私は特定のテーマについて書きたいと考えているが、ウォーミングアップとして、しばらくは「自分しか知らず、自分しか書けないテーマ」について書いていこうと思う。つまり、身の上話である。
私は54歳である。人間、歳を取ると昔話が多くなる。私はどちらかと言えば過去より未来の話が好きだから、積極的に過去の思い出話をしたいわけではないけれども、若い人たちに会うとつい彼らの視点とのギャップゆえに昔話をせざるを得ないときもある。こういう話は私にとっては懐かしいエモーショナルな話ではあるけれども、聞く人たちにとってはたいてい退屈だ。これからする話もそういう話の一つなので、興味がなければここでページを閉じてほしい。
さて警告は済んだので本題に移ろうと思う。
私がどうしてソフトウェアエンジニアになったのか、そしてそれに同志て満足できなかったのかという話をしようと思う。
ChatGPTに頼んで私にインタビューしてもらった。
—まず最初にお聞きしたいのですが、 あなたはどうしてソフトウェアエンジニアという道を選んだのですか? 興味や得意分野だったからでしょうか? それとも、もっと現実的な理由や成り行きがあったのでしょうか?
酒井: そうですね、私はもともと大学の経済学部を1994年に卒業して、ある都市銀行に入ったんです。しかし、銀行の仕事が全く自分の性にあっていなかったのですね。最初は支店に配属されて一般事務を担当したのですが、間違いばかりしていました。結局、半年で辞めてフリーターになったのです。いろんな仕事をしました。工場で働いたり、営業マンをやったり、交通誘導のガードマンをやったり。どれも自分にはあまり向いていなくて長続きはしませんでした。そういう時に時給1500円でプログラマの募集を見たのです。小さなソフトウェアハウスで、下請けの下請けのような仕事をやる会社でした。今思えばブラック企業だったと思います(笑)。ただ私は才能があったようで本を読んで独学で学ぶうちにあっという間にスキルが向上して普通に働けるようになりました。ちなみに、プログラムを書くのは初めてではなくて、中学の頃、8ビットのPCを使ってBASICや機械語でプログラムを書いていました。その経験は大いに活きました。正直、ソフトウェアエンジニアになりたくなったわけではないのです。結構稼ぎがいいなとおもったからやり始めたのがいつの間にか自分の職業になっていました。
—大学を出てすぐに自分に合った仕事に出会うのは難しいものですが、その後も「これは違う」と思ったらきちんと離れることができたのは、ある意味とても誠実な選択だったのではないでしょうか。 そのソフトウェアエンジニアの仕事に、どうして次第に満足できなくなっていったのでしょうか?
働くうちに、日本のIT産業の重層下請構造に疑問を覚えるようになったのだと思います。ソフトウェアの設計があまりよくないのですよね。大企業から受注する一次請けのソフトウェアベンダーでソフトウェアの設計をする人たちはプログラマとしての経験が薄いのです。だからあまり合理的でない実装しにくい設計が手元におりてきてそれを実装せざるを得ない。これを理不尽に感じました。日本以外で仕事をすればちょっとは楽しく仕事ができるかなと思って、カナダに渡って仕事をしました。トロントで、カナダ人経営のローカルな小さなベンダーで働いたのですが、まあまあ楽しかったですかね。全部英語だったから大変でしたが(笑)。日本で働いていたときのような理不尽さは感じなかったのですが、でも心からITの仕事自体が好きかと言われれば微妙でした。
その後、日本に帰ってきて、フリーランスのエンジニアとして働いたり、ベトナムに行って、オフショア開発の会社を作ろうとしてうまく行かなかったり、米国会計士試験を受けて会計士になろうとしたり、米国のTwitter社に応募して面接を受けて落ちたり、いろんなことをやりました。
いま思えば、ずっと同じところをぐるぐる回っていた気がしますね。
- カネのためにはITの仕事をせざるを得ない
- 仕事自体はできるし、激しく苦痛ではないが、心から楽しいわけではない
- 何か他の仕事をやりたいがそれが見つけられない
たぶん、本当は私は、技術を細かく適用して何か実際にモノを作るより、社会そのものの仕組みについてずっと考えていたかったのだろうと思います。ところが、現実の私はソフトウェアエンジニアだから周囲にそういうことを考えている人はいない。だから社会について考えることがカネになる仕事を探そうとしたが、見つけられなかった、という感じだと思います。
― たしかに、ものづくりに向いている人もいれば、ものの「仕組み」や「構造」を鳥瞰して考えるのが得意な人もいます。あなたは明らかに後者で、しかもそれを「ずっと昔から」感じていたように思います。それなのに、「技術者」としての肩書きの中でその能力がうまく活かせなかった。あるいは、活かそうとすると周囲との違和感だけが目立ってしまった……そんな閉塞感が伝わってきます。では、あなたが本当にやりたかったこと、あるいは「本来の自分がやるべきこと」は何だったのでしょうか?
ある程度、経済的に余裕ができたいまだから言えることかもしれませんが、私はいままで自分の人生に対する問いの立て方を間違っていた気がするんですよね。私は常に「カネを稼ぐためには何をしなければならないか?」と考えていた。本当は「自分は何であれば本気でできるのか?」と問うべきだったと思うのです。そう考えるとITの仕事は私にとっては「本気でできること」ではなかった。私はもう少し頑張って自分が本気になれるものを探すべきだった。
私が好きなのは「世界全体がどうなっているのか考えること」です。なるべく正確な世界観を持ちたいと思っていて、そのための情報収集をしている。その一部を Twitter(X)で書いたりするのですが、気が付くとほぼ無意識でやっているのですよね。これなら本気でやっても良いと思う。だから、これを私の「仕事」にしようと思いました。正直、おカネは稼げるかどうかはわかりません。とりあえず、自分が考えていること、調べたことなどを、このはてなブログや Substack に書いていこうと思っています。