2024年の末に武安空港で起こった済州航空の航空機事故を覚えてますでしょうか?車輪が出ずに胴体着陸をした後、滑走路をオーバーランしてローカライザーの土台部分に激突・炎上、乗員乗客 179人が亡くなるという大惨事になった事故です。
この年は、日本でも年始に災害地派遣の自衛隊機と民間機が衝突する事故が発生していましたから、航空機事故に始まり航空機事故に終わったという印象が個人的に強かったです。
この事故、発生から 1年以上が経過しても調査報告書の最終版が発表されていません。実は去年の 7月にエンジンの精密調査の結果報告会が予定されていたのですが、遺族の反対により中止となっています。
なんで遺族が調査報告に反対するのか、意味が分からないのですが当時の報道によると、事故原因に関する報告書の表現に、あたかも「最終結論に達した」かのように解釈できる文言があったらしく、これに反発したとのことです。
要は「自分たちの気に入る内容ではなかった」と、そういうことなのかもしれません。事故発生から一周年の追悼式典では遺族代表が「謝罪 0件、資料公開 0件、責任者拘束 0件」であることを嘆いていましたので、責められる責任者が特定されるような内容の報告書でないと受け入れられない、とかでしょうか?
ちょっと本題から逸れましたが、事故発生自体は 2024年12月29日で、すでに 15ヵ月近く経過しています。それにもかかわらず、事故現場周辺には未だに被害者のものと思われる遺留物が残っているそうで、後始末...というと言い方が悪いですが、99%収容と言っていた航空会社や空港、行政側の発表にも遺族は不信感を募らせているようです。
韓国日報の記事からです。
「99%収容だと言っていたのに...」武安空港で再び遺体が発見され、処理の不備をめぐる論争が拡大
(前略)
12月29日、武安国際空港で起きた チェジュ航空事故の遺族協議会は、15日、事故当時倒壊した空港の壁の外周を巡回していた際、遺体とみられる物体を 10点余り発見したと明らかにした。この地点は、旅客機が滑走路の端にある丘(ローカライザー)に衝突して爆発した後、機体が壁に衝突した場所の近くである。
協議会によると、当該物体は歩行中に肉眼でも確認できるほどの大きさだったが、1年以上放置されていた。また、航行安全施設の鉄条網周辺には回収されていない機体の残骸も依然として残っていると伝えられている。協議会は、発見された物体が未回収の犠牲者遺体である可能性が高いと判断し、全南警察庁科学捜査隊に鑑定を依頼した。
先に国土交通省は昨年 1月、事故発生から 15日で「残骸の回収は 99%完了」と発表したが、その後事故現場や残骸の山から遺体が次々に見つかり初期の回収が不十分だったのではないかという指摘が出ている。先月 26日にも約 25㎝の大きさの人骨 1点が発見され、今月 5日と 6日には残骸再分類作業の過程で袋の中に放置された遺体 8点が追加で確認された。
国土交通省と航空鉄道事故調査委員会は事故初期の処理を行い、空港消防隊の裏に集められた残骸を週 2回再調査している。これまでに瓦礫の中から遺体 64点が発見され、そのうち 9点は犠牲者 7名のものと確認された。
遺族協議会は「遺体が道路に転がっていた」とし、「最近、残骸の山から遺体が次々に見つかっていることから、事故現場周辺の全面的な再調査が必要だ」と述べた。
一方、これに関連してイ・ジェミョン大統領は12日、旅客機事故の犠牲者の遺体と遺留品が放置されたまま遅れて発見された事態について「責任ある関係者を厳しく処罰せよ」と指示した。
韓国日報「"99% 수습이라더니…" 무안공항서 또 유해 발견, 부실 수습 논란 확산(「99%収容だと言っていたのに...」武安空港で再び遺体が発見され、処理の不備をめぐる論争が拡大)」より一部抜粋
ボロボロと出てきているようですが、特に不思議なのが袋に入れられたまま放置されていた 8点というやつです。どういうチェック体制を取っていたらこうなるんでしょう。
その他については、正直、遺体の損傷が激しい航空機事故において回収漏れが発生するのは仕方がないことだと思います。しかしそれであれば当局は「回収率 99%」などと誇示しなければ良いのに、とも思います。
儒教思想の強い韓国では「遺体の回収」というのが大きなミッションになると聞いたことがありますので、恐らくそれを意識しての発表だったのだろうと思いますが、それで終わった気になって放置してしまったのでは?とも思えます。