
2025年12月のWindows更新を当てた直後から、「社内の業務アプリが急に詰まった」「IIS(Webサーバー)が落ちた」「ディスクもメモリも足りてるのに“足りない”って言われる」みたいな報告が、企業側でじわっと増えました。個人PCだと無風なことが多いぶん、気づいたときには“止まったら売上も止まる系”が直撃してるのが怖いところです。今回は、Microsoftが「まずは企業サポートに連絡して」と案内したMSMQ(Message Queuing:メッセージ キュー)不具合の中身と、いま取れる現実的な直し方をまとめます。 (TechRadar)
- 何が起きてる?「Windowsアプリ問題」の正体
- 発生日時と対象:どの更新がトリガー?
- 症状:エラーコードより“文言”が目印
- 原因:MSMQのセキュリティ変更が権限でコケた
- 公式対応:なぜ「企業は連絡して」だったのか
- 朗報:修正はKB5074976(臨時パッチ)で来た
- 今すぐできる確認と対処:現場向けの手順
- それでも直らない時:切り分けの“当たり所”
- コメント欄スレ:あなたの環境、どうだった?
- おまけ:同時期に出た“別のTechRadar案件”も一応
何が起きてる?「Windowsアプリ問題」の正体
原因の中心はMSMQが壊れて、裏で動く“キュー処理”が止まることです。 (TechRadar)
今回の話、見出しだけ読むと「Windowsアプリが動かない」なんですが、実態はもう少し限定的です。MSMQ(Message Queuing:メッセージ キュー)を使う業務アプリや、IIS(Internet Information Services:Webサーバー)上のサイトが、メッセージを書けなくなって落ちたり詰まったりします。普段は静かに動いてる“連絡係”みたいな部品なので、壊れると影響が地味に広がるのが嫌なんですよね。
発生日時と対象:どの更新がトリガー?
発端は2025年12月9日のセキュリティ更新(Patch Tuesday:定例更新)で、KB5071546などが関連します。 (TechRadar)
影響が強いとされたのは、Windows 10 バージョン22H2(OSビルド 19045.6691)に入るKB5071546、そしてWindows Server 2019のKB5071544、Windows Server 2016のKB5071543あたりです。 (TechRadar)
Microsoft側も「Windows Home / Pro(個人向け)では起きにくく、enterprise(企業)やmanaged IT environments(管理されたIT環境)が中心」と明言しています。 (TechRadar)
症状:エラーコードより“文言”が目印
典型的にはIISが “Insufficient resources to perform operation(操作を実行するためのリソースが不足しています)” で失敗します。 (Microsoft Learn)
厄介なのが、エラーコードがバーンと出るというより、メッセージ(文言)で誤誘導してくる点です。代表例はこのあたり。
「Insufficient resources to perform operation(操作を実行するためのリソースが不足)」でIISが落ちる。 (Microsoft Learn)
「There is insufficient disk space or memory(ディスク容量またはメモリが不足)」みたいなログが出るけど、実際は空いてる。 (Microsoft Learn)
「The message file 'C:\Windows\System32\msmq\storage*.mq' cannot be created(メッセージファイルを作成できない)」系が混ざる。 (Microsoft Learn)
さらに現場っぽい報告だと、.NETのSystem.Messagingで MessageQueueException が出て同じ文言に当たる、という投稿もありました。 (Microsoft Learn)
原因:MSMQのセキュリティ変更が権限でコケた
C:\Windows\System32\MSMQ\storage のNTFS権限変更により、MSMQが書き込めず失敗するのが根っこです。 (Microsoft Learn)
Microsoftの説明はわりとハッキリしていて、MSMQのsecurity model(セキュリティモデル)変更と、それに伴うNTFS permissions(アクセス権)の変更が原因、という整理です。通常は管理者だけが強く触れる場所に、MSMQ側が「書き込み権限ほしいです」となって、結果としてAPI(アプリ側の呼び出し)が“リソース不足っぽい失敗”に化けて出てきます。 (Microsoft Learn)
この手の変更、セキュリティ目的で入った可能性が高いので、安易に権限を緩める回避策が公開しづらい……という空気も感じます(ここ、後で話します)。
公式対応:なぜ「企業は連絡して」だったのか
Microsoftは当初「workaround(回避策)はあるが、Support for business(企業サポート)へ連絡して適用して」と案内しました。 (TechRadar)
TechRadarもBleepingComputerも、同じ点を強調しています。「直し方あるよ、でも各社は連絡してね」という形。 (TechRadar)
なんでこんな“呼び出し方式”なのか。推測ですが、(a) 影響範囲が企業寄りで、(b) MSMQは構成がまちまち、(c) 権限をいじる回避はセキュリティ事故の匂いがする、の3点が重なると、公開レシピにしにくいんですよね。しかもクラスタ(cluster:冗長構成)環境だと、下手な対処が二次障害になりがちで…うっ、想像しただけで胃が重い。
朗報:修正はKB5074976(臨時パッチ)で来た
2025年12月18日にout-of-band(定例外)更新KB5074976が公開され、このMSMQ問題は「Resolved(解決)」扱いになりました。 (Microsoft Learn)
ここが一番大事。Windows Release Health(公式の既知の問題ページ)では、KB5071546由来のMSMQ不具合は、2025年12月18日リリースのKB5074976で解消、と書かれています。Microsoft Update Catalog(更新カタログ)から入れられて、以降の日付の更新にも含まれる、という扱いです。 (Microsoft Learn)
「企業は連絡して」って言ってたのに、結局パッチ出たじゃん、というツッコミは…うん、言いたくなる。たぶん同じ人が作ってるわけじゃないので、そこは人間社会っぽいズレです。
今すぐできる確認と対処:現場向けの手順
“KB5071546系が入っていてMSMQ/IISが死んでる”なら、まずKB5074976の適用が第一候補です。 (Microsoft Learn)
(1) まず対象OSと更新の有無を確認します。Windows 10 22H2なら「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新の履歴の表示」でKB5071546が入っていないか見ます。 (Microsoft Learn)
(2) 同じ画面で、KB5074976が既に入っていないか確認します(入っていればこの件は“通過済み”の可能性が高いです)。 (Microsoft Learn)
(3) 入っていない場合、Windows Updateが配ってくるのを待てない環境では、Microsoft Update Catalog(更新カタログ)経由でKB5074976を適用するルートが現実的です。 (Microsoft Learn)
(4) 適用後は再起動し、IISのエラー(Insufficient resources…)やキューの非アクティブが再現するか確認します。 (Microsoft Learn)
(5) もし業務影響が大きく、パッチ適用の社内承認に時間がかかるなら、短期的にはrollback(ロールバック:更新を戻す)判断もあり得ます。ただし監査や脆弱性対応の都合があるので、ここは情シスとセキュリティの合意が必須です。 (TechRadar)
それでも直らない時:切り分けの“当たり所”
MSMQを使っていないのに同じ文言が出る場合は、別の原因を疑ってログを分離した方が早いです。 (Microsoft Learn)
今回の症状、ログが嘘をつくのが本当にやらしいので、「ディスク不足?」と寄り道しがちです。まずは“MSMQが入っているか、使っているか”を確認して、関係ないなら別件として切り分けましょう。
一方、MSMQが関係していて、KB5074976を入れても再現するなら、クラスタ構成や権限の個別事情が絡んでいる可能性が上がります。その場合は、Microsoft Support for business(企業サポート)に投げた方が早い、というのは皮肉だけど現実です。 (BleepingComputer)
コメント欄スレ:あなたの環境、どうだった?
同じKBでも「止まった/止まらない」の差が出るので、情報が集まるほど再発防止がラクになります。
よければ、あなたの環境を“短文で”置いていってください。雑でいいです、むしろ雑が助かる。
(1) OS:例)Windows 10 22H2 / Windows Server 2019
(2) 入ってたKB:例)KB5071546(+ KB5074976入れた/未)
(3) 症状:例)IISがInsufficient resources…、MSMQキューがinactive(非アクティブ)
(4) 使ってるもの:例)IIS、.NET、クラスタ有無、System.Messaging利用など
(5) 直った?:例)KB5074976で復旧、ロールバックで復旧、まだ再現
「うちはESU(Extended Security Updates:延長セキュリティ更新)組だけど関係あった?」みたいな話も歓迎。運用の前提が違うと、対処の優先順位も変わるので。
おまけ:同時期に出た“別のTechRadar案件”も一応
ESU登録で “Something went wrong(何か問題が発生しました)” が出る件は、別のout-of-band(定例外)修正KB5071959として案内されています。 (TechRadar)
今回のMSMQとは別筋ですが、同じ時期にWindows 10のESU登録がコケる問題も話題になりました。こっちは「登録ウィザードが失敗する」系なので、もし心当たりがある人はKB番号を取り違えないように注意です。んー、似た時期に似たノリで来るから紛らわしい。