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宮田珠己『ジェットコースターにもほどがある』|読書旅vol.101

大型連休っぽいアクティヴィティーを何ひとつしないまま、GWが後半戦に突入してしまいました。残りの3日間も特にアガる予定は控えていません。

そこで少しはレジャー気分を味わおうと、今回は『ジェットコースターにもほどがある』(集英社文庫)を選んだ次第です。

 

絶叫ライドを乗り倒せ!

2002年リリースの単行本をベースに、2011年に加筆・修正して文庫化された本著は、石ころやベトナム盆栽、迷路、海の変な生き物など、さまざまな方面に関心を寄せる旅行作家の宮田珠己さんがジェットコースターをテーマに編んだエッセイ。

端的に説明すると、著者が北米台湾日本のジェットコースターを乗り倒し、その感想をひたすら綴っていく作品です。それ以上でもそれ以下でもありません。

もともとジェットコースターが大好きな宮田さんは、世界一ジェットコースターの多い国=アメリで遊園地巡りをしたいと夢見るも、同行者が見つからずに実現できなかったとか。

バックパックを担いで世界中を旅してきた著者をしても、なかなか海外でのひとり遊園地はハードルが高かったようです。

そんな折に救世主が出現。ジェットコースター専門のホームページを作っていた高校3年生アメリカ旅を計画していると知り、宮田さんから接触を試みます。

果たして、自分の年齢より半分も歳下の少年を相棒に、LA→サンフランシスコ→オーランド→クリープランドの4都市ツアーを敢行。遊園地以外はどこへも寄らない硬派な旅程です。

1か所目に訪れたナッツベリーファームでは、お目当ての木製コースターがその日に限って運休。出鼻を挫かれます。

しかし、気を取り直してペリラス・プランジ(冒険的な突入)なる名前の超大型ウォーターシュートに乗り、“乳首が透けるほど水浸し”になりながら“冒険というより災害のような乗り物”とご満悦。

その後も順調に旅を続けていく過程で、アメリカのジェットコースターが速いのは重さのせいもあるのではないかという説を打ち出し、「遊園地はデブと行くべし」との独自の見解を示すのでした。

 

何事もほどほどがいい?

夜行便に乗って次の都市へ移り、頭がフラフラの状態で空港から遊園地へ直行。想像するのもしんどいスケジュールをこなすなか、旅の後半には流石の宮田さんにも疲れが見えはじめます。

この5日間でロサンゼルス、サンフランシスコ、オーランドと移動しながら、6か所の遊園地を回った。遊園地はこんなに駆け足で次々とめぐるものだったかと思う。しばらくの間日常から脱し、すべてを忘れて楽しむ場所が遊園地かと思うが、現在のところ遊園地が日常である。すべてを忘れてホテルでゆっくり休みたい。

そりゃそうでしょうとも……。絶叫ライドの武者修行inアメリカを終え、しばらくは平穏な日々を過ごすかと思いきや、翌年には別のマニアと人生2度目の北米ジェットコースター旅へ。

そして、その半年後にも新型コースターのためだけに3泊5日でLAを訪問。同じ場所に2日間通って計6回も乗ったらしいです。この熱量と飽くなき探求心たるや。オタクを甘く見てはいけません。

 

本でスリルをどう表現するか

この本の何に感動するって、各ジェットコースターの個性迫力をしっかり作品に落とし込んでいる点。映像ならまだしも活字媒体ですよ。

味のある本人作の手書きイラストと、“おおおおおお!(P26より)”“わああああ(P82より)” “うおおおおおおっ!(P275より)”といった擬音語も随所に散りばめ、読者にスリルを味わわせてくれます。

あれ、おかしいな。自分では称賛しているつもりなのに、文字にすると若干小バカにしているふうに読めてしまうのは、私の文章力のなさゆえ? きっとそうに違いないです。

驚きの臨場感に加えて、世界の名だたるジェットコースターの多くはスイスオランダのメーカーが手掛けていることや、レールの局部的な形状の種類コブラロールやバットウィング他、どれもプロレス技の名前みたいでカッコイイ)をはじめ、おそらく人生において何の役にも立たないであろう豆知識を得られるのもさりげないポイント。

絶叫マシーン嫌い高所恐怖症の後輩をよみうりランドへ連行し、バンデットやバンジージャンプを体験させてなぜ嫌いかを科学的に(?)検証してみたり、理想の遊園地を考案してみたりするくだりにも、腹を抱えて笑わせてもらいました。

 

お得に疑似体験

最後に、私はジェットコースターがあまり得意ではありません。軽めのやつはイケるものの、愛好家が太鼓判を押す本気系アトラクションはNG。かつて勢い余って乗ってしまった富士急ハイランドのFUJIYAMAで失神しかけました。

だから、宮田さんの体験記は私にとって未知の世界。表紙に選ばれたコースターなんて、端っこの乗客の位置がレールの外に飛び出しちゃっているじゃないですか。

地球上には大胆かつ奇抜アホなマシーンがたくさん存在するんですね。それを巧みな表現で疑似体験させてくれる宮田さんには感謝の気持ちしかありません。

もう十分にお腹いっぱい。私もド級のコースターを乗り倒した気分です。大いに笑って、大いにハラハラして、とても良いGWになりました。

※記事内の画像はフリー素材を使用しています。本著とは直接関係ありません。

www.shueisha.co.jp

 

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