米連邦裁判所がトランプ関税に「違法」判決を出しました。
トランプさんはさっそく貿易法 122条(遺憾法)を根拠に「グローバル関税 10%」即時賦課の大統領令に署名しました。
これは大統領に国際収支問題に対応するため最長で 150日間、最大 15%の関税を賦課する権限を付与したものです。
今回の連邦裁の判決はある程度、予想されて事態ではあります。しかし事実上、関税とセットの対米投資について「再交渉の可能性」という点ではまだまだ不透明です。個人的には再交渉は現実的ではないと考えますが...はてさて。
韓国日報の記事からです。
500兆ウォンの対米投資再交渉は可能か...相互関税の違法判決が韓国に与える影響は?
(前略)
20日(現地時間)に米連邦最高裁判所の違法判決により相互関税が無効化された。500兆ウォンは少なくない額だ。トランプ政権との対米投資再交渉は可能だろうか。結論として、簡単ではないというのが大方の意見だ。
安全保障の名目で関税は該当しない
現在、韓国が適用されている相互関税率は 15%である。昨年7月に米国との対米投資規模で合意し、同年4月に設定された25%の税率を現在の税率に引き下げた。それすらも今回のアメリカ最高裁判所の判決により法的根拠が消えた。0%になったのだ。
(中略)
相互関税は基本関税 10%と国別の追加関税で構成される。この日の最高裁判決直後、トランプ大統領はホワイトハウスで記者会見を開き、貿易法122条に基づき来週から世界中に 10%の関税を課すと発表した。
(中略)
この日、アメリカの司法が法律を違反したと判断した関税は国際緊急経済権限法(IEEPA)が法的根拠とする相互関税と「フェンタニル関税」である。その中で麻薬類であるフェンタニルの米国内米持ち込み放置を理由に中国・カナダ・メキシコに課されたフェンタニル関税は韓国とは関係がない。
さらに、貿易拡張法 232条(米国大統領が国家安全保障の脅威となる輸入制限を可能とする)を根拠とした品目関税も今回の判決とは無関係である。韓国の場合、主力の対米輸出品目である自動車に該当する関税が適用される。半導体も同様だ。昨年の関税・投資交渉の際、韓国が米国に大規模な投資を約束したのは相互関税よりも自動車・半導体関税の圧力が大きく影響したのは事実だ。アメリカの自動車輸出市場で競争中の日本と欧州連合(EU)に韓国と同じ 15%の関税率が適用される状況で、対米投資の再交渉を試みる中で高率関税を受け入れるリスクを冒すのは難しい。
貿易合意が安全保障合意と連動する可能性がある点も限界である。米国のシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国所長は先月、「(通商合意を揺るがそうとして)核推進潜水艦を含む韓米合意の他の価値ある側面まで危うくする可能性がある」と述べた。
"対米合意の撤回は選択肢ではない"
これにより、韓国が既存の対米投資合意を覆す選択をするのは難しいとの見通しが出ている。米国のシンクタンク、アジアソサイエティ政策研究所(ASPI)の副会長であるウェンディ・カトラーは、この日メディアに配布した資料で「最近数ヶ月間に発表された合意を撤回することは、私たちのパートナー(米国の貿易相手国)が取り出せるカードではないようだ。 彼らはこのような措置がホワイトハウスと対峙する際に、自分たちがより悪い立場に置かれる可能性があることをよく理解している」と述べた。
イ・ジェミョン政権も慎重だ。青瓦台は米国最高裁が相互関税を違法と判断したことに関し 21日、「政府は最高裁判決の内容と米国政府の立場を総合的に検討し、国益に最も合致する方向で(対応策を)検討していく予定だ」と明らかにした。
韓国日報「500조 대미 투자 재협상 가능할까… 상호관세 위법 판결 한국 영향은?(500兆ウォンの対米投資再交渉は可能か...相互関税の違法判決が韓国に与える影響は?)」より一部抜粋
今回、米連邦裁判所が「違法」としたのは相互関税(とフェンタニルを米国内に違法に持ち込んだことに対する「報復関税」)であることは確かです。
しかし「対米投資合意」という観点で見ると、韓国が対米投資に応じたのは「相互関税」というより、自動車や半導体、農産物の市場開放などの各種圧迫によるものなので、仮に相互関税が無くなったとしても再交渉の材料とはなり難い、ということですね。
イ・ジェミョン政権は喜び勇んで再交渉に乗り出すかと思っていたのですが、意外と冷静なようです。