欧州のシェンゲン協定は、加盟国間で入出国審査が免除される協定です。EU加盟国家とは限らず、例えばスイスなどはEU非加盟国家ですがシェンゲン協定には加盟しています。
国境を審査フリーで通過できるので一見便利そうですが、犯〇者のフリー入出国、不法移民などのデメリットもあります。
韓国で最近、このシェンゲン協定の「日韓版」が一部で盛りあがって(?)います。ちょっと前に「韓日経済同盟」と称してEUみたいなものを日韓で作ろうという記事が出ていたことがありますが、それと同じノリです。(こちら)
現状、制度を実施中の欧州はともかくとして、今の国際情勢を鑑みれば新たに同様の制度を始めようというのは私には理解できない考えです。
毎日経済の記事からです。
「韓日版観光ビザ・シェンゲン条約だけで184万人の観光客誘致可能」
韓日両国が「単一観光ビザ制度(韓日版シェンゲン条約)」を導入する場合、韓国を訪問する外国人観光客数が最大184万人まで増加するという分析が出た。また、国内総生産(GDP)が0.1%ポイント以上増加するなど、経済的波及効果も相当なものと観測された。
29日、大韓商工会議所は「新しい成長シリーズ、韓日観光協力経済効果分析」報告書を通じてこのような内容を発表した。
報告書は、韓日両国が単一観光ビザを運営する場合、日本人観光客の韓国訪問時の便宜性が改善され、訪韓需要が大きく増加する可能性があると分析した。また報告書は「東南アジア諸国連合(ASEAN)」が推進中の単一ビザ体系モデルを参考にして予測モデルを構築した。予測結果、韓日単一ビザの施行時の観光収入は最大18億5000万ドル(約2兆6000億ウォン)増加し、生産誘発効果は6兆5000億ウォン、就職誘発効果は4万3000人に達すると予想された。
これを通じた付加価値誘発効果は2兆8000億ウォンに達し、国内総生産(GDP)が0.11%ポイント増加する可能性があると大韓商工会議所は分析した。
(中略)
大韓商工会議所は、実質的な観光協力案として3つの戦略を提案した。 韓日共同観光商品の開発、外国人のための韓日単一観光ビザ体系の導入、AI基盤観光プラットフォームの構築などを提示した。
まず大韓商工会議所は「香港ーマカオ、シンガポールーマレーシアなど隣接国家の連係観光事例を参考にする必要がある」として「韓日地方都市間連係商品、歴史文化資源を活用した特化コンテンツを開発し共同マーケティングを推進しなければならない」と強調した。
複雑な入国手続きも観光誘致の障害と指摘した。現在韓国は中国・東南アジア(フィリピン、ベトナム、タイなど)観光客にビザまたは「電子旅行許可(K-ETA)」を要求している。これらの国の観光客は、全体訪韓外国人の40%以上だ。報告書は「彼らに韓国または日本ビザ一つだけあっても両国を行き来できるようにすれば観光需要が爆発的に増加するだろう」と提案した。
(後略)
毎日経済「“韓日판 관광비자 솅겐조약만으로 184만명 관광객 유치 가능”(「韓日版観光ビザ・シェンゲン条約だけで184万人の観光客誘致可能」)」より一部抜粋
気が付かれましたか?日本側のメリットが一切書かれていません。韓国へのメリットばかり。
書き方的に「日本人」観光客を韓国に誘致するのが目的ではなく、「日本に行った」観光客についでに韓国に寄ってもらおう、的な狙いなのかなという気がします。ちょっと意地悪な言い方をすると、日本のオコボレを期待するというわけです。
しかし、シェンゲン協定などなくても観光客は日本に来てくれているのですから、韓国の問題はビザだけじゃないと思います。
「利便性」という意味で言うなら、Googleマップが使えない、予約システムの利用に韓国内の電話番号が必要、道が歩きにくい、改札の反応がニブイし重い、トイレ事情…などをなんとかしてくれ、という感じです。
あと、東南アジアや中国からの観光客に「日本のビザ」で韓国入国を許可するのなら、当然「韓国のビザ」でこれらの国の観光客を日本にも入れなくてはならなくなります。
私は反対です。
なぜなら、ビザ発行の基準を統一して定めたとしても、その基準が韓国内で遵守されているかを日本側は知りようがないからです。
仮に問題が発生した場合、日本側で管理・指導が出来ません。これは主権の一部を放棄する行為では?