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「日本企業」という幻想

たとえば次のような記事を読んで何を感じるだろうか?

www3.nhk.or.jp

もともとインドで大きなビジネスを持つスズキ。今回EVをインドで作り世界に向けて輸出しようとしている。「日本企業が世界で活躍している」と素直に喜ぶ日本人が多いだろう。

しかしこれは本当に喜べることなのだろうか?

もともとインドでスズキは現地生産の部品を使うことが多い。EVの心臓部である蓄電池は BYD製。確かに開発自体はスズキ、トヨタダイハツ等、日系メーカー主体でやったようだが、日本のサプライチェーンからどれくらいの部品が調達されるのか。あっても多くはないだろう。

もしスズキがインドでEVを作らなければ、日本で作って世界に輸出していたかもしれない。つまり日本でのEV生産を犠牲にしているということだ。それは日本におけるEVサプライチェーンも育成し損なっていることを意味する。

いまトヨタも、中国で中国のサプライチェーンに頼ったEV作りに乗り出そうとしている。しかし、その結果、このままだと日本国内でEV向けのサプライチェーンが育たない。日本国内の自動車産業内燃機関車への需要が減っていくにつれて、急速に衰退していくかもしれない。

「スズキ」「トヨタ」という日本風の企業名だけは世界に残るかもしれないが、彼らの活動はもはや日本に住む人たちにとってはあまり関係のないものになっていくかもしれない。

日本発祥で、日本風の名前を持つ会社が、世界で活躍したところで、実は日本に住む人たちにとっては関係ないばかりか、害をおよぼすことさえあるのだ。海外の工場への投資を積極的に行っている日本企業は、国内への投資が控えめになるのは避けられない。こういう産業の空洞化に対して、日本人は少し鈍感すぎないだろうか。

外国企業の日本への直接投資も非常に少ない。GDP比でいうと世界ではほぼビリに近い(201カ国の中で下から4番目)。これはそれだけ日本人の潜在的な雇用が犠牲になっているということだ。いまでも日本の失業率は低い。しかし、ひょっとしたら外国企業は、日本人をより高い給料で雇ってくれるかもしれないのだ。対内直接投資が少ないということは その可能性が実現できていないことを意味する。日本の給料が何十年もたいして上がっていないことと深く関係していると思う。

それなのに日本人は外資が日本にやってくるとすぐに「ハゲタカ」などと呼んで警戒する。海外に出ていく日本企業は日本の雇用を減らそうとしている一方で、日本に入ってくる外資は日本人に雇用をもたらそうとしてくれているのに。

日本政府も、「日本企業」に甘い。日本国内の産業が空洞化することを知りながら、日本企業の海外進出を応援したりしている。そんなことは本当に日本政府の仕事なのか?日本政府はまず日本に住む人々の面倒を見るのが仕事ではないのか?

日本企業は、こういう「お人よし」の日本人や日本政府の盲目につけこんで、大手を振って日本を出ていき、世界で稼ごうとしている。世界各地に設立した現地企業の売上は連結されて日本の本社の売上として計上されるから、たしかに決算書上は景気よく見える。しかしその数字の多くは日本に住む人々には何の関係もない。しかもその利益の多くは現地で再投資され、日本に戻ってくることもない。

大切なのは日本国内における質の高い雇用なのだ。それを実現してくれるのは誰か。外国市場に夢中で心ここにあらずの「日本企業」なのか。それとも日本に真剣に進出したいと考えている外国企業なのか。日本政府も、あくまでも国内に良質の雇用を実現する政策を知恵を絞って考えるべきだ。日本企業によるものだけでなく、外資の日本への投資をも加速する施策を打つべきだろうと思う。

日本企業が、日本でモノを作り、輸出を通じて、日本を豊かにしてくれた時代はとうの昔に終わってしまったのだ。日本人も日本政府もこの現実を直視して、これからの時代、どうしたら「日本企業」に頼らずに自分たちが食べていけるか真剣に考えた方がいいと思う。




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