
Windows 11の大型アップデート「25H2」が2025年秋に正式配信され、多くのユーザーがシステム更新を進めています。
しかし、その一方で世界中のフォーラムや技術系ブログでは、「NVMe SSDが原因でアップデートが中断される」という報告が続出。
特に問題が集中しているのが、Western Digital(WD)およびSanDiskブランドのNVMe SSDです。
ドイツの有名テクニカルブログ Born’s Tech and Windows World の運営者・Günter Born氏によると、読者の間で「昨年の24H2アップデート時と同じトラブルが再発している」との指摘が寄せられているとのことです。
果たして、再び“あの悪夢”が戻ってきたのか?
この記事では、報告内容・再発の背景・該当モデル・回避方法を徹底的に解説します。
⚠️ アップグレード時に出る「NVMe SSDが非互換です」警告とは?
Born氏のブログによると、Facebook経由で届いた読者のメッセージが問題の発端でした。
「Windows 11 25H2へのアップデート中に、NVMeディスクが非対応だと警告された」というものです。
実際のスクリーンショットでは、次のようなメッセージが確認されています:
「このシステムにインストールされているNVMe SSD(Western Digital製)は、Windows 11 バージョン25H2と互換性がありません。このデバイスではアップグレードが一時的に保留されます。」
この表示が出たユーザーは、Windows 11の24H2から25H2へアップグレードを試みていたとのこと。
つまり、最新版への更新時に互換性チェックが働き、インストール自体がブロックされたわけです。
この挙動は昨年(2024年)のトラブルと酷似しており、当時もWDおよびSanDisk製NVMeドライブを使っていたユーザーの一部が「ブルースクリーン(BSOD)」や「起動不能」などの問題を経験していました。
💽 問題の発端は「Western Digital&SanDisk NVMe SSD」
では、どの製品が影響を受けているのでしょうか?
Born氏は、過去の24H2の問題を参照しながら、以下のモデルをリストアップしています。
■ 影響を受ける可能性があるNVMe SSDモデル:
- WD_BLACK SN770 NVMe SSD 2TB
- WD_BLACK SN770M NVMe SSD 2TB
- WD Blue SN580 NVMe SSD 2TB
- WD Blue SN5000 NVMe SSD 2TB
- SanDisk Extreme M.2 NVMe SSD 2TB
これらはいずれもDRAMレス(キャッシュなし)設計のモデルで、**Host Memory Buffer(HMB)**と呼ばれる技術を用いてメインメモリを共有しています。
このHMB機能とWindows 11のメモリ管理システムとの間で不具合が起こり、結果としてアップグレード時の互換性警告やシステム停止を引き起こしているようです。
特にWestern Digital SN770シリーズは、前回の24H2アップデート時にも同様の問題を引き起こし、マイクロソフトが更新配信を一時停止するという事態にまで発展しました。
🧠 再発の背景:「ファームウェア更新が未適用のまま」?
今回の25H2アップデートでの警告は、「Windows側の新たな不具合」というよりも、「SSD側のファームウェアが古いまま」であるケースが多いと見られています。
Born氏の読者は次のように報告しています:
「BitLockerを無効化してからファームウェアを更新したら、警告は消えました。」
つまり、ファームウェアを最新にすることで25H2へのアップグレードを再開できたとのことです。
この発言から、25H2では再び同じSSD検出ロジックが有効になっており、旧ファームウェアをブロック対象にしている可能性があります。
WDおよびSanDiskは2024年に「HMB関連のバグを修正するファームウェア」をリリースしており、これを適用していないドライブが25H2で再び警告対象になっていると考えられます。
🪟 「既視感のある問題」:24H2での経緯をおさらい
2024年10月、Born’s Tech and Windows Worldは「Windows 11 24H2: SSD firmware updates fix crashes」という記事を公開。
そこでは、WDおよびSanDisk製NVMe SSDでブルースクリーン(BSOD)やクラッシュが頻発していたことが報告されました。
問題の本質は、HMB(Host Memory Buffer)機能とWindows 11のメモリハンドリングの相性にあり、特定のSSDコントローラーファームウェアが正しく対応していなかったこと。
Microsoftはこの問題を認識し、影響ドライブがインストールされたPCには24H2アップデートを配信しないという一時的なブロック措置を取りました。
その後、Western DigitalとSanDiskが修正版ファームウェアを提供し、問題は一応解消したはず――でした。
ところが、今回の25H2アップデートで、再び“似た現象”が報告されているのです。
🧩 Microsoftのアップデート制御:なぜ警告が出るのか?
Windowsの大型アップデートは、常に「互換性チェック(Compatibility Safeguard)」という仕組みを通過して実行されます。
これは、ハードウェアドライバやファームウェアに既知の不具合がある場合、自動的に更新をブロックする安全機能です。
今回も、Microsoftのアップデートサーバーが、問題のあるNVMeモデルとバージョンを検出すると「互換性なし」と判断してアップデートを一時保留している可能性があります。
この動作は、ブルースクリーンなど致命的エラーを未然に防ぐための“防衛策”ですが、ユーザーから見れば「アップデートが止まった」「意味不明な警告が出た」と混乱を招きます。
特にWDやSanDiskのSSDをシステムドライブにしているユーザーは、24H2から25H2へ直接アップデートできないケースが確認されています。
🔧 ファームウェア更新で解決!実際の手順と注意点
報告されている限り、最も効果的な解決策はSSDのファームウェア更新です。
Western DigitalとSanDiskの両ブランドでは、2024年の段階で「HMB(Host Memory Buffer)関連の不具合修正版ファームウェア」を提供していました。
この更新を適用することで、Windows 11 25H2でも正常にアップグレードが進行したという事例が確認されています。
手順を整理すると次のようになります。
(1) BitLockerを一時的に無効化する
暗号化が有効なままだとSSDのファームウェアアップデートが弾かれる場合があります。
スタートメニューで「BitLocker」と検索し、「BitLockerの管理」→「ドライブの保護を一時停止」を選びます。
(2) WD Dashboard または SanDisk SSD Dashboardをインストールする
それぞれ公式サイトから無料で入手できます。
インストール後にSSDを認識させ、現在のファームウェアバージョンを確認します。
(3) 更新が提示されたら即適用
ダッシュボードが「最新ファームウェアが利用可能」と表示したら、案内に従って更新します。
完了後にシステムを再起動してください。
(4) 再びBitLockerを有効化する
セキュリティを戻すために、更新後は必ず再びBitLockerをオンにしておきましょう。
この流れで多くのユーザーがアップデートブロックを解除できたとの報告があります。
また、WD公式フォーラムでも次のような声が見られます。
「SN770のファームウェアを更新したら、25H2へのアップグレードが正常完了した」
「SanDisk ExtremeでBSODが出ていたが、修正版で完全に安定した」
つまり、ファームウェア更新がトリガー解除の鍵だと考えられます。
🧾 SanDisk公式サポートが明らかにした原因とは?
SanDiskは2024年の時点で、Windows 11 24H2のクラッシュ問題に対し公式サポート文書
「Internal SSD Critical Firmware Update Available for Solving BSOD on Windows 11 24H2 Update」を公開していました。
この資料によると、
問題の原因は「HMB(Host Memory Buffer)」機能が、特定のWindowsビルドでメモリ管理と競合すること。
これにより、NVMe SSDがOSから誤ったアクセスを受け、結果として**ブルースクリーン(停止エラー)**が発生するというものでした。
SanDiskのエンジニアによれば、この問題を解消するためにファームウェアレベルでHMB制御を最適化し、
Windows側との通信タイミングを調整する修正を加えたとしています。
25H2で同じ症状が再発しているのは、
「修正版を未適用の旧ドライブ」が依然として多く存在しているためと推測されます。
つまり、OSが悪いわけではなく、SSDのファームウェアが古いことが原因で再び警告対象になっているという構図です。
🪙 影響範囲は?企業ユーザーからも報告
今回の25H2アップデートでは、個人ユーザーだけでなく**企業システム管理者(IT部門)**からも警告報告が上がっています。
特に企業ではWD BlueやSanDiskのNVMe SSDを業務用ノートに大量採用しているケースが多く、
「アップデートが途中で止まる」「更新が配信されない」という問い合わせが増えているとのことです。
一部のIT管理者は、MicrosoftのUpdate Complianceツールで確認したところ、
“Safeguard ID 47912324” という互換性ブロック項目が25H2向けに設定されていると報告しています。
これにより、該当SSDが搭載されたデバイスには自動的にアップデート配信が停止。
Microsoftが安全性を担保するため、完全修正版が出るまで更新を延期する措置を取っているようです。
つまり、もし25H2がまだ配信されていない場合、
それは「問題があるから遅れている」のであり、焦って手動更新するのは危険です。
💡 今後の予測とユーザーへのアドバイス
Born氏は記事の最後でこう述べています。
「現時点では、25H2での問題がOS側なのかSSDファームウェア側なのか明確ではない。
だが、もし後者ならば、前回同様にファームウェア更新で解決できるだろう。」
実際、Windows 11のアップデート機構は年々慎重になっており、
特定ハードウェアに既知のバグがあると判明した時点で配信を止める方針が取られます。
そのため、25H2が“届かない”からといって心配する必要はありません。
むしろ大切なのは、アップデート前に自分のSSDの状態を確認しておくことです。
具体的には以下の3点をチェックしてください。
1️⃣ SSDのモデルを確認する
「設定 → システム → 記憶域」または「デバイスマネージャー」から確認できます。
2️⃣ ファームウェアバージョンを最新に更新
WD Dashboard/SanDisk Dashboardを必ず使い、最新の修正版へ。
3️⃣ アップデート前にバックアップを取る
問題が再発してもすぐに復元できるよう、外付けHDDまたはクラウドへバックアップを。
これを徹底することで、今回のトラブルを未然に防げます。
🧭 まとめ:再発した「NVMe問題」を冷静に乗り越えるために
2025年10月時点で確認されたWindows 11 25H2 × NVMe SSD問題は、
昨年とほぼ同様の構造で発生していることが明らかになりました。
- 問題が起きているのは主にWD/SanDiskのDRAMレスNVMe SSD
- 古いファームウェアのままだと25H2で警告が出る
- ファームウェア更新を適用すればアップデート可能
- Microsoftは安全策として配信ブロックを実施中
つまり、**「慌てず、まずSSDを更新」**が最も正しい対応です。
もしあなたが今、アップデート画面で「互換性の問題が検出されました」と表示されても、
それはシステムを守るための一時的な制御。
パニックにならず、WDまたはSanDiskの公式ダッシュボードからファームウェアを更新し、再起動して再試行してみましょう。
そして、今回の件から学べることは一つ。
ハードウェアもソフトウェアも、更新を止めた瞬間に“脆弱”になるということです。
OSの進化が早い今だからこそ、定期的な確認とアップデートこそが最良の防御策です。
💬 フォーラムに寄せられた声(一部抜粋)
「25H2で止まったけど、ファームウェアを更新したら即解決した!」
「SN770使ってたけど、もう少しで買い替えるところだった」
「MSが警告を出すのは腹立つけど、ブルスクになるよりはマシ」
あなたの環境ではどうですか?
同じ問題に遭遇した場合は、ファームウェアのバージョン番号とモデル名を共有してもらえると助かります。
再発防止のための“ユーザー同士の知恵共有”が、次の安全アップデートへの第一歩になります。