米商務長官のラトニックさんが米メディアとのオンラインインタビューで韓国に対して「協定を受け入れるか、関税を払うか、二つに一つ」と強く迫る発言をしました。
韓国政府がずっと主張していた「上手く行った」を真っ向から否定する流れです。
ラトニックさんは「日本は契約書に署名した」ことに触れ、「そのため柔軟性は無い」とも述べています。これは、日本がこの条件を飲んだのだから、いまさら韓国だけ内容を変更(=特別扱い)することは無い、という意味でしょう。EUも日本が交渉をまとめた後に同水準に落としどころを付けてますしね。
毎日経済の記事からです。
一体なぜ...300人余りの韓国人が飛行機に乗った日、「関税カード」を取り出した米国
米国移民当局に逮捕・拘禁されて釈放された韓国人316人が搭乗したチャーター便が11日(現地時間)、仁川空港に出発した。こうした中でドナルド・トランプ行政府が再び「関税」カードで韓国を圧迫し、その背景に関心が集まる。
ハワード・ラトニック米商務長官は同日、米CNBC放送とのインタビューで、「韓国は(イ・ジェミョン)大統領が(ワシントンに)来た時、署名しなかった。彼はホワイトハウスに来て私たちが貿易に関して議論しなかったことを知っているはずだが、それは文書に署名しなかったためだ」と話した。
ラトニック長官は「彼らは今、日本を見ていると思う。そのため柔軟性はない」とし「日本は契約書に署名した」と付け加えた。
さらに、「韓国はその協定を受け入れるか、関税を払わなければならない。はっきりしている。関税を払ったり、協定を受け入れること」と強調した。
(中略)
先月25日、イ・ジェミョン大統領とトランプ大統領は、ホワイトハウスでの韓米首脳会談を機に、このように新しく変わった貿易協定について、繰り返し確認した。
新協定の骨子は、米国が韓国に賦課することにした25%の相互関税を15%に引き下げる代わりに、韓国が3500億ドル(約486兆ウォン)規模の対米投資をするということだ。
現在、韓米貿易協定の最終妥結に向けた交渉は韓国の対米3500億ドルの投資パッケージをどのように構成し、どのような方式で投資を決定するか、投資利益をどのように配分するかをめぐって意見の隔たりが大きく、難航しているという。
(中略)
こうした中、ラトニック米商務長官が米CNBC放送に出演し、「韓国はその(韓米間貿易)協定を受け入れるか、関税を払わなければならない。明確だ」と述べた。彼は特に日本と貿易協定に最終署名し、韓国がこれを分析しているという点を挙論し「だから柔軟性はない」と強調した。
このように米国がしばらく静かだった「関税圧迫」カードを再び取り出したのは、現在膠着状態に陥った韓米関税および貿易協定と関連して強硬な米国の立場をアピールする一方、産業通商資源部のキム・ジョングァン長官がこの日突然米国を訪問したことと無関係ではなさそうだ。
今月8日、韓国の実務交渉代表団は米商務省および貿易代表部(USTR)の関係者らと会って交渉を行ったが、合意には至らず、キム・ジョングァン産業通商資源部長官は同日、ラトニック長官らとの協議を続けるために米国に到着した。
(中略)
これに先立ち、李大統領は就任100日の記者会見で、「今後もしばらく交渉しなければならない」とし「良ければサインしなければならないのに、利益にならないサインをなぜするのか? 少なくとも合理的なサインをするように努力しなければならない。サインできなかったからといって非難するな」と明らかにした。米国側が要求する対米投資パッケージ構想を韓国側が簡単に受け入れるのは難しいという意味と解釈される。
(後略)
毎日経済「도대체 왜 이러나…300여명 한국인 비행기 탄 날, ‘관세카드’ 꺼내든 미국(一体なぜ...300人余りの韓国人が飛行機に乗った日、「関税カード」を取り出した米国)」より一部抜粋
ラトニックさんの発言はキム・ジョングァンさんへ向けたメッセージであって、飛行機の出発はたまたま被っただけだと思います。
しかし、韓国メディアの報道では今回の不法滞在取り締まりは「不法」であることはほとんどフォーカスされず、取り締まりが「不当」であるかのように、また取り締まられた(ほとんどの)韓国人を「被害者」かのように描写します。
ラトニックさんの発言を「不当」な要求と描写するためにこれらと絡めているのかもしれません。
まあ、実際の所、米国の関税圧力は相当どうかしていると思いますけどね。
ただ、今回のラトニックさんの発言に関して言えば、韓国政府が必死に「米韓首脳会談は上手く行った」と取り繕っているのが「ウソ」だと暴露しているだけのようにも思えます。
関税関連で言うと、今後メキシコの動きも韓国に大きく影響するかもしれません。
メキシコは50カ国近くの国とFTAを結んでいますが、FTAを結んでいない国に対して関税を50%に引き上げる案を検討中のようです。
日本はメキシコとFTAを結んでいるので、仮に関税が発動されても影響は無いと思われますが、韓国は結んでいません。
韓国からメキシコへの輸出は2024年に約136億ドル(10位)、全体のおよそ2%に過ぎませんが、輸出額の多い業種は電子機器や自動車となっています。
韓国と同じく中国もメキシコとFTAを結んでいませんので、恐らく対中迂回ルートを潰す意図があるのじゃないでしょうか?