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【日記】陽炎の中に降り立つ天女"宮本佳林"~殺戮のバレンタイン編~

※始終汚い話ですので、純然たる佳林ちゃんのファンの方は読まれませんよう。

 忘れもしない2025年2月14日金曜日。すべては私の溶け切った判断力のせいだった。一人暮らしの狭い部屋の中、私の地獄へと向けた助走が開始された……

 思えばずっと独りきりの生活が長かった。それを理由にすることもできるだろう。あるいは仕事のストレス、ちらりと顔を覗かせる持病の精神疾患。そんなことも理由になるかもしれない。しかし、いずれにせよ今回の問題の一番の原因は私の愚かさにある。それは間違いない。

 年が明けての1月くらいから私の抑うつ感は食欲となって現れ始める。だって、食べ物が美味しいのが悪いんだもん。そんなぶりっ子を自分の中に飼いながら、言ってもセブン・イレブンの「金シリーズ」を買って、それなりに値の張る酒で流し込むだけのストレス発散行為。それが祟って、私は余計にチルドのハンバーグを購入していた。

「いずれ食うやろ」

 その予言は二つの意味で当たった。

 2025年2月14日金曜日。ちゃんと夕飯を食べたというのに、華金浮かれの大漁船に乗り、私は冷蔵庫を漁り奥の方からそのハンバーグを見つける。賞味期限は2月1日。2週間か……まぁ、レンジで死ぬほど加熱するから菌も死ぬやろ。愚かな私の地獄への助走が始まる。

 例によって泥酔。いつベッドに入ったのかもわからぬまま、夜半、胃の辺りに違和感を覚えて意識が半覚醒する。

(これ、たぶんハンバーグだ……吐かなきゃ……)

 朧げな意識の中でそうは思うも、暴力的な脱力感に襲われそのまま朝を迎えることになる。明らかに体の様子がおかしい。身体の節々が痛む。これは発熱している。体温計を咥え、それでも平静を装いながら「大丈夫。数時間後には出すもん出してすっきりしているはず」とこの期に及んで見通しが甘い。37℃。微妙な微熱にどう感想を与えるか迷っているうちに、やっと吐き気が訪れる。

 すかさずトイレへ行って、とりあえず胃の中にあるハンバーグの残骸を外に出す。吐き慣れてるとこういうときに助かるもんだな。涎を拭いて、顔を洗う。

 しかし、体調は一向に良くならない。午後からは友人と酒を飲みながら、ホロライブの動画鑑賞会を企画していたが(バレンタイン週間の土曜日に男二人ですることか)、それをドタキャンさせてもらった。そしてそこからは地獄だった。

 発熱で汗をかき、喉が渇くが、水を飲んでも気持ち悪い。気持ち悪いのを堪えて何とか内臓に沈めていくが、胃の壁、腸の壁をそれが蛇のように這っていくと痛みの道が出来上がる。どうにかこうにかゴールへと辿り着いても、それはほとんど大腸で吸収されないまま、99%液状のまま出ていってしまう。発熱のせいなのか脱水症状のせいなのか、ひどい頭痛と眩暈に襲われる。病院に行きたいが休日にやっている近隣の病院を私は知らない。そしてもちろん調べる気にもならなければ、そこへ出向く気にもなれない。

 カーテンを閉め切り、眠って苦しい時をやり過ごそうとする。気絶するように意識を失っては、悪夢にうなされ、ぼんやりと意識の灯火が瞬けば苦しみに耐えかねて呻き声が溢れ出る。

 くそぅ。なんであんなハンバーグを食べてしまったんだ。食い意地か。勿体なさか。てか、なんで700Wで3分も熱したのに死んでねぇんだよ。不死身かよ。くそぅ。

 それでも昔から何度も見ているアニメを子守歌にしながら、1日の大半をほとんど眠りながら過ごす。この日、辛うじて摂取できたカロリーは、家の前の自販機で買った2本のアクエリアスだった。明日は佳林ちゃんのバレンタインイベントだ。何とか直さなければ。

 2025年2月15日24時。私は本格的な眠りを欲していたが、ここからほぼ1時間おきにトイレに起こされることになる。しかし、これは朗報とも言えた。それまでトイレの数は多くなかったので、内臓の中に諸悪の根源が溜まったままだったのだ。とにかく水を飲んではそれを出す。それを繰り返した。

 2025年2月16日の朝8時。まだ発熱と腹痛はあったけれど、とりあえず意識はだいぶはっきりとしてきた。とりあえず休日にも診療している病院を探さなくては。

 まず1件目を見つける。ホームページへ飛ぶとかなり綺麗な院内の様子が映し出されている。ざっと目を通すと、どうやらそこは胃カメラ等の検査が売りの病院らしい。こういうところは頼んでもいない高額医療を提供してこようとする危ない病院だ(偏見。だいたい頼まれてもいないのにバレンタインに腐ったハンバーグを食べたのはどこの誰だ)。

 次に2件目を見つける。Googleの評価は2.7とかなり低い気がするが、体調の悪い人間が良い評価を与える余裕があるはずもなく(偏見。私も体調の良くないときはよく上司の洒落を無視する)。病院の入り口の写真が載っていたがその素朴さに惹かれた。一応、電話で食あたりの診察ができるか聞いてみたけれど、もちろん内科の先生もいらっしゃるので対応可能とのこと。さて、重い腰を上げていきますか。

 電車に乗って隣町へ。駅から歩いて10分弱のところにその病院はあった。

 思ったよりも清潔そうだし、休日診療の割には全然空いていてほとんど待ち時間もなかった。頑健そうな老人の先生は私なんかよりもよっぽど健康そうで(そりゃそうだ)、テキパキと私に症状を尋ねる。いつ何を食べたか。しつこいほどに「生モノは食べてないんですよね?」と聞かれはしたが、私は断固として「ヤツです!賞味期限切れのハンバーグです!」と犯人を糾弾する。

「血圧が高いと血管が固まって胃腸の活動が止まっちゃうことがあるんでね」

 そう言って、私は血圧計を腕に巻かれる。130……あの、これは違うんですよ。駅から10分弱も歩きましたし、熱があるものですから。

 健康診断では引っ掛からないの?

 えぇ。普段は引っ掛かりませんよ。引っ掛かったとしても……

 あぁ、深呼吸して測り直しましょうね、っていうやつですか。それではね……

 ぐう……

 まぁ、抗生剤出しておくんで。ウイダーインゼリーみたいなの飲んでから、薬を飲んで安静にしていてください。固形物は明日の昼まで食べない方がいいでしょうね。喉が渇いたら経口補水液、味に飽きたら麦茶とか飲んで水分補給も欠かさずに。

 心地よく言い包められ、ロビーに戻って会計を済ませると、そのまま隣の窓口でお薬ももらえた。急患対応みたいなもので、診察と薬の処方が一括でできるらしい。初めて知った。でも、その代わりに貰えたのは1日分のお薬だけだったけれど。

 早速、ゼリー飲料と経口補水液を買って家に戻り、ちょっと早めの昼食。久しぶりの食事だった。カブトムシの餌みたいなものではあったけれど。薬の中には解熱剤のカロナールがあったけれど、痛め止めのほか、ことあるごとに私はこの薬を飲んでいるせいでイマイチ効き目が良くない。病院に行った疲れも相まって、一時間ほど仮眠を取る。起きて発熱が酷くなっていたら佳林ちゃんのイベントは諦めよう(泣)

 

 目を覚ます。身体はもちろん軽くなどなっていない。でも、腹痛はほとんどなく、発熱を感じるだけだった。感染性のある病気だったら外出は控えた方が良いんだろうけど、食あたりだもんな。まぁ、行っても良かろう。と、自分勝手な線引きで家を飛び出す。電車を1時間乗り継いで両国まで。

 さすがに身体の節々が痛み、頭は重く、冷や汗が出てくる。が、ここまで来たならしっかり見て帰らなくては。

 後ろの方の席だったけれど、降臨があるとのことだったので期待感は高め。佳林ちゃんのアナウンスから、キーボードとバイオリンの奏者の方々が現れると優美な『チョコレート魂』の前奏が始まる。ショコラ公演という名に相応しい、ショコラブラウンのドレスを身に纏った美しい佳林ちゃんがステージへ。そのまま『チョコレート魂』に入るのかと思いきや、『愛してるの言葉だけで』へとしっとりと切り替わっていくという面白い演出。

 簡単な紹介のMC後は、昨年のミュージカルでも披露された『迷宮のアンドローラ』。昭和歌謡の怪しげな雰囲気と佳林ちゃんの透明な雰囲気がマッチして、素敵な化学反応を見せるのがこの曲のいいところ。佳林ちゃんが歌うまで知らなかったからこそ、いい音楽は時代を超えるということを実感する。その後は『ポツリと』が披露され、Juice=Juiceファンも大喜び。そして、私が1番大好きな『Lonely Bus』も歌われることになる。後のMCで「踊らないLonely Bus」と紹介され、一笑いを取るくらい原曲ではダンスが激しく、宮本佳林渾身の一曲ではあるけれど、こういったイベントではもう少し肩の力を抜いて歌を中心に楽曲の世界観を構築するのもまた面白い。

 しかし、この辺りで私の体調の悪さは限界に達する。

『ビーズに願いを』と『なんてったってI Love You』では降臨があったというのに、私の意識は発熱のせいで朦朧としていた。滲む視界、陽炎の中でとにかく佳林ちゃんの姿があまり神々しく、天女のようであった。私のような悪霊であっても天界へと誘ってくれるような。とにかく顔の小ささ、華奢な肩回り、真っ白な背中、どれもが常人離れしていた。いつ見ても佳林ちゃんの美しさには、はっとさせられる。彼女の周りだけ後光が刺し、あるいは内側から発光しているかのよう。

 センターステージに戻って披露されたボカロ曲『ロミオとシンデレラ』は歌詞が投影されるという演出も。しかし、それが仇となり、1番のBメロをそっくり2番で歌ってしまい、映像と全くリンクしないという痛恨のミス。映像収録が入っていると言っていたのに。でも、それが佳林ちゃんらしくもある。あぁ、可愛い。歌詞を間違っても全く焦らず、1番に無理に戻そうともせず、そのまま2番の歌詞で歌い切るのが幾千の修羅場を潜り抜けてきたプロパフォーマーの証左。後のMCでそれを自分でイジるのも、もう板についた立ち振る舞い。

『未来のフィラメント』とは相変わらずのハイトーンと、2番の声の使い分けと佳林ちゃんの多種多様な発声が楽しめる1曲。『氷点下』はピアノアレンジで、静寂の中で極限まで集中力を高めたステージへ。「でも……」の1フレーズはまさに消え入るよう。表現力の鬼でした。この『氷点下』を聴くためだけでも、映像作品は購入すべきと思ってしまう。そして久々?なのか、ハローキティのミュージカルから『Only choice』も披露される。ミュージカル楽曲だけあって、歌声に想いを載せやすく、豊かな声量も楽しむことができた。ヲタクとしてはなかなかに思い出深い3曲の流れに、満足感たっぷり。

 最終タームでは、『千本桜』でどかんと盛り上げつつ、『ポラリス・コンパス』であっという間に宮本佳林ワールドへと連れて行ってくれる。ラスト曲は『夜明けまでのララバイ』で幸せに終わる。そう言えば、みっぷるが佳林ちゃんに救われたことから自らの初バーイベのラストでこの曲を歌っていたな。そんなことも思い出した。

 アンコールでは衣装もチェンジして、一言で言うと、なんだか「ぺこちゃん」みたいな感じのぶりぶりに可愛い衣装。白と赤の完璧なバレンタイン仕様だった。イベントの冒頭で演奏された『チョコレート魂』をここで回収してくるという粋な演出。降臨もあって会場がまた笑顔に包まれる。この頃には私の体調も少しマシになり、かなり近い距離で可愛い佳林ちゃんを拝むことができた。近すぎて目のやり場に困るのだけれど、佳林ちゃんが向こうを見ている隙に、そのすらっと伸びたおみ足を拝見することができた。本編のブラウンのドレスでは隠れていた部分だった。しかしそれにしても、年々美しくなっていくな、この人は。

 最後は『Happy Days』で楽しく、幸せに幕を閉じ、私はそのまま即行帰宅。帰りもまた1時間電車を乗り継ぐ。両国って微妙に遠いなぁ、とそんなことを考えながら。

 

 色々な事情やら何やらが重なり、佳林ちゃんの現場には7月の『The Star Idol』から行けていなかった。Zeppツアーにも行きたかったのだけれど、年末はいつも疲れがどっと押し寄せてくるから実家でひたすら眠ることに前々から決めていた。そういうわけで今回はかなり久々の現場だったのだけれど、真っ先に思ったのは喉の手術をした佳林ちゃんが変わらず元気そうで良かったということ。相変わらず歌声も御身体も美しく、同時に心もどんどん磨かれて洗練されていく。

 私がカビたハンバーグに内臓を蝕まれている間も、佳林ちゃんは1秒1秒美しくなっていく。

 地獄と天国の間で引き裂かれた2025年のバレンタインの出来事であったが、単に食あたりになった話を書いても微妙だし、佳林ちゃんの話だけでまとめるにしても私の心身にはどうしても食あたりの痛みが染み込み過ぎていた。なので、本来ならば分けて書くべき2つの事象を今回は1つの記事にまとめて書かせていただくことにする。美しく清らかなものに汚いものを色々と混ぜてしまうことは私としても忍びない。しかし、これがしがない中年のリアルであるということも含め、この世界には色々な形の地獄があるし、そしてどんな地獄においても救いもまたあるのだということを教訓として持ち帰りたい所存である。

 ちなみにお医者さんの話では、「カビはね、ダメなんですよ。熱に強いから」ということで、レンチンの殺菌力を信奉しすぎないよう気を付けて生きていこうと思う。




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