万有引力の法則やクーロンの法則に代表されるように,物理量の大きさがその発生源からの距離の逆二乗に比例する現象は広く知られている.
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発生源が粒子(点)である保存力場 (ポテンシャルを持つベクトル場)が逆2乗則を満たすことが必然であることを示す.\begin{align*}{\bf r}:=(x,y,z),\quad r:=|{\bf r}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}\end{align*}とすると,
が逆2乗則を満たすというのは,ある定数
により\begin{align*}F=\dfrac{k}{r^3}{\bf r} \end{align*}と書るときで,
なので「逆二乗」則である.
原点 にある粒子が作る保存力場
のポテンシャルは方向に依存しないはずので,
の関数として
と書ける.また,粒子が存在しない空間領域では発生源がないため,発散
はゼロであると仮定するのが自然である.これは「場の源が存在しない領域では流れの湧き出しも吸い込みもない」という物理的要請に対応している.\begin{align*}F={\rm grad}~g,\quad {\rm div}~F=0\quad(r\neq 0)\end{align*}となる
を求める.
\begin{align*}F&= {\rm grad}~g(r)=\dfrac{g'(r)}{r}{\bf r}\\
{\rm div}~F&=\dfrac{g''(r)r-g'(r)}{r^2}\cdot\dfrac{x^2+y^2+z^2}{r}+3\dfrac{g'(r)}{r}\\
&=\dfrac{g''(r)r+2g'(r)}{r}=0\end{align*}であるので,微分方程式\begin{align*}g''(r)r+2g'(r)=0\end{align*}を解けばよい.\begin{align*}
\dfrac{g''}{g'} &=-\dfrac{2}{r}\\
(\log |g'|)'&=-\dfrac{2}{r}\\
\log~ |g'|&=-2\log~r+C\quad (C:\mbox{定数})\\
g'&=\pm e^C \dfrac{1}{r^2}=\dfrac{k}{r^2}\quad(k=\pm e^C)
\end{align*}よって\begin{align*}
F=\dfrac{g'(r)}{r}{\bf r}=\dfrac{k}{r^3}{\bf r}
\end{align*}となり,逆2乗則が導かれた.計算過程を見ると,逆2乗則である理由は空間が3次元であるからなのも分かる.
ポテンシャル は
を解いて\begin{align*}-g(r)=\dfrac{k}{r}+B\quad (B:\mbox{定数})\end{align*}となる.