今日も日本は大変暑い日だったらしい。群馬・伊勢崎市で気温41.8℃を記録し、日本の観測史上最高気温の記録を更新した。
私は1995年に、伊勢崎市に滞在して、2カ月くらい工場で働いていたことがある。ちょうど梅雨の頃だったが、梅雨が明けたとたんに猛烈に暑くなった。工場には、局所的に冷やすスポットエアコンしかなかったから、様々な熱を発する機械と相まって屋内は耐えがたいほどの暑さだった。だから私は伊勢崎はとても暑い場所であることを知っている。それでも、当時はいまほど暑くはなかった。
これは気候変動(地球温暖化)の影響であることは間違いない。気象学者によると、今後も気温は上がり続ける。こんなに暑くともいまが今後数十年で一番涼しい年になる可能性があるのだ。
ところが日本人の気候変動への関心は著しく低い。
この記事によると、
- 気候変動への個人の行動が必要と考える日本人の割合は32か国中、最下位
- 2023年8月1〜20日に「酷暑」と「気候変動」を関連づけた報道は、酷暑を報じたうち0.7%しかなかった
- 気候変動対策としての「食品ロス削減」に日本は無関心
だそうだ(正直いえば、食品ロスの削減がそこまでCO2削減に役立つことを知らなかった。食品の生産には大量のCO2排出を伴うので、無駄なく生産・消費しようということらしい)。
私は日本人としてとても恥ずかしく思う。日本ではこの21世紀最大の人類的課題の重要性が理解されていないのだ。私は特に欧州人がこの問題を極めて真剣に捉えて、多くの人たちが行動していることを知っている。日本は世界で5番目のCO2排出国であり、大きな責任を負っている。人類がいま必死になって解決しようとしている問題に対して、こんなに無関心でいていいのだろうか(日本人は、国内ではものすごく他人の目を気にするのに、国際社会では驚くほど無神経にふるまうことがときどきある。基本的に国内しか見ていない人たちなのかもしれない)。
人類の計画はこうだ。気候変動をもたらす主因は、化石燃料の使用に伴うCO2排出にある。だから、化石燃料の使用を限りなく抑制しなければならない。そのためには、交通機関や生産設備の電化(EV化等)を進めつつ、電源の脱炭素化を図らなければならない。脱炭素化には大きく分けて二つの方法がある。再エネ(太陽光・風力等)と原子力だ。ただ、再エネの方が原発より遥かにコストが安く計画から稼働までの時間も短いので、脱炭素化の主力は再エネになる。したがって、脱炭素化はEV化と再エネ導入を主軸に進めなければならない。
しかし日本では気候変動への関心が薄く、脱炭素への取り組みが弱いために、上のロジックが理解されていない。人々はなぜ、EVと再エネを推進しなければならないか理解していないのだ。だから、いつまでもHEVのような内燃機関車を使い続けられるかのようなトンチンカンな前提で話が進む。再エネに対しても及び腰で、最近はネット上でのネガティブキャンペーンさえ目立つ。
中国は、EVと再エネを強力に推進するという正しい政策を断行した。もちろん環境に対する配慮だけではなかったかもしれない。しかしそれにしても、中国はいまや押しも押されぬ世界最強のクリーンテック大国になった。中国の技術は今後世界中に展開され、この気候危機から人類を救うだろう。もちろん、その過程で中国企業は大きな利益も上げることができるだろう。クリーンテックで世界中が中国に依存することになり、中国の国際的プレゼンスはますます大きくなるに違いない。
一方、日本は気候変動の深刻さを甘く見たために、クリーンテック大国になるチャンスを逃した。そもそも、EV・太陽光パネルでは世界的リーダーだったにもかかわらずである(2010年頃に三菱自動車や日産が世界ではじめて量産EVを販売し始めた。1980年代からシャープ、京セラ、三菱電機、三洋電機(現パナソニック)が世界に先駆けて太陽光パネルを製造販売していた。)。
さすがにそろそろ日本人も気候変動のことを真剣に捉えて、EV化や再エネに本腰を入れるべきではないだろうか。
……と今日は真面目に論じてしまった。先日「自分が人々に対して影響を及ぼしていいのか確信が持てない」とか言ったばかりだったのだが。ただ、これだけは少し断定調にいわざるを得なかった。第一に、これは人類的な課題であり、第二に日本人が気候変動への対応を怠ることで、新産業の育成ができないという経済的な損失を被る可能性が高いからである(しかもこれは強烈に深刻な悪影響を及ぼす)。そのため、今日は私の意見をなるべく率直に書こうと思ったのである。