
2025年10月16日公開
「突然、ローカルで動かしていたWebアプリが開けなくなった」——そんな悲鳴が世界中の開発者フォーラムにあふれました。原因は、**Windows 11の最新累積更新プログラム「KB5066835」**です。
このアップデートを適用したユーザーから、「localhost(ローカルホスト)」へのアクセスができなくなり、Visual StudioやASP.NETのデバッグが全面的に停止するという深刻な事態が発生しています。
このトラブルは、Microsoft公式フォーラムからReddit、Stack Overflow、Server Faultまで、わずか数時間で広範囲に波及。
問題は「HTTP.sys」というWindowsの内部コンポーネントが原因とみられ、ネットワークの専門家や企業開発者の間でも議論が続いています。
この記事では、この不具合の詳細、再現条件、暫定的な回避策、そしてMicrosoftの対応状況について、わかりやすく整理して解説します。
Windowsでローカル開発を行う全てのエンジニアにとって、見逃せない内容です。
- 2025年10月16日発生:開発者コミュニティ騒然のHTTP.sysバグとは
- KB5066835/KB5065789を削除すると復旧?海外フォーラムで広がる報告
- 原因はHTTP.sysの不具合か:HTTP/2プロトコル処理に異常
- 回避策①:レジストリでHTTP/2を無効化する方法
- 回避策②:KB5066835をアンインストールして再起動
- 対象環境:Windows 11 build 26100.6899(24H2を除く)
- Microsoft公式は沈黙中、24時間後に「調査中」とコメント
- Stack Overflow・Server Faultでの反応まとめ
- 開発現場への影響:ASP.NET/Visual Studioデバッグが全滅
- 今後の展望:Microsoftの修正版アップデートと注意点
- コメント欄で語ろう:あなたの環境ではどうだった?
- まとめ:小さな更新が“開発現場の大停電”を起こした
2025年10月16日発生:開発者コミュニティ騒然のHTTP.sysバグとは
この不具合は2025年10月16日(UTC時間13時過ぎ)に公開された、Windows 11の10月累積更新(KB5066835)を適用した直後から報告され始めました。
対象ビルドはbuild 26100.6899。Windows 11 24H2では再現しないため、既存環境での更新によって生じる「構成競合バグ」である可能性が高いとみられています。
最初に異常が確認されたのはMicrosoftの公式フォーラム。その後、開発者たちが一斉に「自分のlocalhostが落ちた」と報告を寄せ、同日夜にはStack Overflowの関連スレッドが急増。中にはVisual Studioのデバッグサーバーが立ち上がらず、開発を中断せざるを得ないケースも。
特にASP.NETやIIS Expressを利用しているユーザーでは、**「HTTP/2プロトコルの接続エラー」「接続のリセット」**というメッセージが多く見られました。
KB5066835/KB5065789を削除すると復旧?海外フォーラムで広がる報告
興味深いのは、複数の開発者が**「KB5066835をアンインストールすると、localhostが復旧した」と報告している点です。
さらに、環境によっては関連更新の「KB5065789」**も影響しているとの指摘があり、両方を削除することで正常動作に戻るケースも確認されています。
Stack Overflowでは、以下のような手順が共有されています。
(1) Windowsの「設定」→「更新とセキュリティ」を開く
(2) 「更新履歴の表示」→「更新プログラムのアンインストール」を選択
(3) 「KB5066835」および「KB5065789」を右クリックして削除
(4) PCを再起動
この操作後、ほとんどのユーザーがlocalhostに再びアクセス可能となったとのこと。
ただし、再起動後に自動更新が再び走ると再適用される恐れがあるため、一時的にWindows Updateを停止しておくのが無難です。
原因はHTTP.sysの不具合か:HTTP/2プロトコル処理に異常
問題の根本は、WindowsカーネルのHTTP.sysモジュールにあると分析されています。
HTTP.sysは、Windowsが内部でHTTP通信を処理するためのシステムドライバで、IISやVisual StudioのローカルWebサーバーもこの仕組みを利用しています。
開発者たちがイベントビューアを確認したところ、HTTP/2通信時に「接続が異常終了した」や「ハンドシェイクに失敗」といったエラーが記録されていました。
これにより、HTTP.sysがローカル通信を誤って遮断し、**「Windowsが自分自身と通信できない」**という珍しい状態が発生しているようです。
実際、海外の一部フォーラムでは「HTTP/2を強制的に無効化すると復旧する」との報告も上がっています。
回避策①:レジストリでHTTP/2を無効化する方法
手動でHTTP/2をオフにすることで、localhostの動作を取り戻せるケースが多く報告されています。
ただし、この方法は“応急処置”に過ぎず、慎重に行う必要があります。
(1) 「Windowsキー+R」で「regedit」と入力し、レジストリエディターを開く
(2) 以下のキーを探します
HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\HTTP\Parameters
(3) 新規DWORD値(32ビット)を作成し、名前を「EnableHttp2」、値を「0」に設定
(4) PCを再起動
これでHTTP/2機能が無効化され、HTTP/1.1モードで通信が行われるようになります。
一部ユーザーは「これでVisual Studioが動いた」と報告していますが、HTTP/2を利用する他のアプリケーションに影響が出る可能性があるため、注意が必要です。
回避策②:KB5066835をアンインストールして再起動
最も確実で簡単な解決法は、やはり該当の累積更新プログラムを削除することです。
削除後の再起動で、localhostが再び利用可能になる事例が多数確認されています。
ただし、Windowsのセキュリティ更新も同時に含まれているため、企業環境などではセキュリティリスクを伴います。
もし業務環境で使用する場合は、ネットワークを分離したテスト環境で実行するなどの工夫が必要です。
対象環境:Windows 11 build 26100.6899(24H2を除く)
今回の不具合は、Windows 11 build 26100.6899を中心に報告が集中しています。
一方で、クリーンインストールしたWindows 11 24H2環境では再現しないという報告が複数あり、単純なバグというより「既存構成との競合」である可能性が濃厚です。
つまり、既存のネットワーク設定・IIS構成・SSL証明書など、以前のWindows設定と新しいHTTP.sysの挙動がうまく噛み合わないことで、通信が遮断されているようです。
このため、新規インストールでは問題なく動作するのに、アップデート環境ではエラーが出るという不思議な状態が起きているのです。
Microsoft公式は沈黙中、24時間後に「調査中」とコメント
The Registerの記事によると、10月16日時点ではMicrosoftから正式な声明は出ていませんでした。
しかし翌17日午前9時54分(UTC)になってようやく、広報担当者が以下のコメントを出したと報じられています。
「現在、影響を受けたお客様への緩和策に取り組んでおり、推奨するガイダンスをこちらで公開しています。」
とはいえ、**「どのような構成が影響を受けるのか」「再発を防ぐアップデートはいつ出るのか」**といった具体的な説明はなく、依然としてユーザー任せの対応が続いています。
この“無反応の24時間”が開発者コミュニティの不信感をさらに高め、フォーラムはまるで炎上状態。
一部では「Redmond(マイクロソフトの本社所在地)では誰もテストしていないのか」と皮肉る声も出ています。
Stack Overflow・Server Faultでの反応まとめ
Stack Overflowでは、わずか1日で「localhost connection failed」関連のスレッドが20件以上新規投稿されました。
内容は共通しており、「KB5066835を削除したら直った」「HTTP/2を切ったら動いた」「でも再更新でまた壊れた」など、悲鳴にも似た体験談が並びます。
Server Faultでは、企業インフラ担当者の投稿が目立ちます。
IISベースのイントラネットが全滅したり、開発チーム全員がビルド不能になったりと、一つのパッチが現場全体を止めてしまう事態も発生。
興味深いのは、同じMicrosoft製ツールであるVisual Studioすら影響を受けた点です。
開発者の間では「自社製ソフト同士が通信できなくなるのは致命的」「品質保証体制はどこへ行ったのか」と厳しい声が相次ぎました。
開発現場への影響:ASP.NET/Visual Studioデバッグが全滅
この不具合の痛手は、一般ユーザーよりもソフトウェア開発者に直撃しました。
特にASP.NETやBlazor、Node.jsなど、ローカルWebサーバーを立ち上げて開発を行う分野では、ほとんどのプロジェクトが一時的に停止。
Visual Studioの「IIS Express」でテストしていた開発者は、アプリ起動時にERR_HTTP2_PROTOCOL_ERRORやERR_CONNECTION_REFUSEDが表示され、デバッグが不可能に。
GitHubでも、複数のリポジトリが「この不具合のせいでCI/CDが動かない」と報告しています。
Redditでは、「本番環境では動くのに、ローカルで立ち上がらない」「QAチームが1日止まった」といった声が続出。
まさに開発ライフラインが寸断された1週間となりました。
今後の展望:Microsoftの修正版アップデートと注意点
Microsoftは現在、「KB5066835」の不具合修正版を開発中とみられます。
ただし、これまでの傾向からすると、修正版の配信まで数日から1週間程度かかる可能性があります。
その間にできることは、以下の3つです。
(1) KB5066835/KB5065789をアンインストールしておく
(2) Windows Updateを「一時停止」に設定
(3) HTTP/2をレジストリで無効化して作業を継続
これらはすべて“応急処置”であり、恒久的な解決ではありません。
正式な修正版がリリースされた際には、必ず再インストールして環境を最新に戻すようにしましょう。
コメント欄で語ろう:あなたの環境ではどうだった?
あなたのWindows 11では、localhostは正常に動いていますか?
あるいは、同じくこのKB5066835で悩まされたでしょうか。
フォーラムでは「HTTP.sysを疑え」「IISが壊れた」「Dockerが動かない」と、開発者ごとに症状が微妙に異なっています。
ぜひコメント欄で自分の再現状況や、試した回避策を共有してください。
もしかすると、あなたの投稿が次の修正版に役立つヒントになるかもしれません。
まとめ:小さな更新が“開発現場の大停電”を起こした
今回の不具合は、たった1つのWindows更新が開発環境全体を停止させるほどの影響を持ってしまった。
HTTP.sysというWindowsの根幹部分でのバグが、いかに危険であるかを改めて思い知らされました。
KB5066835の削除で一時的に回避はできますが、再発防止にはMicrosoftの迅速な修正版が不可欠です。
開発者はアップデートの自動適用を一時的に止め、安定した環境を維持するのが得策でしょう。
この一件は、「Windowsが自分自身と通信できなくなる」という、なんとも皮肉な出来事として長く記憶されそうです。
あなたのPCも、今すぐ確認しておくことをおすすめします。