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欧米時代の終わり

私は、この世界がどの方向に向かおうとしているのか、考え続けている。向こう30年の世界がどのようなものになるのか。

私は10か月前にチェンマイに住み始めたとき、英語圏を軸にした生活を試みていた。英語の動画や記事を読み、ここにいる欧米人たちと交流することで、英語圏に没入して、日本語圏からなるべく距離を取ろうという試みだ。

しかし私は運が悪かった。第2期のトランプ政権が誕生してしまったからだ。トランプ政権の多くの政策は控えめに言ってもめちゃくちゃで、多くの人たちを激怒させた。英語圏の雰囲気が極めて険悪なものになり、そこで情報収集することが本当につらくなってしまった。私が子供のころから敬愛していた米国はどこかに消えてしまった。欧州はかろうじて良心が残っているが、不機嫌な排外主義者たちの影響は増し続けている。

欧米の社会インフラは昔に完成したぶん、古くなっていて、新興国のものに見劣りすることも増えた。欧米の一流の学者たちの考察は素晴らしいと思うものの、どうしようもない反知性主義者たちに攻撃されて守勢に回っている。

トランプのウクライナ戦争を巡る迷走は見苦しいし、ガザ対応は嘆かわしい。欧米は、米国とそれ以外の勢力に分裂して、醜い罵り合いを続けている。

私の中で欧米に対する憧れが完全に消えてしまった。英語は、欧米社会に近づくための魔法の杖だったのだが、その魔法も解けてしまったようだ。英語は引き続き、世界共通語として重要だが、もはやそれは欧米だけのものではない。

私は、いろんな国の文化に触れたり人と交流することは大切なことだと思っている。だが、それは欧米を特別視するものではなく、世界中をもっとフラットに見たものだ。確かに一人当たりGDPという形で世界中は国単位の大きな貧富の格差が残っている。しかし、国の間の貧富の格差は昔に比べるとだいぶ縮小した。いまは貧しい国であってもずっと貧しいままとは限らない。豊かだが経済成長しない国(まさに日本のような)より、貧しくても力強く経済成長を続ける国の人たちのほうが主観的に幸福度が高いということもよくある(人の幸福は、豊かさの絶対値ではなく増加速度に比例するのだ)。

もう10年前の常識が通用しない世界に突入してしまったのだ。新しい世界。新しい秩序。頭を切り替えて新しい世界に適応していく必要がある。

こう言うと日本では嫌がる人が多いだろうが、私は今後、ますます中国が世界で指導的な立場を固めていくだろうと思っている。なぜなら中国経済の潜在能力が高すぎるからだ。なにせ中国は、21世紀型の技術体系である再エネ・蓄電池・EV・IT・AI・ロボット等でぶっちぎりの強さを誇っている。確かに中国経済が多くの問題を抱えているのは認める。不動産バブル崩壊後の不良債権問題。若年層の深刻な失業。海岸部と内陸部の貧富の格差。少子高齢化の加速。もちろん政治の問題も多い。習近平の政策が息苦しいと感じている中国人も多いだろう。様々な国民の不満を強権で抑えているのも確かだ。

それでも私は中国がこのまま衰退していくようには思えないのだ。中国の政治が変わるとはいまは信じられないかもしれないが、過去を振り返れば、中国の政治は変化するときには、わずか数年で激変することがある。毛沢東から鄧小平への権力移行もそうだった。いつまでも習近平の重苦しい時代が続くとは限らない。完全に民主化するわけではなくても、突然、欧米好みの開放的な政権が誕生する可能性すらある。中国については未来がわかると言っている人たちは、アホか嘘つきだと思う。中国共産党のトップエリートたちでさえ、未来がどうなるかはわかっていないと思う。

そしてインド。いまはトランプと喧嘩して米国に高い輸入関税を掛けられてしまった。短期的にはこれがインドを中国に接近させるかもしれない。ときどきトランプは無茶に暴れまくってアジアの国々を団結させる「青鬼」の役割を買って出てくれているのではないかと疑いたくなるときがある。インド自身が無数の問題を抱えているので経済成長はかつての中国ほど簡単ではないだろうが、近年のEVや再エネでの急速なキャッチアップを見ると躍進の可能性は残されている。人口ピラミッド的にも若い人たちが多いという人口ボーナスを生かすにはいまが最後のチャンスではある。

そして中国とインドに挟まれた地域である東南アジア。ベトナムインドネシアを筆頭に、今後も順調に経済成長が続くであろう。

日本語圏では中国を見下すような、まるで30年前に生きているような議論が横行しているが、現実を直視してほしい。世界は変わったのだ。一部の国や地域だけが世界を支配するような時代が終わり、世界中の国々がよりフラットな立場で関わりあう時代へ移行しつつあるのだ。




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