韓国銀行が6月の経常収支(暫定値)を発表しました。
122億6000万ドルの黒字で、歴代3番目で2017年9月以来の最大の黒字水準です。
しかし内訳を見てみると、やはり好調なのは「半導体」。前年比50%を超える増加幅で輸出をけん引しています。また、輸入が減少しているため「不況型黒字」の典型になっています。
毎日経済の記事からです。
6月の経常収支122億6000万ドルの黒字…81ヵ月ぶりに最大
(前略)
7日、韓国銀行(韓銀)が発表した国際収支(暫定値)によると、6月の経常収支は122億6000万ドルの黒字と集計された。2017年9月の123億3770万ドル以来の最大記録だ。これで今年上半期の経常収支は377億3000万ドルで、前年同期(11億5000万ドル)に比べて大幅に改善された。
(中略)
韓国銀行のソン・ジェチャン金融統計部長は「歴代3番目に高い水準の黒字で歴代1~2位水準に近接した」として「AI関連前方産業需要拡大とメモリー価格上昇と半導体輸出が歴代最大を記録した」と説明した。
今回の経常収支黒字規模は月別基準で歴代3番目に高かった。2017年9月(123億4000万ドル)以来、6年9カ月ぶりの最大規模だ。歴代3番目に高い記録で2016年6月124億970万ドル、2017年9月などが後に続いた。
輸出が経常収支黒字を主導した。輸入は相対的に減少し、黒字規模がさらに大きくなった。6月の商品収支は114億7000万ドルで15ヵ月連続黒字を記録したが、黒字規模も45ヵ月ぶりに最も大きかった。特に、6月の半導体輸出が1年間で50.4%増えた影響が直接的だ。このほか、情報通信機器(26.0%)、石油製品(8.5%)、乗用車(0.5%)などが増加し、地域別では東南アジア(27.9%)、米国(14.8%)、中国(1.8%)などへの輸出が好調だった。
(中略)
輸出は588億2000万ドルで前年同期より8.7%増え、9ヵ月連続増加傾向が続いた。輸入は473億5000万ドルで、1年前より5.7%減少した。鉄鋼材(-18.9%)、化工品(-20.6%)、石炭(-25.9%)などを中心に原材料輸入が6.6%減り、半導体(-4.9%)、半導体製造装備(-24.1%)など資本財輸入も4.6%減少した。
サービス収支の場合、16億2000万ドルの赤字と集計された。赤字規模は1年前より減ったが、1カ月前(-12億9000万ドル)よりは小幅に拡大した。特に、旅行収支が9億ドルの赤字で115ヵ月連続赤字の推移を続けた。
(後略)
毎日経済「6월 경상수지 122억6000만달러 흑자…81개월 만에 최대(6月の経常収支122億6000万ドルの黒字…81ヵ月ぶりに最大)」より一部抜粋
貿易収支の黒字拡大の要因に輸入減少が大きく寄与するのは「不況型黒字」と呼ばれる現象です。
韓国の場合、その不況型黒字と前年同期比50.4%の輸出増となった半導体が黒字をけん引しているのは明白です。
記事中で出て来る輸出全体金額588.2億ドルは商品収支としてプレスリリースの出て来るものです。商品収支は日本の統計では一般的ではありません。
韓国銀行のHPに掲載されている説明によると...ゴチャゴチャと書かれていましたが、要はこれは税関ベースの集計では無いようです。FOB条件(船舶までの運送費、保険料を輸出業者が負担、その後を輸入業者が負担すると仮定した算出法)で出しているとしています。
同じプレスリリース内で全体輸出額を見ると570.6億ドル、前年同期比5.1%増に減少します。

こちらは税関ベースの数字になるのかと思うのですが、明記されていないのでハッキリとはしません。(日本の統計はこの辺りの部分がもっとシンプルにまとまっているので、どうしても韓国の統計は「なんとかしてよく見せようとしてコネくり回している」ような印象を受けてしまいます)
それはともかく、こちらの数字を元に見ると、2023年6月は543億ドル、既に前年同期比-5.9%です。
ということは、輸出はやっと2022年水準に戻ったということです。
輸入額でも見てみると、商品収支は473.5億万ドルで1年前より-5.7%とありますが、税関ベース(?)では490.7億ドルで-7.5%になります。金額は増えますが減少率が上がっています。
2023年6月は530.6億ドルで前年同期比-11.8%です。こちらは2022年水準に戻るどころか減少が続いています。

つまり、輸入ー輸出で算出される貿易収支において、輸入減による黒字の拡大幅は年々拡大しているということになり、やはり「不況型黒字」が深刻になりつつあることは間違いないのではないかと。