日米関税交渉が15%で妥結したのを受けて、各国がこれを一つの基準として動き出しているようです。ウォール・ストリート・ジャーナルやフィナンシャル・タイムズの報道などによると、EUも日米の動きを見て、ひとまず15%を受け入れる方針に転換するようです。
韓国は「日本をベンチマークしよう」という主張も堂々と見られます。さらに、日米で交渉対象とならなかったデジタル産業部門を加えれば「我々の方が有利に交渉を進められる」という(妙な)自信も覗かせています。
そして満を持して、明日(7月25日)にワシントンで開催予定だった米韓財務・通商2+2会談に参加するために、先日、副首相兼企画財政部長官に就任したばかりのク・ユンチョルさんが仁川空港で出国手続きを行っていたところ、米国側から突然「ドタキャン」の連絡が入り引き返したそうです。
しかも、メール1本で断りを入れてきただけで、理由については詳しい説明が無かった、と。
朝鮮Bizの記事からです。
米「一方的に通達」で空港から行先変更の韓国経済司令塔...「欠礼」ではなくトランプ式「交渉技術」
米国側の一方的な要請で25日(現地時間)、米ワシントンDCで開催予定だった韓米財務・通商2+2会談の日程が電撃的に取り消された。
韓国側の交渉首席代表であるク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官は、仁川空港で出国を準備していたところ突然の取り消し通知を受けて引き返した。さらに、別の交渉代表のヨ・ハング産業通商資源部通商交渉本部長はすでに米国を訪問し、現地で「2+2会談」を準備中だった。「米国を再び偉大に」(MAGA、Make America Great Again)を前面に出して通商地形を揺さぶっている米国が、高位級外交でも一方通行式の欠礼を犯したという指摘が出ている。
24日、企財部によると、米財務省は同日午前9時ごろメールを通じて、スコット・ベサント財務長官が「緊急な日程ができた」とし、25日に予定されていた「2+2交渉」を延期するよう通知した。米国側は突然の会談日程変更に対して「申し訳ない」という意思は明らかにしたが、ベサント長官の緊急日程に対しては具体的な説明がないと伝えられた。
(中略)
米側は会談延期メールで「早いうちに開催しよう」とだけ述べ、具体的な時点は決めなかった。米国が相互関税賦課を予告した8月1日まで1週間余りしか残っていない状況で米国側の一方的な通知方式で副首相級高官の訪米日程を決めるのは、相手国に対する配慮がない行動だというのが外交街の評価だ。
通商専門家の間では、対米輸出品目が韓国と重なる日本との関税交渉を終えた状況で、韓国の不安を刺激しようとする米国の外交戦術である可能性があるという分析が出ている。2+2会談を控えて米国が米・牛肉市場規制、高精度地図データ未提供などNTE(貿易障壁)報告書で非関税障壁と名指しした事案に対して韓国政府が微温的な反応を示したことに対する反発で会談を取り消した可能性も提起されている。
ある政府筋は「日米関税交渉の妥結で米国が考えていた関税交渉の優先順位で韓国が押された可能性がある。米国の立場では韓日関係の特殊性を通商交渉のテコとして活用し、自分たちの優位をより一層強固にすることができる」とし「2+2会談を控えて韓国政府で米・牛肉市場開放不可など堅固な反応が出てきたことに対する反発で米国側が会談を一方的に延期した可能性もある」と話した。
匿名を要求した通商専門家は「米国では経済安保イシューを前面に出して関税交渉を主導しているが、韓国では継続して産業協力カードを提示し『パッケージディール』をしようとしている」として「トランプ行政府の立場では通商イシュー別に、産業協力イシュー別に交渉を展開し両分野で全て成果を出したいが、韓国が産業協力を条件に通商問題を解決しようとするので目線が合っていないと感じるだろう」と話した。
この専門家は「私たちが提示するカードが通用するにはUSTRラインではなくホワイトハウスと商務部ラインで交渉が進行されなければならない」とし「商務部ではなくUSTRで2+2交渉代表を指名したのは韓国に産業協力カードではなく具体的にあなたたちが通商分野でいくらを使うのか正確な数字を提示しろという圧迫であるわけだ」と付け加えた。
朝鮮Biz「美 ‘일방통보’에 공항에서 발 돌린 韓 경제사령탑… ‘결례’ 상관않는 트럼프식 ‘협상의 기술’(米「一方的に通達」で空港から行先変更の韓国経済司令塔...「欠礼」ではなくトランプ式「交渉技術」)」より一部抜粋
韓国が進めようとしている「パッケージディール」は、通商、産業協力、安全保障などを全てテーブルの上に載せて一括で交渉するスタイルです。
例えば、米国側が要求している牛肉輸入規制緩和や関税緩和などの通商譲歩に対して、半導体サプライチェーンへの投資などの産業協力の強化を提案することで、総合的に妥協点を探すスタイルの交渉になります。
しかし、米国側が求めているのは1つの問題に対して1つの解決策を求める「分離交渉・成果主義」と思われます。
米国側は、牛肉市場など非関税障壁への明確な譲歩や数値的な提案がないことに不満を持っていた可能性があり、韓国が「全体パッケージとして再調整しましょう」という態度に対して「そうではなく、具体的な数字とYES・NOだけが必要」という姿勢を示した結果が今回の「ドタキャン」に現れたのではないか、というのが記事の指摘ですね。
まあ、実際のところは分かりませんが。