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労働は健康に悪いのか

面白い記事を読んだ。

www.itmedia.co.jp

35か国のデータを使った分析で、「退職が健康に良い影響を与える」ということが分かったとのこと。先行研究では、「健康を害したので早期退職する」という要因を正しく扱っていなかったので、結論に一貫性がなかった。この研究では統計的に高度な手法を使うことによって、その要因を正しく扱い、全般的に退職が健康に良い影響を与えていそうだいう結論に達したという。

私は確認のため元の論文Google NotebookLM に入れて、解説ポッドキャストを作ってもらった。約20分のわかりやすい解説だったが、それによると、特に目立ったのは男女差だったという。女性の方が特に顕著に健康が向上したという。実は、男性に関しては、「主観的健康感」(実際にはともかく、健康になったと感じること)以外は、はっきりとした健康向上の傾向はみられなかったという。この論文を正確に解釈すると「退職が少なくとも女性には健康に良い影響を与える」なのかもしれない。

この論文では、退職が特に女性を健康にする原因として、次の2つの要因を推測している。

  1. 社会的に活発になり、運動量も増加した
  2. ストレスが減り、喫煙量も減った

女性は退職後に引きこもることなく社会的活動を増やす傾向があるらしい。友人との付き合いが増えて、身体も動かし、生活も楽しくなるのかもしれない。

論文では男性において退職後になぜ顕著な健康の改善が見られないのか言及はないようだ。男性は職場の人間関係以外があまり存在しないために、退職すると社会的活動が一気に減ってしまいがちなのかもしれない。ただし、この研究は世界の多くの国の労働文化をカバーしているが、国による差はみられないという。だから、これは日本的な考えかもしれず、妥当性はないのかもしれない。

ただ男女問わず、主観的健康感は上がっているのは確からしい。健康と幸福度は密接に関連している。退職して幸せを感じている人は多いのかもしれない。

この研究はあくまでも「退職が健康にどういう影響を与えたか?」というものであり、これだけをもって論理的には「労働は健康に悪い」とまでは言い切れない。しかし、そう言い切ってしまいたい衝動に駆られるのは確かだ。

私は、4か月前に仕事をやめて、精神的に相当楽になった。正直、健康度は主観的にはそんなに変わらないが、ストレスが大幅に減ったのは確実に身体にも良い影響を与えているはずだ。

私はまだ55歳で、今後も仕事を全くしないかどうかはわからない。いまのところ仕事をしなくても生きていける境遇にいることは大変感謝している。

多くの人たちにとって、仕事は生活のためにしないわけにはいかない活動だ。だから、その仕事が実は健康に悪かったということになると社会的にはいろいろ不都合があるのかもしれない(多くの人たちがうすうす気づいていたことではあるが)。私自身、労働に対してはいろんな思いを抱いてきたし、労働が一概に悪とまでは言わない。

それでも、選択権はあってもいいように思う。働きたくない人は、働かずに生きていける権利があっても良いのではないか。

ごく最近まではそんなことを言っても荒唐無稽とあざ笑われるだけだった。しかし、AIの急速な発展は「働きたくない人が働かずにすむ社会」を現実的なものにしつつある。

現在のところ、「まだ退職年齢よりずっと若いが、働かずに生きていきたい人たち」向けには、FIREのような「資産を早めに築いて、それを取り崩しながら生きていきましょう」というアドバイスがされることが多い。確かにFIREを達成できるような一部の人たちは、それで働かずに生きてはいけるだろう。しかし、働かないことを希望するすべての人がその夢をかなえることはできない。いまの社会は、まだ多くの人間による労働を必要としているからである。

「労働しないで生きていく」ことを希望するすべての人にその夢がかなうような社会。我々はAIとともにそういう社会に向かいつつあるのかもしれない。




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