間もなく中華圏最大の祝祭日である春節を迎えます。今年は2月17日。各地の中華コミュニティーではいままさに正月準備の真っ只中といった感じでしょうか。
去年の春節時期をバンコクで過ごしていた私とツレは、「特に予定もないし、チャイナタウンでも行ってみるか」と、軽い気持ちで春節前日の夕方にヤワラーを訪れました。今回はその時の話を。
バンコクの春節
前提として、タイの正月は水かけ祭りで知られるソンクラーンです。春節は祝日扱いになりません。しかし、国民の約1割を華人が占めるタイでも、場所によっては盛大に春節が祝われます。
バンコクのヤワラーやホイクワンがその好例。爆竹もバンバン鳴っています。また、サムヨット最寄りのSan Chao Pho Sua(サンチャオ・ポー・スア/ศาลเจ้าพ่อเสือ)やWat Thipphaya Warin Wihan(ワット・ティパヤ・ワーリー ウィハーン/วัดทิพยวารีวิหาร)をはじめ、有名な中華系神社&寺院には朝から晩まで参拝客がひっきりなし。

あとは、この時期に中国から観光客が大挙するため、空港やデパートの装飾も中華正月仕様に様変わりします。これは日本でも似た光景が見られますけどね。
写真上は、2025年のプロンポン駅前の様子です。Emporium(エンポリウム)、Emquatier(エムクオーティエ)、Emsphere(エムスフィア)がパンダだらけ。
ただし、バンコク全域が春節一色に染まるわけではなく、「タイの正月はソンクラーンだから私たちには関係ない」だの、「爆竹が怖いから華人コミュニティーには近づかない」だの、春節に対して冷めたスタンスを取っているタイ族の方は案外多いみたいです。
春節前日のヤワラー(とサンペンレーン)
春節時期のバンコクでもっとも賑わっている場所は、やはりタイ最大のチャイナタウンが広がるヤワラー周辺エリア。
元旦にあたる春節当日はもちろん、そこから数日間(※中国本土の連休期間中)は、最寄りのワットマンコン駅の改札を出るのもひと苦労だと聞き、あえて前日に足を運んでみるも、想像以上にワチャワチャでした。

レストランも屋台も大混雑。道路は大渋滞。信号がほぼ機能せず、車道に人が溢れ出ているあり様です。「ソンワット通りで軽くお茶でもしよう」なんて計画は即座に諦めました。
駅前の大通り沿いで唯一空いていた店は、ディスペンサリーのGreen Houseのみ。用もなく涼みに入ってしまったくらいです。
なお、普段なら夜遅くまで営業しているサンペンレーンについては、16時台の段階で8割以上のショップが店じまい。あの狭い通りではさっそく爆竹パーティーが催されていました。
地元商人に崇敬される龍尾廟
そうしたカオスな状態のなかで、ヤワラーの象徴とも言えるWat Mangkon Kamalawat(ワット・マンコン・カマラワート/วัดมังกรกมลาวาส)に辿り着けるはずもなく……。
駅から10歩進んだか、進まないかの段階で、さっさと見切りをつけ、すぐに引き返した私たちは、Wat Mangkonの代わりにサンペンレーン方面へ向かう途中で見かけたSan Chao Leng Buay Eia(サンチャオ・レイ・ブアイ・イア/龍尾廟)へ。
大晦日にフライング初詣する華人や中国人旅行者は流石に少なく、境内は思ったほど混んでいませんでした(※同じ時間帯のWat Mangkon Kamalawat方面へは非中華系ツーリストが殺到)。

この神社を参拝するのは初めて。「ヤワラーでお参りするのはWat Mangkon一択」と謎に固定化していた私は、こういう機会でもないと、たぶん訪れなかったと思います。
San Chao Leng Buay Eiaは潮州系の移民が築いた神社。創建はアユタヤ時代中期の1658年で、一説では現存するタイ最古の中華系の祠だとか。少なくとも1871年建立のWat Mangkonよりだいぶ古いです。
正面中央には、神社の名前にもなっているレン・ブアイ・イア(※漢字表記は冷不易)と夫人が祀られ、その左右に関羽と天后の祭壇もありました。

肝心のレン・ブアイ・イアに関しては、守護神ということ以外の詳細がわからなかったものの、この守護神と関羽のダブルパワーで強力な商売繁盛のご利益があると信じられているそう。
加えて、明朝時代後期や清朝の康熙帝時代に描かれた貴重な仏教美術品を多数貯蔵しているらしく、「Wat Mangkonが混んでいたから、代わりにここでいいか」などと、失礼な動機で門を潜ってしまった私は完全に罰当たりでした。深く反省しています。
何はともあれ、期せずして素晴らしい古社と出会ってしまった私は、これをきっかけにヤワラー界隈にあるWat Mangkon以外の神社仏閣も巡ろうと考えた次第です。
まとめ

この時期にヤワラーへ行く方は、ある程度の混雑を頭に入れ、時間に余裕を持って行動するかと思います。それでも、タクシーやバスでは向かわないほうがいいかもしれません。
私だったら春節当日にワットマンコン駅は利用せず、隣のフアランポーン駅かサムヨット駅から歩きます(※たぶんチャオプラヤー・エクスプレス・ボートも、めちゃくちゃ混乱していると予想)。
ついでに、サンペンレーンでの買い物も別日にしたほうがいいでしょう。「春節期間は休みます」的な貼紙も多く見かけました。その先のパフラット市場は概ね通常営業です(※一部の華僑系店舗は休業していました)。
今年の春節もヤワラーに多くの人が押し寄せ、そのなかには日本人もたくさんいらっしゃるかと思います。ヤワラー見物を予定されている方は、諸々に留意して、くれぐれもスリや置き引きには気をつけ、思いっきり楽しんできてください。
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