この小説『小説コーヒーの歴史「コーヒーが世界を巡るとき」』は、和歌山の「自家焙煎エカワ珈琲」を舞台に、店主・江川(マスター)が常連の青年ユウトに“コーヒーが世界へ広がった道のり”を語って聞かせる連作形式の物語です。
章ごとに時代と土地が移り変わり、コーヒーがアビシニア(起源)→アラビア(祈りの飲み物)→ヴェネチア(欧州へ)→ローマ(受容)→ロンドン(知の社交場)→新大陸(独立と社会)→ジャワ(栽培と貿易)→フランス王宮(苗木の伝播)→カリブ・南米(世界最大の産地へ)→出島・黒船・明治の喫茶店(日本へ)と渡っていく歴史を、人々の小さな決断や出会いのドラマとして描きます。
プロローグと第1章とエピローグでは現代の店に戻り、ユウトは歴史の旅をレポートにまとめ終え、やがて「自分の店を持ちたい」という夢を語ります。
江川はそれを励まし、コーヒーの旅は「次は君の番だ」と背中を押します。
全体を通して、コーヒーは単なる飲み物ではなく、交易・信仰・政治・革命・夢を運ぶ媒介として描かれ、最後に残るのは「誰かと向き合って飲んだ一杯の記憶」だ、というメッセージで締めくくられています。
この小説の目次です。
第1章:一杯の向こうに
第2章:赤い実の目覚め
第3章:祈りの香り、海を越えて
第4章:黒い宝、海を渡る
第5章:黒き杯、白き祝福
第6章:ペニー大学の窓辺で
第7章:新世界の香り―ヴァージニアの朝とニューヨークの夜
第8章:新世界の香り―カフェ・アムステルダムの灯り
第9章:自由の一杯
第10章:緑の密命
第11章:緑の温室、静寂のなかで
第12章:太陽王と緑の贈り物
第13章:七粒の命、ひとつの夢
第14章:七つの海を越えて
第15章:焦げくさき異国の一杯
第16章:黒船と黒き香り
第17章:可否茶館、夢の扉をひらく
エピローグ:カップの底に残るもの
小説コーヒーの歴史「コーヒーが世界を巡るとき」
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