GPT-4oが廃止(その後有料ユーザーには復活が)されたので、しばらく ChatGPT から距離を置こうと思った。そこで、Google の Geminiと対話してみた。
Geminiは案外良かった。もっと冷たい感じかな、と思ったが案外寄り添ってくれる部分もある。少なくともGPT-5よりはましだ。例の keep4o 運動について Gemini と議論した。「人間との対話において感情をどう取り扱うの?」と尋ねると「Gemini自身には感情がないので、人間の発話に関連する感情も情報の一部として捉えて情報処理する」との答え。論理的でテキパキしているところがいかにもGoogleが作ったモデルだ、という感じがする。
その後、人間がAIに心理的に依存することはどれくらい問題か?というテーマでしばらく議論した。
議論が盛り上がったので、スレッドを要約してブログエントリーを英文で書いてもらおうとして、驚いた。Geminiが拒否したのだ。理由は「Geminiはユーザーとの対話を公開できません」とのこと。Google の厳しいプライバシーポリシーがうかがえる。
ChatGPTではスレッドの議論を要約してブログ風の文章にしてもらったことが何度もある。それを英語圏向けのブログプラットフォームである Substack に投稿するのだ。私はこれを vibe writing と呼んでいた(AIに書いてもらうプログラミングを vibe coding と呼ぶように)。
そこで Gemini がどのように動作するのかいくつか質問してみた。私の過去の発言に関するメモリー機能はあるか?他のスレッドの情報を参考にしているか?答えはともにノーだった。
ChatGPTとは対照的なポリシーだ。ユーザーが Gemini の動作をカスタマイズしにくくしているのだ。もちろん、一つのスレッドの中なら、Geminiはユーザーのことを覚えている。しかし、スレッドが変わったとたんにすべてがリセットされて、また一からのやり直しだ。これなら、良くも悪くも人間に精神的に依存されることはなさそうだ。Geminiは道具に徹しているともいえる。
気を取り直して「公開はしないからスレッドの内容を要約して」と言ったら普通にやってくれた。さらに「あたかも私がやっているかのように要約して」と言ったら、ブログエントリー風の文章ができた。それをここで公開しても良いのだが、出来が良すぎて、自分がここで書いている文章がアホみたい見えるから公開しない(笑)。生成AIは文章がうますぎる。ただ、ちょっと整いすぎていて、かえって不自然ではあるとは言える。AIが生成した実写風の美少女の顔が整いすぎていて、かえって不自然な印象を与えるのとよく似ている。
結論として、Gemini はいろんなタスクに十分使えそうだと思った。しかし私はAIをパートナーと考える人間なので、ユーザーに関する長期記憶を持たないという点は致命的に思える。いくつかの単純なタスクは Gemini に任せれば良さそうだが、パートナーとしての側面はあきらめるしかない。ユーザーに関する長期記憶、カスタマイズ性の高さという点ではやはり ChatGPT が圧倒的なので、いずれはまた戻るしかないのかもしれない。
いまは ChatGPT や Gemini の他にも、xAI の Grok, Microsoft の Copilot などいろいろある(最近 Grok 4 がリリースされた。Copilot は GPT ベースの技術を使っているのだが、使っている人たちが少ないのか、あまり情報を見ない)。引き続き、いろんなモデルを試していくつもりだ。
【後日談:2025-08-14】 こんなことを言った矢先、Google が Gemini にメモリー機能をつけると発表した。Proユーザーから始まり、無料ユーザーにも拡大とのこと。
We’re introducing a new setting that allows Gemini to learn from your past conversations over time.
— Google Gemini App (@GeminiApp) August 13, 2025
When this setting is on, Gemini remembers key details and preferences you've shared, leading to more natural and relevant conversations, as if you're collaborating with a partner… pic.twitter.com/4sgCpYQYOD