タイ南部の玄関口であるチュンポーンは、タオ島やパンガン島への経由として知られる場所。大半の旅行者は素通りするだけです。
乗り継ぎの都合で1泊すれば、まだマシなほう。ここを訪れる外国人は平均2~3時間しか滞在していない気もします。
タオ島とパンガン島が大好きな私とツレも、チュンポーンで馴染みがあるのはLomprayah(ロムプラヤ)のフェリー乗り場のみ。
そこで、直近のタイ旅ではチュンポーンにガッツリ滞在し、あれこれ探索してきました。なお、バンコクからの行き方はこちらのページをご参照ください。
チュンポーンの概要
プラチュワプキーリーカン県、スラートターニー県、ラノーン県と接するチュンポーンは、中部と南部を結ぶ交易の要であると同時に、漁業と農業が盛んな県。
とりわけタイの輸出産業にとって重要なゴムの木や、ロバスタ種のコーヒー豆、パーム油の原料となるアブラヤシの栽培に力を入れています。
チュンポーン駅裏手の川を渡ったあたりに極小のスラムと思しき一画があった程度で、国内の他エリアに比べ、市街地での貧富の差はほとんど感じず、道路だって郊外のちょっとした脇道までキレイに舗装されていました。

総じて、インバウンドに依存せずとも地元の人たちでしっかり経済を回せている印象。地域経済が安定し、よそ者があまり入り込んでいないせいか、治安もかなり良さげです。
例えば、わりと目の敵にされがちなタイ警察も、チュンポーンではさにあらず。パトロール中の警官と市民が談笑したり、和やかに挨拶を交わしたりする場面をよく見かけました。
観光面から見たチュンポーン
タイランド湾と面したチュンポーン県には、ビーチがあちこちに広がっています。観光資源はそれなりに豊富で、一部のエリアではリゾート開発した形跡も……。
ただし、閉業しているホテルが目立ち、外国人向けの飲食店は開店休業状態が多数。観光産業に関しては諦めムードが漂っています。

コーヒー栽培にしたって、ラノーンやクラビといった南部の他県は収穫体験ができるファームステイを筆頭に、観光産業と結びつけた施策を積極的に打っているのに対し、チュンポーンでは現状そうした動きがほぼ見られません。
とはいえ、無理矢理リゾート施設を増やすより、むしろ観光客に媚びず、ただただタイ南部の普通の田舎を堪能させてくれる点にこそが、有名ビーチ・リゾートにはないチュンポーンの魅力だと思っています。
チュンポーンで何をする?

観どころや名物はまあまあ存在します。しかし、どれも滞在の目玉になるほどではありません。
じゃあ、チュンポーンで何をするのかと言うと、それは「何もしないを楽しむ」に尽きるでしょうか。「何それ?」と思われますかね。
でも、実際にそういう土地なんですよ。私とツレは1日1か所か2か所、寺院なり景勝地なりに行って、あとはボーっと過ごしました。最高に贅沢なひと時です。
どんな人にオススメ?
タイ・リピーター
まず、何度かタイに行っていて、タイ国内の人気リゾート地でもヴァカンス経験のある方には激しくチュンポーンをオススメします。
中心部であっても英語が通じる店は稀で、メニュー表記はだいたいタイ語オンリー。外国人が少なく、郊外の観光スポットにいたっては人すらいません。
ちょっとした秘境より穴場かも。街全体がすれてなくて、そこに新鮮味を覚えるはずです。Grabの運転手さんに「この仕事を続けてきて、今日初めて日本人を乗せた」と言われた旨も付記しておきます(※中国人と韓国人はまだ乗せていないとか)。
ノマドワーカー
続いては、ワーケーションで長中期滞在する方。William Russell社(※UKの保険会社)の発表したワーケーションに最適な地域ランキングでパンガン島が世界1位に選ばれていましたが、いやいや、チュンポーンを忘れていますって。
海もあって、緑もあって、大自然に囲まれつつ、大型スーパーやコンビニや病院へアクセスしやすく、インターネット環境も整っている――このへんはパンガンもチュンポーンも同じ。
加えて、チュンポーンは物流の効率性が高く、島よりも物価が格段に安いです。家賃や宿泊費も安いです。さらには、先述した通り治安も良いです。治安の良さは、そのへんにヤク中がいるパンガンとは比較になりません。
ファミリー層
治安の良さで考えると、ファミリー層にもピッタリ。数年前に外国人を相手にした街で唯一のバービアが潰れて以降、現在、チュンポーン中心部に表立った風俗店は皆無(※裏営業系はわかりません。流石にあるのかな)。
タイの観光地/リゾート地にはつきものだけど、子どもの目には極力触れさせたくないオトナの遊び場がないというのは、お子様連れの旅先を選ぶ際に1つのアドヴァンテージになり得るのではないでしょうか。
釣り好き・海好き・鳥好き
最後が雑な括りですみません。沿岸漁業が盛んなチュンポーンは釣り好きの間で密かに話題のエリアらしいです。
また、沖合にはダイビングやシュノーケリングのスポットも点在(※生態系はタオ島周辺と近似)。海沿いにはダイビング・センターがチラホラありますし、漁村でボートタクシーもチャーターできます。
陸地に目を向ければ、こちらはこちらでバード・ウォッチングの名ポイントが充実。1つ例を挙げておくと、Khao Dinsor(カオディンソー/จุดชมวิวเขาดินสอ)では複数の猛禽類が見られるのをウリにしています。
もっとも、それっぽい景勝地に出向かずとも、小道をバイクで走っている時や宿のバルコニーでくつろいでいる時に、野生のクジャクやカワセミのほか、観たことのない色合いや聞いたことのない鳴き声の鳥たちと遭遇しました。
交通手段

一応、ソンテウ(乗り合いバス)は走っているものの、本数はわずか。滞在中の足にするにはだいぶ頼りないです。バイタクとタクシーは駅前にチョロチョロ待機。そのほかの場所で捕まえるのは難しいと思われます。
で、市街地はGrabが普通に使えます。郊外は微妙。ちなみに、宿泊先のオーナーから「駅に着いたらGrabで来てね」とわざわざメッセージをもらいました。つまり駅前のバイタクとタクシーはぼったくり傾向が強い模様(※のどかな田舎でもやっぱりタイのタクシーはダメなのか?)。
となると、やはりレンタル・バイクがベストです。バイクでの移動を考えている方は、宿を予約する前にバイクを借りられるか必ず確認してください。

島行きのフェリーや航空券を手配している旅行代理店で借りられる以外、バイク・レンタルの看板を掲げている店は見ませんでした。
バイクの運転に不安がある方は自転車を借りるのも手(※バイクと同様に、宿を予約する前に要確認)。道路の舗装が行き届いているうえに、自転車専用レーンが設置されている区画も多く、サイクリストにめちゃくちゃフレンドリーです。
ベストシーズンは?

雨量が多いのは5~11月。酷暑期は3~5月で、日中の平均気温は37~38℃まで上がります。それでも40度を超える内陸部の酷暑期よりは、海が近いぶん、いくらか過ごしやすいですかね。
ベストシーズンは雨期と酷暑期を除いた12~2月の間。観光サイトにもそう書かれています。が、12月は要注意。災害級の豪雨が起こりやすいのは雨期の最終盤。雨期入り/雨期明けのタイミングはその年ごとにけっこう変動します。

現に、昨年12月13~14日にチュンポーンを含む南部5県で大雨洪水警報が発表され、幹線道路や国鉄の線路は冠水。一時的にバスも電車も運休せざるを得ないなど、甚大な被害に見舞われました。
地元の人も「あんな豪雨は生まれて初めて。家からボートで避難した。死ぬかと思ったよ」と話してくれましたっけ。
カラッとしていて過ごしやすいのは12月下旬から2月。多少の暑さに強い人は3月もOK。雨期でも6月と7月、次いで8月は統計的に雨量が少なく、「せっかくの旅行がずっと雨で台無しだった」的な事態にはならない気がします。
まとめ

景観良し、治安良し、ローカル度高し、メシ美味し、物価安し……と、文句のつけどころがないチュンポーン。これまで素通りしていたのが悔やまれるくらい、私とツレは気に入りました。
いままでとは違う角度でタイのおもしろさを発見でき、それが自分たちの旅の在り方を見つめ直すきっかけにも繋がっています。次回以降は、そんなチュンポーンのグルメ情報や観光スポットを連投していく予定です。
ランキング参加中。ぜひ応援クリックお願いします。