
2025年9月15日公開
Windows 11でゲームを起動した直後にブルースクリーンが出て再起動する、という相談が相次いでいます。とくにWarhammer 40,000: Space Marine 2(スペースマリーン2)の起動時に限って落ちるという声があり、一般ユーザーだけでなくゲーマーの方にも広く関係する話題です。この記事は、エラーコード0xA(IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL)の正体をやさしく解説し、家庭用PCでも実践できる切り分け手順と、再発防止までを順序立てて整理しました。ゲームだけが落ちるときは、ハード故障よりもドライバーや設定、OSの挙動が原因である可能性が高いことをまず押さえましょう。 対象はWindows 11(Home/Pro、23H2/24H2)を利用する一般・ゲーミングPCユーザーで、ビルドとしては22631系または26100系の想定を含みます。
- この記事の前提と想定環境
- どんな症状か:IRQL_NOT_LESS_OR_EQUALの正体
- コミュニティ報告:起動直後に落ちる実例
- 公式対応状況と考え方(2025年9月時点の一般論)
- まずは安全にできる基本の7ステップ
- ドライバーの「前後」切り替えで安定版を探る
- DirectXと描画バックエンドの回避策
- ミニダンプ収集と初期解析の勘どころ
- DDUによるクリーン入れ替えで「最初の一歩」を確定させる
- アンチチート(Easy Anti-Cheat)と起動モジュールの修復
- 仮想メモリとシステム整合性の再点検
- 上級:電源・BIOS・周辺機能の安定化
- 既知の安定版・バージョンの目安(2025年9月時点)
- 対象ユーザー層と再発防止の設計
- よくある誤解と避けたい手順
- ミニダンプ共有テンプレート(解析依頼の書き方)
- みんなの報告(コミュニティの声)
- まとめ:順序立てて“原因候補”を削っていく
- フォーラム風コメント欄(盛り上げ用テンプレ)
この記事の前提と想定環境
本稿はWindows 11の一般的な家庭向けPCを想定し、GPUはNVIDIAまたはAMD、ストレージはNVMe、電源管理は既定設定を前提とします。ゲームはSpace Marine 2を例にしますが、他のDirectX 12対応タイトルでも読み替えが可能です。エラー0xAはカーネルが不正なメモリアクセスを検知して発生するため、ドライバー層やシステム設定の影響を強く受けます。 バージョンの目安はWindows 11 23H2(ビルド22631.x)または24H2(ビルド26100.x)で、グラフィックスドライバーは直近3か月内の安定版か、それに準じるスタジオドライバー(studio driver)を推奨します。
どんな症状か:IRQL_NOT_LESS_OR_EQUALの正体
エラーコード0xA(IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL)は、CPUが高い割り込み優先度(IRQL)でアクセスしてはならないメモリ領域を参照したときに起こります。多くはドライバーの不整合、競合、破損、あるいは過度なOC(オーバークロック)や電源管理の不一致が引き金です。ゲーム開始直後に限って起きる場合、GPUドライバー、DirectX、アンチチート、オーバーレイなどゲーム周辺の初期化が焦点になります。 メモリ診断に異常がなくても、仮想アドレス空間の使い方やドライバーの呼び出し順が原因で同様の停止が発生します。
コミュニティ報告:起動直後に落ちる実例
2025年9月15日、Microsoftコミュニティには「Space Marine 2を起動するとクラッシュ→再起動を繰り返す」という投稿があり、ドライバー更新、Windows Update、ハードの差し直し、ゲームの再インストール、整合性検証、メモリ診断など基本対応を済ませても改善しない事例が示されています。第三者の初期診断でも特定できないときは、原因がストレージやメモリの物理不良ではなく、ソフトウェア層の相互作用に潜むことが多いのです。 同スレッドではIndependent Advisorがミニダンプ(minidump)の収集と共有を案内しており、原因特定の第一歩としてダンプ解析が推奨されています。
公式対応状況と考え方(2025年9月時点の一般論)
一部タイトルやドライバーの組み合わせで不安定化が生じることは珍しくありません。発売直後や大型アップデート直後は最適化が途上のこともあります。現時点で明確な一発解決パッチがない場合でも、設定とドライバーの組み合わせを調整することで実用上の安定化は十分に狙えます。 本稿では、危険性の低い順に手順を並べ、途中で挙動が変わった時点で原因候補を絞れるよう構成しています。
まずは安全にできる基本の7ステップ
最初は環境を壊さず、やり直しやすい順に確認します。順番を守ると、どの施策が効いたかを追跡でき、再発時の再現性も高まります。
(1) 完全シャットダウンと電源リセットを行います。Shiftを押しながら再起動を選び、電源メニューからシャットダウン、電源コードとPSUのスイッチを5分切ります。ノートはACとバッテリーを外せない場合でも放電待機をします。
(2) 高速スタートアップを無効化します。電源オプションで「電源ボタンの動作を選択する」から高速スタートアップのチェックを外し、通常再起動します。
(3) オーバーレイを一時停止します。GeForce Experienceのオーバーレイ、Radeon Softwareのオーバーレイ、Discord/Steamのオーバーレイ、FPSカウンターや録画系常駐をすべてオフにしてからゲームを試します。
(4) アンチチートとランチャーを修復します。ゲームランチャーの「修復(repair)」を実行し、管理者権限で一度起動します。ウイルス対策が競合する場合はリアルタイム保護のみ一時停止して動作確認します。
(5) 電源プランを「高パフォーマンス」または「バランス」に固定し、WindowsのGPU電源管理を既定に戻します。NVIDIA/AMDパネルの「電源管理モード」を既定または最適化重視に設定し直します。
(6) すべてのOCをいったん撤回します。CPU、GPU、メモリのXMP/EXPO、電圧調整、曲線オプティマイザなどを標準に戻し、再起動後に挙動を確認します。
(7) ストレージの空き容量を20%程度確保し、一時ファイルを整理します。Temp、DirectXシェーダーキャッシュ、ランチャーのダウンロードキャッシュを削除してから起動します。
ドライバーの「前後」切り替えで安定版を探る
基本対策で変化がない場合、グラフィックスドライバーを軸に切り分けます。最新が最適とは限らないため、一つ前の安定版へ切り替えて挙動差を見るのが近道です。 具体的には、現在のドライバーをクリーンアンインストールし、直近の安定版またはスタジオドライバーに入れ替えて検証します。ゲーム側が要求する最低バージョンがある場合はそれを満たす範囲で試します。入れ替え前後で同じベンチや同じセーブデータの地点を再現し、落ち方やタイミングが変わるかを観察します。変化が出ればドライバー起因の可能性が高まり、逆に全く同じなら別要因を優先して疑えます。
DirectXと描画バックエンドの回避策
起動直後に落ちるときは、描画APIの切り替えが効くことがあります。DirectX 12が不安定なら、ゲームの起動オプションでDX11相当へ切り替えて安定化を狙います。 ランチャーやショートカットに起動パラメータを追加できる場合は「-dx11」や「-d3d11」などの指定を試します。タイトルによってはゲーム内設定でレンダラーを選べるため、ウィンドウモードやボーダーレスに一時変更して初期化負荷を和らげます。シェーダーキャッシュの再構築を促すため、設定変更後は一度OSを再起動してからゲームを起動すると効果が安定します。
ミニダンプ収集と初期解析の勘どころ
原因を確定させる最短ルートは、発生直後のミニダンプを確実に取得して解析に回すことです。C:\Windows\Minidump に.dmpが生成されていれば、日時を控え、圧縮して共有するだけで有益な手掛かりになります。 もし生成されていない場合は、システムの「起動と回復」で「自動的に再起動」をオフにし、「小さいメモリダンプ(256KB)」を選びます。イベント ビューアーではWindowsログ→システムから「BugCheck」や「Kernel-Power」の時刻を確認し、クラッシュと周辺イベントの前後関係をそろえます。解析では犯人ドライバー名が必ず出るわけではありませんが、傾向(GPU周り、ストレージ周り、ネットワーク周り)を絞る材料になります。
DDUによるクリーン入れ替えで「最初の一歩」を確定させる
ドライバーを“完全撤去→既知の安定版へ入れ替え”すると、原因の切り分けが一気に進みます。 公式のDisplay Driver Uninstaller(DDU)を使い、安全にクリーン作業を行いましょう。入手はWagnardsoftの公式サイトからのみ行います。www.wagnardsoft.com+2www.wagnardsoft.com+2
(1) 公式のDDUをダウンロードして展開します。
(2) いったんネットワークを切り、Windowsをセーフモードで再起動します。
(3) DDUを起動し、GPUベンダー(NVIDIAまたはAMD)を選択して「クリーン&再起動」を実行します。
(4) 再起動後、ネットワークを戻してから安定実績のあるドライバーを導入します。
(5) ゲームを起動し、落ち方(タイミングや停止コード)が変わるか観察します。
アンチチート(Easy Anti-Cheat)と起動モジュールの修復
多くのDX12(DirectX 12)タイトルはアンチチート(Easy Anti-Cheat/EAC)を併用します。EACの破損や権限不整合があると、ゲーム初期化の瞬間に0xAへ落ちることがあります。 公式手順では管理者コマンドプロンプトでEACの工場出荷状態リセットを行えます(例:「cd "C:\Program Files (x86)\EasyAntiCheat_EOS"」→「EasyAntiCheat_EOS.exe qa-factory-reset」→echo %ERRORLEVEL%が0で成功)。easy.ac
(1) ゲームのインストール先内「EasyAntiCheat」フォルダーにある「EasyAntiCheat_Setup.exe」を管理者として実行し、Repair(修復)を選びます。eoshelp.epicgames.com
(2) 必要に応じてEACのキャッシュフォルダーを削除して再生成します(Steam掲示板ではAppData配下のEACフォルダー削除→再起動で起動成功の報告あり)。Steam Community
(3) ウイルス対策やVPNを一時停止し、ランチャーを管理者権限で起動して挙動を確認します。Reddit
仮想メモリとシステム整合性の再点検
ページングファイル(仮想メモリ)を「システム管理サイズ」に戻すと、ドライバーが高IRQLで参照するメモリの断片化影響を受けにくくなります。 併せてシステムファイルの整合性も確認しましょう。
(1) システムの詳細設定→パフォーマンス→詳細設定→仮想メモリで「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」をオンにします。
(2) 管理者コマンドで「sfc /scannow」を実行し、完了後に「DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」を実行します。
(3) 再起動後、ゲームを同じ条件で再検証します。
上級:電源・BIOS・周辺機能の安定化
ここからは再現性を確認しながら一つずつ進めます。OC(オーバークロック)やXMP/EXPOは標準へ戻し、Resizable BARやAdvanced Optimusなどの切替機構は一時的に固定化して検証します。 電源設定は「高パフォーマンス」または既定の「バランス」を推奨し、GPUコントロールパネルの電源管理は既定(最適化)に戻します。メモリ整合性(core isolation/Memory Integrity)はセキュリティ機能のため、最終手段として一時的に無効化→検証→即復帰の順に扱います。
既知の安定版・バージョンの目安(2025年9月時点)
最新版が必ずしも安定版とは限らないため、直近のWHQLや安定実績のある版を基準に前後へ振って試します。NVIDIAではGeForce Game Ready 581.29(2025年9月10日公開)を基準に、前後版で挙動差を比較する方法が有効です。NVIDIA AMDではAdrenalin 25.9.1が直近の注目版で、FSR 4対応など描画スタックの変化点が多いため、前版との比較検証が有用です。AMD+1 Windowsは24H2(ビルド26100系)と23H2(22631系)が並走しています。更新直後に症状が出た場合はロールバックや既知の不具合情報も確認しましょう。Microsoft Learn+1
対象ユーザー層と再発防止の設計
対象はWindows 11(Home/Pro 23H2/24H2)を使う一般ユーザーとゲーマーです。再発防止には「ドライバー入替の証跡化」と「設定差分の最小化」が効果的です。 ドライバー導入日はメモアプリに控え、起動パラメータやオーバーレイのON/OFFを1項目ずつ変更・記録します。クラッシュ直後の時刻、イベントID(BugCheckとKernel-Power)、発生手順を同じテンポで採取すると、原因の網羅漏れを防げます。
よくある誤解と避けたい手順
レジストリクリーナーや恣意的なbcdeditフラグ投入は、症状を覆い隠すだけで根治につながりにくいので推奨しません。 ページングファイルの完全無効化、常時のセキュリティ機能停止、根拠のない電圧盛りは逆効果です。まずは標準設定へ戻し、公式手順と検証可能な範囲の調整で進めてください。
ミニダンプ共有テンプレート(解析依頼の書き方)
同じ症状の仲間と情報を突き合わせるには、最小限で正確な情報共有が近道です。 下をコピーしてフォーラムに投稿してください。
(1) OSとビルド:Windows 11 24H2(ビルド26100.x)/または23H2(22631.x)
(2) GPUとドライバー:例 NVIDIA 581.29、またはAMD Adrenalin 25.9.1
(3) 発生条件:起動直後/ロード開始時など
(4) 停止コード:0x0000000A(IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL)
(5) 再現手順:起動→タイトル表示→クラッシュまで
(6) ミニダンプ:C:\Windows\Minidump のZip共有リンク
(7) 直前作業:Windows Update/ドライバー更新/OC有無
(Microsoftの説明では0xAは高IRQLで不正なアドレス参照を行った際に発生、ドライバー起因が多いとされています。)Microsoft Learn+1
みんなの報告(コミュニティの声)
同じ症状でも“効いた施策”は環境で違うため、複数の成功例を横断参照するのが有効です。 たとえばSteamの掲示板では「AppData配下のEasyAntiCheatフォルダーを消して再起動したら起動した」との短報がありました(「%appdata%\easyanticheat を削除→再起動でOK」)。Steam Community また、EAC公式ガイドには管理者コマンドからのリセット手順が示されています(「EasyAntiCheat_EOS.exe qa-factory-reset」)。easy.ac ドライバー面ではNVIDIA 581.29やAMD 25.9.1といった直近版の導入・前後比較で改善するケースが見られます。NVIDIA+1
まとめ:順序立てて“原因候補”を削っていく
0xA(IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL)は“ドライバーと初期化の相性”で出やすい停止コードなので、DDU→EAC修復→仮想メモリ整備→電源/BIOS標準化→前後ドライバー比較の順で確実に削っていくのが最短です。 Microsoftの公式見解もドライバー起因を示唆しており、ミニダンプ採取と併走すると特定が早まります。Microsoft Learn+1
フォーラム風コメント欄(盛り上げ用テンプレ)
以下を埋めてコメントすると、同症状の仲間から実体験のフィードバックが集まりやすくなります。
(1) CPU/GPU/メモリ構成:例 i7-12700+RTX 4070、32GB(XMPオフ)
(2) OS/ビルド:例 Windows 11 24H2(26100.37xx)
(3) ドライバー版:例 NVIDIA 581.29/AMD 25.9.1
(4) 発生日時とタイミング:例 2025年9月15日 21:10、ゲーム起動直後
(5) 直前に変えた設定:例 Discordオーバーレイを無効化
(6) 対応して“効いた/効かなかった”:例 DDU後に安定、EAC修復は変化なし
(7) ミニダンプ共有リンク:例 OneDriveのURL
最後に、Space Marine 2のような大型タイトルはアップデートで振る舞いが変わることがあります。今後のパッチやドライバー更新で“急に直る”ことも珍しくありません。今日の自分の安定構成を記録し、変化が出たら一つ前に戻せる準備をしておきましょう。