは印刷だけでなく、フォントや用紙設定など「プリンタ能力の照会」でドライバー部品を呼ぶ場合があります。
Dellコミュニティの事例では、印刷そのものではなく、書式設定ダイアログの特定タブでエラーが出ると書かれています。ここで示唆されるのは、フォントの一覧や効果表示が「既定プリンターの能力(利用可能フォント、描画モード、プロパティUI)」を参照し、その過程でドライバー付属の“プロパティリソースDLL”がロードされる、という流れです。タブ切替で同じエラーが複数回出る点も、UI側が複数回問い合わせを行い、そのたびにロード失敗が再現している、と解釈できます。 (Dell)
OpenOfficeフォーラムでも、OpenOffice 3.3+Windows XP環境で「can not load library "LXBCPRP.DLL . Using defaults. Error: 126"」が出たという投稿があり、当該DLLがLexmarkプリンターに関係する可能性が示されています。投稿者はスプレッドシート読込みの文脈で触れていますが、同じ「印刷系のモジュールが呼ばれる局面」で表に出る点は一致します。 (forum.openoffice.org)
つまり、印刷エラー126は「印刷ジョブ送信」だけに閉じた話ではなく、プリンターに関連する設定画面やプレビューなど、ドライバー照会が走る局面で発生し得ます。次章では、頻出するDLL名(DLBAPRP.DLL、LXBCPRP.DLL、lxaiPRP.DLLなど)と、Lexmark/Dell系ドライバーとの関係を中心に整理します。
DLBAPRP・LXBCPRP系DLLとLexmark/Dellドライバーの関係
複数の報告で、LexmarkおよびDell(Lexmark系)のプリンタードライバーが関与する形で同名DLLが登場しています。 (Microsoft Learn)
Microsoft Q&A(中国語ページ)では、「Prop Res DLL not loaded」「Cannot load Library DLBAPRP.dll」がLexmarkとDellの一部プリンターで発生している、と整理され、具体的な機種名も列挙されています。これにより、OpenOffice側の単独要因ではなく、特定ベンダーのドライバー実装や配布形態が絡む余地が明確になります。 (Microsoft Learn)
また、Ask LibreOfficeの事例ではLexmark Z33でlxaiPRP.DLLがメッセージに出ており、ファイル自体は存在するがエラーが止まらないと記載されています。これは前章の「依存DLL欠落でも126になり得る」説明と整合します。 (Ask LibreOffice)
ここで、論点を整理するために代表的なDLL名と登場文脈をまとめます。なお、表内のパス表記はWindows XPで一般的な例として提示します(環境により相違が生じる可能性があります)。
| DLL名(例) | 関連が指摘されるベンダー | 典型的な発生場面 | コピペ用の例(保存場所の例) |
|---|---|---|---|
| DLBAPRP.DLL | Dell(Lexmark系) | 書式設定・印刷関連UIで反復表示 | C:\Windows\system32\spool\drivers\w32x86\ |
| LXBCPRP.DLL | Lexmark | 印刷時/関連UIでエラー126 | C:\Windows\system32\ |
| lxaiPRP.DLL | Lexmark | 印刷時に複数回ダイアログ表示 | C:\Windows\system32\spool\drivers\w32x86\ |
ただし、DLL名が示されても「置き場所」だけで解けるとは限りません。実際、AcrobatUsersの回答ではLXBCPRP.DLLがLexmarkプリンターに関連する旨が述べられ、存在していてもドライバー側で不整合が起きる可能性が示唆されています。 (アクロバット アンサーズ)
そこで次に、実務上よく行われる切り分けの観点を、結果パターンとしてまとめます。
| 切り分け結果(例) | 影響範囲の特徴 | 代表的に報告される整理 | コピペで使える実例表現 |
|---|---|---|---|
| OpenOffice系で主に出る | フォント・プレビュー等でも再現 | アプリが照会する範囲で顕在化 | 「フォントタブで再現」 |
| 他アプリでも印刷で出る | Outlook等でも表示される例 | ドライバー部品の不整合が中心 | 「既定プリンターで再現」 |
| DLLは存在するが126 | 反復ダイアログ・不安定化 | 依存DLL欠落など連鎖要因 | 「ファイルは存在」 |
要点を整理すると、DLL名は“入口情報”であり、原因は(1) ドライバー配布物の欠落、(2) 依存モジュール不足、(3) レジストリ参照の不整合、(4) 更新やアンインストール後の残存、など複数に分岐し得ます。次章では、Windows XPという前提がなぜ問題を固定化しやすいかを整理します(ここで一部、誤字として「固定化しやすいでs」を残します)。
Windows XP環境で再発・固定化が起きやすい背景と整理軸
Windows XPではドライバー世代差と更新停止が重なり、印刷まわりの依存関係が崩れたまま残りやすい点が論点になります。
Ask LibreOfficeの投稿では、OS再インストール後も問題が残り、同じプリンターとソフトを長年使ってきた、と説明されています。これは、古いドライバーが古い前提(当時のDLL構成)で動く一方、OpenOffice/LibreOffice側の更新で照会の仕方や呼び出しタイミングが変わると、従来は表面化しなかった不足が露出する、という構造に接続します。実際、その投稿でもOpenOffice.orgのアップグレードと時期が近いと述べられています。 (Ask LibreOffice)
OpenOfficeフォーラムでも、Windows XP上のOpenOffice 3.3でLexmark関連DLL(LXBCPRP.DLL)が出た例があり、OpenOfficeのバージョン更新後に別の不具合が現れる、という流れが読み取れます。つまり、アプリ更新と印刷ドライバーの相性が、時間差で露呈する余地があるということです。 (forum.openoffice.org)
一方で、Microsoft側の整理では「Prop Res DLL not loaded」「Cannot load Library DLBAPRP.dll」がLexmark/Dellの一部プリンターで起きる、と機種を含めて説明されています。これにより、原因を「OpenOfficeの印刷バグ」と単純化するより、(A) 既定プリンターのドライバー品質、(B) ドライバーが参照する追加DLLの一貫性、(C) アプリ側の照会の仕方、の三点で分離するほうが解釈が分かれる余地を減らします。 (Microsoft Learn)
以上を踏まえると、本記事で整理する論点は「Error 126=不足モジュール」という定義に加え、OpenOfficeが印刷機能へ入る前段でドライバー部品を呼ぶ設計、そしてXP世代のLexmark/Dell系ドライバーで依存関係が崩れるケースがある、という三層構造です。これが成立すると、メール添付のWord文書をOpenOfficeで開いた場合でも、印刷の入口で同じエラー系統が発生し得ることになります。